32 正体 1
(ねぇいつまで寝てるの私との話はまだなの?...........)
「あ、え、···え?なに。」
ユキは本能的に起きないと不味いことが起きると察知し、目覚めたが状況は理解していない。周りに誰も居ないのにキョロキョロしている者はなかなかに面白いとそんな事を思っているマリィだが話が始まらないので正気に戻すことにした。その方法とは
「あれ何だか体がおかしく.......ん?」
ユキは嫌な予感が察知し上を見る。そこには大量の水が落ちてきていた。だが水に気がついても回避する手段がなければ無意味である。そして残念ながらユキには落ちてくる水を回避する手段は思いつかなかった。その結果は···直撃である。
「さささささ寒い。」
濡れた服を着替え予備の布団にくるまっている少年、これでも元貴族なのだ。なんで自分がこんな目にあっているんだと普通なら愚痴の1つでも言うのが当たり前なのだが、ユキは愚痴をこぼさない。
さてユキの方はそんな感じだが水を降らせた本人は
(あははは、あの反応駄目、面白すぎて笑いが止まら、あははは。)
笑っていた。
___そんなこんなで1時間後________
(なんでこんなことしたんだマリィ。って本当は聞きたいんだけど今回は他に聞きたいことがあるからいい。)
(なんだもしかして怒ってるのか?)
(怒ってない。)
(本当か私には怒ってるふうに見えるが。)
「だから怒ってないって言ってるだろ。」
家中に響き渡るユキの声。ちなみにもう既に深夜だ。幸いなことに誰も起きなかったようだ。
(ふふふあははは)
(それはもういい。早速本題に入るぞ。なぁマリィあのホロビって名乗っていたメイドどう思う。)
いつの間にか寝てしまったが、残念ながらホロビは夢じゃないだろう。その証拠にこの家からヤバい気配が止まらない。言葉にすると難しいが一言で言うなら不のオーラが正しいだろう。マリィはどう感じているのかユキは知りたかった。
(どう?と言われてもな。別に私は変に思ったことは無いが、どうかしたのか。どうやら予想していたよりも早く私とゆう者が出来やがっているらしくて、人格の変化や、ユキの考えを見ることが出来なくなっていてな。詳しく教えてくれ。)
(は?おいおい聞いてないぞそんなこと。これでやっと解放されるのか。じゃなくて僕の考えか。僕はホロビなんて知らない、少なくともあったことは無い。ここからは予想なんだけどホロビは神の刺客なんじゃないのか、と思っている。)
ユキは自分の考えをマリィに伝えた。現在ホロビは敵だと判断しているが、知らないとゆうだけで、何もかも敵と考えるのは良くない。その証拠ため魔神であり様々な体験をしているであろうマリィにまずは、話を聞くことにしたのだ。
(まず彼女が神の刺客なのではないかとゆう予想だがこれは限りなくゼロに近い。)
まさかゼロと言われるとは思っていなかったユキ。
(なぜそう言いきれるだ?)
(理由は3つ。まず1つ目は彼女はただのメイドじゃないか。君の家の。)
(いいや違う。家のメイドにホロビなんて名前の奴いなかったし、生き残ったのは僕1人だけだ。この記憶はあいつが作り上げた偽物だ。)
(.....そうか。仮に彼女がエンゼル家のメイドではなく、ユキの記憶を操作したとしても、神の刺客ではない理由があるんだそれは、奴の思考に合ってない。これが2つ目の理由だな。)
(思考?なんだよそれもしかしたら部下が勝手に行動しているかもしれないじゃないか。それに思考なんてものは当てにならない。)
(それじゃあ3つ目の理由だがなぜ彼女は襲ってこない。寝ている人物を暗殺するなんて簡単に出来る事だろう。本当に神の刺客なら第一に私たちの抹殺を仕掛けて来るはず。なのにすることが記憶の操作だけじゃおかしい。とゆう事で恐らく彼女は神とは無関係と言ってもいいと私は判断するよ。)
確かにそれは不思議に思っていた。それじゃあ神以外の誰かが何らかの目的で接触してきたとゆうことだろう。だが一体誰が...分からない、とりあえずはこの件は保留にするしかない。余りに情報が少なすぎる。
(それじゃあ今度は私のターンで良いねユキ。)
(え、ああどうぞ。)
考えをまとめている最中だったので、少し変だったがマリィはそこには触れず話し始めた。
(君が寝ている間ねすること無かったから君を調べさせてもらった。)
(いやなに勝手にしてるの。)
(ごめんごめんだけど面白いことが分かったよ。ユキがびしょ濡れになる以上のね。)




