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世界も人も狂ってる  作者: 拓斗
3 さよならありがとう (1)
44/67

44 死神 6

「?懺悔だと。何を言って」


「死神の一撃、デスソール。」


すべてのキツネがネズに向かって斬り掛かる。この数では避けることは出来ないとネズは判断し、反撃に集中することにした。


「こい。貴様のその仮面打ち砕いてくれる。」


ネズは全ての攻撃を受けた。一撃だけ斬られた感触がありその方向へ斬り掛かろうとした。がそのままネズは倒れてしまった。

なんだ体がだるい。これは魔力切れの症状。なぜ今魔力切れが起きているんだ。それになぜ斬られたはずなのに、血が出てないんだ。


「3度目だがやはり老いましたね。以前のあなたなら全ての攻撃を打ち返してます。まぁそんなことよりどうですか今の技。魔法の中にはダメージを魔力で受ける物もあるらしいですが、それの応用です。面白いでしょ。」


「そうゆうことか。だがなめるな。この程度のピンチがなんだとゆうんだ。この私は無敵とまで言われたネズ・マイトだぞ。」


ネズは立ち上がりキツネに斬り掛かる。しかしキツネには当たらない。


「そりゃそうでしょう。今の一撃でやられてしまっては、面白くない。それはもう老いとか関係なく元々の実力不足ですよ。それに言ったじゃないですか。完膚なきまでにプライドを打ち壊すって。魔法を使って勝っても意味ないじゃないですか。まぁこれは実験ですよ。どうせ魔法は使えないですし、魔力なんてあんまり関係ないじゃないですか。」


「........今なんて言った。」


「え?」


「今魔法が使えないって言ったな。」


「言いましたが?」


「許さん。王国流剣術星の怒り。」


ネズは魔法が使えないことはコンプレックスだった。しかしこれ程までムカついたのは初めてだろう。


「死ねええええええええええええええええええええええええええええ。」


人生で1番と言っていい程の斬撃を放つ。しかし


「おお早い早い。」


キツネには届かない。少し動くだけで避けられてしまう。


「クソ死ねよ。この害悪ギツネ。人で遊んでそんなに楽しいか。」


ネズの斬撃がキツネに襲いかかる。しかしキツネにはやはり当たらない。


「私は強い。私は最強。私は無敵。私は」


「もういい。」


何が起きたのか分からなかった。ただネズは気がつくと倒れていた。これはあの時と同じ。


「人で遊んで楽しいかだと。そっくりそのまま返してやるよ。なんだよあの地下の人達は、お前こそ人で遊んでいるだろ。それになんださっきから最強だの無敵だのそれは昔の話だろ。今のお前はただのジジイじゃねーか。1回鏡見てみろ。いつまでも過去の栄光にすがるんじゃねぇ。」


「ひぃ。」


ネズには目の前のキツネが何倍にも大きく見えた。自分では分からないほどの実力それは第一王子と同じだ。

こいつも超越しているのか。結局私は井の中の蛙なのか。


「それにダサい。なんだよ最強とか無敵とか。いい歳して何言ってんだ。」


私は負けたのか。いいやまだ負けてない。隙をついて何とか


「話聞いてるのかお前。」


ネズに向かって何かが飛んできた。ネズはどうやって隙を作るか考えていて避けることが出来なかった。いや避けれたとしても避けれなかただろう。なぜなら飛んできたのはの息子の顔だったからだ。


「あっ、最後に渡すつもりだったんだけど。まぁ良いか。」


「なんでロロスが。」


「わかっていると思うが死んでいる。それはもしも裏切ったらどうなるか分かってもらう為の」


「うおおおおぉ。」


「........ちっ。おいとにかくお前は俺の言う通りにしてもらう。もし出来なかったり、裏切ったら他の家族もそうなると知れ。急ぎの用事はここに書いてある。読んだら直ぐに実行しろ。そしてこの紙は燃やせ。」


果たして聞こえているのかどうか分からないが紙を床に置きキツネは立ち去った。いずれ寝ている者達も起きてくるだろう。庭で寝ているのでかなり寒いだろうし。











「ん?来たか。」


ユキは古代魔法テレパシーを使う。


「どうだったキツネ。上手くいった?」


「ああ多分な。........なぁユキ俺たちほんとにこれで良いのか。本当にこれでセシルが喜んでくれるのか。」


「それは................だけどこの道を進むと決めたじゃないか。それ以外の方法はより多くの血が流れる。これがきっと最善の策なんだ。」


本当にそうなのか。多くの人を不幸にしてこれでセシルに幸せなんて言えるのか。


「お前も悩んでいるんだな。」


「えっ。いや悩んでなんてない。今ここで悩んでいたらここまで出した犠牲が無駄になる。」


そうだ悩んでいるのは彼らへ顔向けできない。


「結局僕達は誰かを傷つけていくことしか出来ないんだ。それでも誰かを助けたいなら、自分を救いたいなら、誰かを傷つけないといけない。」


「そうか。........それじゃあまた連絡する。」



「ああ。」


テレパシーをユキはきった。


「僕は何をやっているだろう。」

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