33 正体 2
(ユキって自分の祖父と祖母に会ったことある?少なくとも私が見た記憶のうちにはなかったけど。)
祖父、祖母なんで今そんな話になるんだ、と不思議に思ったが、とりあえずマリィの質問に答えることにした。
(いや父さんの方の祖父母とも母さんの方の祖父母とも会ったことは無いな。と言うかあんまり父さんも母さんもその話をしなかったんだよ。特に母さんとは家にいても部屋にいて、僕ともなかなか会えなかったから、全くって言っていいほど知らないかな。)
ユキはマリィに説明していて少しおかしいことに気がついた。
とは言えあまりにも知らなすぎじゃないか。死んだとは聞かされていたが、それ以外は何も聞かされていない。父さんが少し話しにくそうにしてたから、その時は追求しなかったけど、別に他人なら兎も角、自分の息子にもっと話しても良かっただろうし。なにか理由があったのか。それよりなぜ母さんは僕とすら滅多に会おうとしなかったんだ。
ユキが集中して考えていると上から嫌な気配がした。瞬時にその正体が水だと理解したユキは前方に転がった。
(2回も同じ攻撃は喰らわない。)
ユキが安心仕切っていると
(甘いな。)
突如上から拳サイズの石が50個ぼど落ちてきた。最初の回避で油断していたユキは当然
(痛い痛い痛い痛い。)
直撃したのであった。
___更に1時間後_____________
石を片付け既にボロボロの体に石で出来た傷を治療しやっと話が再開する。
(今回は話を聞かなかった僕も悪い。けど石はないだろ。危険だろ。)
(石如きで危険なんて言ってたら、この先どうなる事やら。それはさておき)
正直ユキは納得してないのだが、マリィは話を続けてしまった。
(ユキの祖父母の話だけど、.....多分人間じゃないね。)
(·····)
(なにかご感想は?)
何を言っているんだこの魔神。と言ってやりたかったが、石を片付けている最中それは考えていた事だ。別種族で結婚する者も、世の中いるだろう。だが一般的には人間は人間以外とは結ばれることは少ない。また出産にもリスクが通常よりも高くなりやすいとゆうのもある。
(まあもしかしたらってのはあったかな。それでいったい誰が、なんの種族だったんだ?)
(全員別の種族。)
(......もう一度頼む。どうやら水やら石やらのショックで耳がおかしくなったらしい。)
実際は心の中での会話なので耳は関係ないのだがユキは祈るような願いでもう一度頼んだ。
(だがら全員別の種族だから。)
(......もう一度頼む。どうやら水やら石やらのショックで耳がおかしくなったらしい。)
(逃げるな。別になにかある訳じゃないだろ。)
(いやなにかはあるだろ。)
(なにを気にしているんだ。本来出産が難しい異種族どうしの子供がお前の父と母。つまりハーフだな。そしてお前の父と母が出会い、お前が生まれた。凄い奇跡じゃないか。むしろ喜ぶべきだ。)
(ん?いやそうなのか。)
確かに体に異常は無い。むしろ喜ぶべき、確かにそうだ。もしかしたら父さんと母さんになかなか子供が出来なかったのってこれが原因じゃないのか。
(ああ凄い奇跡だ。父と母に感謝するんだな。まあ話を戻すが、つまりユキは4つの種族の血が流れているって事だ。そこで私頑張れ勝手に調べておいた。)
(おい、変なことしてないだろうな。)
(すると4つの種族全て分かったぞ。)
(無視するな。って分かったのか。)
まさかそんな事まで出来るなんて。体を調べられたのは嫌だがこれは凄い。
(ああ、時間あったからな。それでは早速発表していくぞ。まず1つ目は人間。)
(うん。まあそうだよな。)
これは分かる。問題は次からだ。
(次に2つ目のの種族は、エルフ。)
(へぇー。)
自分でも反応が薄いなどうやらユキは思った。しかしエルフとドワーフと獣人は稀にだが結ばれることはある。4つのうちに入っていても不思議じゃないだろう。
(なんだか反応が悪いな。まあ気を取り直して3つ目は妖精族。)
(なにそれ?)
まず知らない。知らないから反応が取れない。
(妖精族ってのは、人間の手のひらサイズの種族で光る羽を持ち、空を飛ぶことが出来る種族ね。まあ珍しい種族だし滅多に人前には出てこないからね。そしてラストの種族は精霊族。)
(だから知らない。)




