40 死神 2
(おいユキ【消滅】は使わない約束だろ。既に私の神力【覚醒】を使ったばかりなのに。)
ユキは5年間の修行でマリィの魔神としての神力【覚醒】とユキの死神としての神力【消滅】の2つの神力を使えるようなっていた。だがどうやら神力とゆうものは、どれだけ練習しても上手くなることは無いようだ。あくまでも神力は時間が関わるって来るらしい。【覚醒】は使えるようになって4年が経つので、今なら何とか使える。だが【覚醒】は対象の真の力を解放するとゆう効果なので、正直【消滅】より使いにくい。また元はマリィの能力なのでマリィが使う【覚醒】とユキが使う【覚醒】ではレベルが違う。だが【消滅】はユキの神力だ。ユキ以上に使える者はいない。だが【消滅】は【覚醒】よりも燃費が悪くまだ使えるようなってから半年しか経っていない。そのせいであまり使えない。この血は使えないのに、無理やり使った罰だろう。
(ごめんマリィだけどどうしても許せなかったんだ。ただ殺すだけじゃ。でも首だけは必要だから残しておいた。少しだけどコントロール出来る。)
最初は【消滅】を使ったとしても、変なところを消したり、消えなかったりしてまともに使えなかった。だけど今確かにコントロール出来ていた。ユキはその事が嬉しかった。
(これで僕も一応神の仲間入りだ。)
あの地獄の日々を耐え抜いた成果だ。5年間で24回も死んだ甲斐があった。マリィがユキを結果的に殺し、その度にマリィがユキを生き返らせまた死ぬ。マリィとの修行はこれの繰り返しだった。体は無事でも心が壊れそうだった。或いはもう既に壊れているのかもしれない。死は人の心では決して勝てるものでは無いのだから。
(··········)
(マリィ?どうかしたのか。)
(いやユキがこうなったのも私が原因なんだよなと思うとね。私が原因なんだから、私にユキを止める資格はないし、それでも少しね。)
(少しなに?)
(いややっぱりよそう。それより時間大丈夫なのか?恐らくそろそろ星が出てくるぞ。)
マリィの警告をうけユキは急いで外に出る。やはり外は既に暗くなっていた。ユキは急いで準備をする。まずは
「サモン カラス」
召喚魔法でカラスを呼び出す。
マリィには神力だけではなく、魔法も教えてもらった。あまりにもスパルタ過ぎて神力とは関係の無い訓練で18回も死んだ。合計で42回も5年間でマリィに殺された計算だ。だがそのかいあって魔法もだいぶ使えるようになった。さすがにたかが5年でプロの魔道士には勝てないが、それでもなかなか使えるようになった。特に闇属性の魔法は優秀な魔法が多くが、生い立ちのせいもあってなかなか使いにくかったが、何とか使えるようになった。しかしあまり攻撃系の魔法が闇属性にはないので、火力なら風属性、万能さなら闇属性と言った感じか。
(ユキお前は私と出会わなければ、きっともっと幸せな人生を送れただろう。人を辞めずにも済んだ。それでも私は。)
(なにか言った?今カラスを召喚していて分からなかったけど。)
(いや何も言ってない。)
(ならいいや。)
ユキは先程買った2本の剣とロロスの首をそれぞれ別のカラスの足に結んだ。
「それにしても運が良いと言うか、悪いと言うか、世間は狭いよね。」
(そうだな。)
カラスの足にちゃんと縛ったのを確認するとカラスは何処かに飛んでいった。
「それじゃあ後は彼らに任せて僕達はキース帝国に向かうか。」
(...そうだな。)




