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世界も人も狂ってる  作者: 拓斗
2 エルランドでの生活 (1)
20/67

20 天国からの地獄

今日は久しぶりに買い物です。最近新しい家族も増えて、毎日が楽しいです。新しい家族、ユキさんって人なんですけど、今はマツブキ商会の会長、マツおじさんと何やらお話があるみたいなので今は私とパパの2人きりです。パパに沢山甘えたいですし、なによりここマツブキ商会は王国一と言われるぐらい大きなお店なので、欲しい物が沢山あります。


「パパそれじゃあ早速いこう。早くどんな料理器具があるのか見てみたい。」


「おいおい本当にそれで良いのか?そんなのいつでも買えるじゃないか。それより服とかパパと一緒に選ばないか。セシルは可愛いからどんな服もきっと似合うぞ。」


うーん服かー。私としては料理に関係する物を見ていたいだけど、それに私はあんまり長く生きれない。だから好きな事を沢山やりたいんだけど、パパとの買い物は久しぶりだし服も少し小さくなってきたからまずは服を選ぼうかな。


「分かった。じゃあまずは服を選ぼうパパ。早くしないとユキさん達来ちゃうよ。」


ユキさんが家族になってからなかなか取れなかった、パパとの2人きりの時間。大切に使わないと。

セシルは、急いで走り出した。だが


「おいセシル、服は逆方向だぞ。そっちは旅道具しか売ってないぞ。」

マサトに止められてしまった。

セシルは恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にしている。


間違えちゃった。でも私初めて来るんだし、しょうがないよね。急がないとユキさんと、マツおじさんが来ちゃうし。


「ほらセシル迷子にならないように手をつなごう。」


マサトはセシルに手を向ける。セシルは少し子供ぽいと思いながらもマサトの手を握った。








「え、本当にここ?」

「ああそう書いてあるから間違いないだろ。ここならセシルにぴったりな服も見つかるな。」


パパは喜んでいますが、私は喜べませんでした。そこに置いてあった服はどれもどこかの国のお姫様が着るような服だったからです。試しに1番近くにあった服の値段を見てみるとなんと白金貨5枚と書かれてました。白金貨5枚あれば普通の3人家族なら10年は暮らせるだけの金額です。とても服に出せる金額ではありません。やっぱり服を買うのはやめましょう。


「それにするのかセシル。別に構わないが少し大きくないか。」


「いやパパちょっと金額見て。服には高すぎるよ。それにあんまりキラキラした服なんて着る機会なんてないよ。」


セシルは高すぎると自分には着る機会がないと2つの理由をマサトにぶつけた。だがマサトは納得していないようだ。


「いや別に確かに高いが最高品質の商品ならこんなもんだろ。それにセシルには似合わない服なんてない。どんな服でもセシルは可愛い、これは俺の中では常識だ。」


パパが変なこと言い出してる。金額見ておかしくなっちゃったのかな。とりあえずここから早く出なきゃ。

セシルがそんなことを考えていると向こうから店員がやってきた。


「いらっしゃいませ。今日はどのような服をお求めですか。」

「ああ娘の服を買いにきたんだが、自分にはキラキラした服は似合わないって言ってんだ。悪いが少し大人しめな服を教えてくれないか。」

「かしこまいりました。ではこちらのお嬢様の服ですね。少々お待ちください。」


セシルは何も言えないまま、マサトと店員で決めてしまった。

あんなに高い服買えないしパパは勝手に決めちゃうしなんだかなー。

セシルは少し困っていた。そんなセシルを見てマサトは

「どうしたセシル?何かあったか。」


などと言ってくるのでセシルは聞いてみる事にした。


「ねえパパお金いくら持ってきたの。金額見間違えてない?ユキさんのも買うんでしょ、そんなに高いの買って大丈夫なの。」


マサトにはやっとセシルが心配している正体に気がついた。


「なんだ金か。別にそれなら問題ないから大丈夫だ。それにいつも使ってる家の家具とか服とかも全部ここで買ってるぐらいにはパパ稼いでるから別にセシルは心配するな。」


「そ、そうなんだ」

セシルは黙ってしまった。稼いでいると言ったが全てこの値段の商品で揃えている家は一体いくらかかったのかそれが気になった。そしてそんな話をしているともう店員が服をいくつか持ってやってきた。


「お待たせしました。お嬢様に合いそうな服をいくつか持ってきたのでお選びください。」


店員はそう言い服をマサトに渡した。セシルは簡単に見てみる限り大人しめな服ではなかった。確かにぎりぎり普通の人が着る服とも言えなくはないが貴族達が着る服と言った方が正しいような気がした。

お姫様から貴族さん達が着る服に変わっただけじゃないですか。私には似合わないに決まってます。

などと思っていたセシルだがいざ試着してみると

「これが私?」

セシルには最初鏡にうつる人物が誰か分からなかった。だが自分だと気がつくと興奮が止まらなかった。


「よく似合ってるじゃないかセシル。やっぱりセシルは何を着ても似合うな。」


マサトはうんうんと自分の事のように喜んでいた。一方セシルは未だに固まっていた。セシルも年頃の女の子だ、まだオシャレなどを知らないだけで興味が無いわけではない。

だが1番喜んでいたのはセシルでもマサトでもなかった。それは

「これぞ芸術、やはり私の目は間違ってなかった。」

服を持ってきた店員だった。ふっふっふと不思議な笑い方をしながらいつの間にか新しく服を持ってきた。


「さあ次はこの服を着てちょうだい。その次はこれ、次はこっち、そしてこの服もお願いね。」


「え、あのちょっと」


セシルは何か言おうとしていたが結局服を渡されてしまい、しかたなく全ての服を着る事になった。








「申し訳ございません。店員として暴走してしまいました。」

店員は深々と頭を下げている。


「いえ店員さんの服のセンスは良かったですし、結局4着買うことが出来たので、こちらこそありがとうございました。」

セシルも感謝を伝える。がそれがいけなかったようだ。


「じゃあまた来てくれる。セシルちゃんって言ったよね。私はNo.50基本的にはここにいるからまた来てね。お父さんもいいでしょ。」


「ああもちろん、セシルがもっと可愛くなるならまた来る。そんときはよろしく頼むぜ。」


マサトとNo.50はなぜか固い握手をしている。それを見てセシルは苦笑いをするしかなかった。






「さてパパ服も買ったし次はついに料理器具だね。私待ちきれない先に行ってるね。」


「あ、おい待てセシル。」


マサトが止めるがセシルは止まらない。1秒でも早く行きたかったからだ。そして料理コーナーについて商品を見ようとしたら後ろから頭を強く殴られ気を失ってしまった。


あれどうしたんだろう私。あんなに楽しみにしてたのになんだか眠く…………

ちなみにこの世界のお金は、銅貨、銀貨、金貨、白金貨、魔金貨、聖金貨の6種類です。

銅貨100枚で銀貨1枚

銀貨100枚で金貨1枚

金貨100枚で白金貨1枚

白金貨100枚で魔金貨1枚

魔金貨100枚で聖金貨1枚です

本当は本文で描きたかったのですが書けなかったのでここで書かせてもらいます。






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