3 王家の人々
ミミセラは父親であるガノン・ラナティス・エルランドの下にすぐに向かった。そこには弟であるエドワード・ラナティス・エルランドがいた。
「やあミミセラ姉さんそんな顔してどうしたの?と言ってもミミセラ姉さんの事だからどうせエリーゼのことだろうけど」
ミミセラはエドワードの事は無視して
「お父様大変です、エリーゼが奴に恋心を抱いています。すぐに対処をしなければエリーゼはこのまま奴に」
ミミセラが言い終わる前にガノンは立ち上がり「奴は確かエンゼル伯爵の息子だったな、私の大切なエリーゼをたぶらかすとは許せん。」
黙っていたエドワードは面白い事を考えたと心の中で笑いガノンに1つ提案をした。
「父親王族であるエリーゼを誑かすとはとても許せる事ではありません。そして自分の子供の手網すら持てない伯爵家には用はありません。そこであの家をとり潰すのはどうでしょう。もしかしたらエリーゼを仲間に引き入れ王家に反逆をするかもしれませんし。」
実に無理矢理な話だったが、エドワードはこの話を賛成する事を分かっていた。父は優秀な王ではあるがかなり子煩悩であり、どんな話でも受け入れてくれるからだ。更に今回は自分の娘が誑かされているのだ、冷静に考える事が出来なくなっていた。そんなエドワードの予想通りガノンは
「ああ、そうだなエンゼル家はおとり潰しにする。すぐにそのための手続きをしなければ。」
とエンゼル家をとり潰す為に動き出した。
「それでは父上ボクは魔法の特訓に戻ります。」
そう言い退出した。
エドワードは周りに誰も居ない事を確認して自分の影に命令した。
「エンゼル家の者は全員殺せ。」
その命令を聞いた瞬間謎の男がエドワードの影から出て来た。そして命令を遂行するため行動を始める
「エリーゼは自分の好きなやつが死んだと分かったらどんな顔をするだろうか。想像するだけで笑いが止まらない。」
そうしてしばらくの間エドワードは笑い続けていた。




