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世界も人も狂ってる  作者: 拓斗
2 エルランドでの生活 (1)
23/67

23 マツブキ商会での戦闘3

フレイムタイガーの鋭い爪がユキに襲いかかる。だがユキは爪の攻撃をぎりぎりでかわし名もなき剣でフレイムタイガーに斬り掛かる。しかしやはり炎の鎧に守られているためか、ダメージは入ってないようだ。


「効かないか、なら魔法なら。」


ユキは自分が今使える魔法の中で1番威力の高い魔法を発動した。


「トルネード」


トルネードそれは風属性の上位魔法。小さな嵐を作り対象を切り裂くとゆう魔法だ。大抵はトルネードよりも威力は下がるが、簡単に使え魔力消費も抑え目な中級魔法サイクロンを使うのが普通だが、ユキは出し惜しみをしなかった。

僕に使える唯一の上位魔法これなら倒せなくても、少しぐらいは効いたはず。今のうちにどこかに隠れなきゃ!

そんな事をユキは考えているとトルネードの中からフレイムタイガーが出てきた。ユキは少しぐらいは時間を稼げると考えていたため、行動が遅れてしまった。


「しまっ」


た、と言う前にフレイムタイガーの爪がユキは直撃する。そしてユキは後ろに吹き飛ぶ。黒竜装備の防御力と少しながらトルネードでダメージを与えて弱らせたおかげでユキはぎりぎり生きていた。だが体は全く動かず、頭も考える事が出来なくなっていた。ユキに分かるのはただ自分に死が近ずいて来ていることだけ。


ああ僕死ぬのか。なんだろうすごく怖いのに、物凄く冷静でいられる。もう2度目だからかな。けどあの時助けてくれたマサトが助けてくれて、今度は僕がマサト達のことを助ける、きっとこれは運命だったんだ。


ユキは死を受け入れていたが、もう1人死を受け入れている人のことが頭によぎった。そしてそこからは、ユキは世界に怒りを覚えた。

そうだなんで僕はセシルは死ななきゃいけないんだ。理不尽だ、僕達は何もしていないのに。世界は、神は何をしているんだ。こんなにも傷つき悲しんでいるのに。何が運命だ僕はなんて事を考えていたんだ。僕は死ぬために助けられたんじゃない、生きるために助けてもらったんだ。まだ死ねない。


フレイムタイガーは目の前の獲物を見ている。だが全く動く様子はなく、仕方なくとどめを刺すことにした。これはフレイムタイガーなりの善意だ。早く苦しみから解放してやろうと爪でユキを引き裂いた。だがそこにはあるべき感触がなかった。そしてフレイムタイガーは気がついたこれは幻影だとゆうことに。


ユキは朝の訓練の話を思い出していた。

あの時はああ言ったけど、本当は幻影や不意打ちなんて使いたくなかった。けどこれは命の取り合いなんだ。そんな甘い事は言ってられない。


ユキは自分を風魔法で浮かした。飛行では無い、ただ自分の体を突風で吹き飛ばしているだけだ。だがなんとかフレイムタイガーの上に乗ることが出来た。フレイムタイガー早く幻影に気を取られ、一瞬対応が遅れた。そしてフレイムタイガーを名もなき剣で突き刺した。ユキが考えた作戦は、幻影で偽物を作り、幻影に気を取られている間にこうげきするとゆうものだった。しかし仮に上手くいっても炎の鎧がある限り、こちらの攻撃は通用しない。そこでユキはフレイムタイガーに乗り炎の鎧の中から攻撃する事にした。


熱い、痛い、もう止めたいけどこの剣は離さない。頼む黒竜装備、頼む僕の体もう少しだけ耐えてくれ。


実際黒竜装備がなければユキは一瞬で焼け死んでいただろう。だがユキは自分の憧れのブラックドラゴンを信じることにした。


このままじゃ行けないとフレイムタイガーは思ったが、どうすることも出来なかった。あの剣は不思議な力があるのか、どんどん自分の命が失われて行くことがフレイムタイガーは理解していた。このままでは自分は死ぬそう分かってしまったため、本当は使いたくなかった力を使うことにした。直後フレイムタイガーから今までの比にならない熱量が出でユキを吹き飛ばした。


「なんで。フレイムタイガーにはこんな力なかったはずだ。」


ユキは空中で呟いた。このまま地面にぶつかれば、ユキは助からないだろうだが今度こそ体が動かない。


「結局僕はここまでだったのか。ごめんマサト、ごめんセシル。」


ユキが最後の別れの挨拶をすると、ポケットから1つの鈴が投げ出させた。


あれはそう言えば、結局彼女の言う通りにしていれば良かった。そうすれば、ここで死ぬことも

なかったのに、彼女にも悪い事をしたな。····そう言えばこの鈴をピンチの時鳴らせって言ってたな。せめて最期は。


ユキは鈴を鳴らした。別に何が起きるはずもないと思っていたユキだったが自分の中に何かが入ってくるのが分かった。








「あれ今のはなんだったんだ。」


何かが入ってくる感覚があったが特に何も変わらず、相変わらず空中のままだ。


なんだ結局彼女にからかわれていただけか。


(んなわけねーだろ。てめぇ馬鹿か?俺様が嘘ついたり、からかう意味ねーだろ。)

突如彼女の声が聞こえた。


「え?どこにいるんだ。」


(お前の中だよ。あの鈴を鳴らしたから俺様はお前の中に来たわけだ。)


何やらよく訳の分からない事が聞こえる。普段そんな事を言われてもからかわれてる程度にしか感じないだろうが、今のユキはすごく冷静だった。何よりここは空中でユキに話しかけることなど、普通は不可能だ。なのでユキは信じることにした。


「そうなのか。だけどごめん、君の忠告を忘れててこんなことになってしまった。·····あとなんか雰囲気変わった?」


(こんな時に雰囲気の話か。まあ確かに今の俺様と会うのはお前は初めてだろうな。あと忠告忘れたのは許さねーから、けどそうゆうことは後だ今は俺様の話を聞け。)


いきなり話を聞けとは、とも思ったがユキはただ一言「分かった」とだけ言った。


(お前にはこのまま死んでもらうのは、困るんだ。だから助けてやる。)


「え?」


少女は何を言っているのだろうか。この状況から助ける?あと数秒後にはもう死んでいるとゆうこの状況から。不可能だと思ったが少女は話を続ける。


(ただし俺様の目的を手伝ってもらうのが、条件だ。安心しろ俺様の目的はお前の目的ともそこまで変わらないから。)


「·····」


ユキは黙って話を聞いている。


(ただしこの道を行くと選んだらもう後戻りは出来ない。ここで決めろ。今死ぬのか、それとも地獄の道を進むのか。)


「·····1つ聞いて良いか。僕の目的ってのは、セシルの呪いのことでいいんだよな。」


ユキはどうしても聞いて起きたい事を聞いた。

そして答えは

(ああセシルは一応俺様の妹でもあるしな。それで答えはなんなんだ。)

ユキの望んでいたものだった。少しセシルを妹と言う発言は気になったがそれなら、断る理由は無い。


「分かった。僕はお前の目的を助ける。だから僕とセシルを助けてくれ。」


そしてユキは地面へと直撃した。

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