5 マサトとの出会い
ユキは父の心配をしながら男から逃げる為必死に走った。見つかりにくいようにそして見つかっても関係ない人を巻き込まないように、路地裏に隠れて父が探しに来るのを待っていた。しばらくすると足音が聞こえてきて父と思い確認しようとすると、そこに居たのは父親ではなくあの男だった。
「ななんであいつがここに居るんだ。」
そんな事を言いながらユキは逃げた。
「あいつがここに居るって事は父さんは……。」
ユキは最悪の事態が思い浮かんでしまった。そんな事を考えながら走っているとユキは転んでしまった。男が追いかけてくる、ユキは起き上がり逃げようとするが恐怖で立ち上がれなくなっていた。そして男がユキの前に立ち剣を振り下ろす
がユキには傷一つ無く代わりに別の男がユキの事を守っていた。
「どんな事情があるのか知らんが、こんな小さな子供を殺そうとするなんて捨て置けないな。おいボウズ大丈夫か?。」
ユキは無言で首を縦に振る
「なら少し離れていろ。」
ユキは男の言う通りその場から離れた瞬間激しい剣の撃ち合いの音が聞こえてきた。
ユキの目では見ることも出来なくユキは自然と「すごい。」
と言っていた。そして思い出したようにユキはその場を離れた。
少し離れた場所にしばらく隠れていると剣の音が止んだ。そしてまた足音が聞こえて来た。
ユキはもう逃げる体力は残っていなかったし何より恐怖で動く事が出来なかった。
「またあいつが来る。僕を殺しにやってくる。」
ユキは関係ない人を巻き込みたく無かったから路地裏に逃げたのに、結局関係ない人を巻き込んでしまったと自分がこんな状況なのに考えていた。そして足音がユキの前に来ると
「お前大丈夫か?」
と声をかけて来た。
そこに居たのは自分を狙って来た男では無く、自分を守ってくれた男だった。そこでユキは緊張がとけ眠ってしまった。
ユキは見覚えの無い場所で目が覚めた。
「よう、起きたか。」
男はユキにそう話しかける。
ユキは混乱して周りを見渡すと見覚えの無い場所だと思っていた場所は、自分が隠れていた場所だった。
「うーんまだ状況が理解出来ていないのか。とりあえず自己紹介だ。俺はマサト、個人で傭兵をやっている。お前さんは。」
ユキはそう聞かれて慌てて
「僕はユキ・エンゼルです」
と答えた。
マサトと名乗った男は驚いた様子で
「まさか貴族様だったとはこれは失礼した。」
と頭を下げてきた。
「いえ今朝王城からエンゼル家は取り潰しとだと書かれた手紙が送られて来たので、今はもう貴族ではありません。それにマサトさんは命の恩人ですし、どうか頭を上げて下さい。」
ユキはマサトに慌てて言った。
「そうかなら対等に話すとしよう。それで何があったんだ、詳しく話せないにしろ少しは事情を知りたい。教えてくれるかユキ。」
ユキはマサトに話すか迷うがマサトに何があったのか話すことにする。今朝王城から取り潰しの手紙が来て、メイドの叫び声を聴いて廊下に出てみると母親であるマリー・エンゼルが死んでいた事、その後どこからか現れた謎の男が襲い掛かって来て、父親のレオンが残ったが男は結局ユキに追いついて来た事全てマサトに話した。
ユキはマサトに話を聴いてもらって少し心が軽くなった気がしたが、結局今後どうしよう、父は生きているだろうか等の不安が襲い掛かって来た。
そんなユキを見てマサトは
「よしならユキお前うちに来い」
とんでもない事を言い出した。




