36 出発
ユキが新しい家族と生活を初めて5年がだったある日。
「それじゃあ行っています。」
ユキは出かけようとしていた。
「ユキ行ってらっしゃい。だけど大丈夫?山に行ってくるなんて危険じゃない?」
「二週間位で帰ってくるから大丈夫だよ。まあ傭兵なんて仕事危険がないわけないけど、無事に帰ってくるから。」
「増えてきた魔獣の討伐だっけ。あんまり強くない魔獣って言ってたけど。それでも心配には変わりないよ。」
「ありがとセシル。でも心配ないよもう傭兵の仕事を初めて3年が経つんだから。今まで何もなかっただろ。」
このやり取りは毎回起きる事だ。ユキはセシルに心配されているのは嬉しいが、セシルはなかなか離してくれずいつも30分程時間を使う。
「だけど」
「心配ないから。僕はちゃんと帰ってくるだからセシルは僕が家に帰ってきたら笑顔で出迎えて欲しい。いつものお願い。」
「分かってる。だから無事に帰ってきてね。」
「おおユキ今行くのか。」
「間に合って良かったですユキ様。」
ちょうど買い物から帰ってきたマサトとホロビ。マツブキ商会で食料等をはじめとした様々な物を買ってきたらしい。
「ユキ様これは頼まれた物です。」
ホロビが1つの魔道具を渡してくる。
「ユキ何それ?」
「これはねカメラっていう魔道具だよ。魔力を込めてボタンを押すと。」
光がセシルを襲う。
「え?」
何が起きたかわかっていない様子だ。ユキはそんなセシルを見て少し笑いながら言った。
「こんなふうにその瞬間を写真にすることが出来るんだよ。あっ写真ってのは絵みたいな物だよ。」
出来た写真をセシルに渡す。
「これ私だ凄い。ありがとうユキ。」
セシルが驚き喜んでいる。これだけで高い魔道具を買ったかいがある。
「ん?」
「どうかしたのユキ。」
「いや少し虫がこっちに来ていてね。別に問題ないよ。」
「そうだったんだ。あっ!それじゃあせっかくだし記念で家族みんなで写真を撮ろうよ。」
「家族写真か。.......僕は構わないけどマサトとホロビは?」
ちゃんと2人にも聞いておく。まぁ断ることはしないだろう。
「俺は構わないぜ。俺も家族写真欲しいからな。」
「そうかホロビは?」
「私は遠慮させてもらいます。私はあくまでもただのメイドですので。3人で撮ってください。」
「そんなホロビさんだって家族です。一緒に撮りましょうよ。」
「いえですが、私は」
まだなにか言いたそうだったがユキは問答無用で準備を始める。
「それじゃあ10秒後に撮るからな3人とも良いか?」
「え!おいもう撮るのか。」
「僕も早く仕事に行きたいからね。とりあえずマサトは手に持っているダンボール置いたら。そしてホロビは観念しろ。セシルは....特に無いな。」
「ユキ様がそう仰るなら分かりました。」
「ほらみんな笑顔。」
そして4人に光が襲った。ユキは確認する為カメラに向かう。そして他の3人もそれに続く。
「取れてるかな.....うん大丈夫そうだ。ほら4人分あるから1人1枚ずつ取っててくれ。」
「ありがとうユキ。」
「良い写真だ。ありがとうなユキ。」
「感謝します。.....また思い出が増えました。」
「ああそれじゃあ僕はもう行くから後のことはよろしく3人とも。」
ユキは行こうとするがセシルに手を握られて行けない。
「セシル危険なことはしないから」
「そうじゃなくて、行ってらっしゃいユキ。」
「ああそうだったな。行ってきますセシル。」
ユキが出かけてから1時間後。マサトとホロビは2人でお茶を楽しんでいた。年長者の息抜きだ。とゆうのは建前で本当はマサトがユキとセシルの事を知りたがっているだけである。
「あの2人良いですね。」
「良いとは?」
「そのままの意味です。マサト様も認めていらしゃるんでしょ。」
「.....あの2人は兄妹みたいなもんだ。そんな仲にはならないはずだ。少なくとも俺は認めない。そんなつもりであいつを育てたんじゃない。それにユキは女の子にけっこうモテているじゃないか。昨日も違う女の子から告白されていたぞ。他の誰かなんていくらでもいるだろう。」
ユキはこの5年間困っている人がいれば、手助けをして、様々な行事などにも参加してきた。そしてその行事も本来目立たない裏方の仕事が多く誰もやりたがらないなら自分がやるとそんな感じの生活をおくっていたため、人々から人気も高い。また元貴族として顔もマナーも出来ており、モテない方がおかしいとも言える。
「ですがユキ様はちゃんと一人一人に直接断っています。近所の方々だってわかっていると思いますよ。2人のこと。」
「セシルは13、ユキだってまだ15じゃないか。まだ早すぎる。」
「早い人は産まれて一週間で結婚する方もいます。変な人に大切な子供が惑わされる前に信頼している人に預ける方が良いと私は思いますよ。それにあの2人は普通の13歳と15歳ではない。それに年齢は関係ないと思いますよ私は。」
「......わかっている。だけど寂しいだ何処に行くわけでもないとゆうのに、いざとなると寂しいんだよ。」
それは心の叫びだった。2人には幸せになって欲しい。だが父親としては悲しくて寂しい。そんな2つの思いが交錯しているのだ。
「まぁどちらにせよ。まずはセシル様が自分の心に気づくことからですね。2人の問題であり私たちがあまり関わりすぎるのもどうかと思いますし。」
「そうだな。..............なあホロビそろそろお前何が目的なのか教えてくれないか。」
「........................................................どうせあなたはあと少しの命なんです。最期に知りたいとゆうのなら教えましょう。ただし誰にも教えないことが条件ですが。」
ホロビも常に嘘をつき続け疲れていた頃だ。普通はそんなこと言わないだろう。それともこの人が自分の●●だからだろうか。
「ああ言わない。とは内容によっちゃあ約束出来ないが教えてくれるなら教えてくれるなら。」
「そうですね。信じられないかも知れないんですが私の正体はユキの○○です。」




