12 過去と呪い
ユキは何も言えないでいた。ただ目の前のにある晩ご飯を無言で、食べることしか脳に無かった。そしてあっとゆーまに食べ終わると感想をセシルに伝えた。
「僕の食べてきた中でも文句なしに1番美味しかった。むしろこれを食べたあとじゃ、今まで食べてきた物は料理じゃないと言っても過言じゃない。これは革命だ。」
「ありがとうございます。お口にあって良かったです。ですが私の腕などまだまだです、ドンママさんの方が私よりも何倍も美味しいですから。」
ユキはそんなものを食べたら、もう生きてられないんじゃないかと思ったが、必ず自分もドンママに料理を習おうと心に誓った。
ユキのドンママの評価が上がっていっている時片付けをいつの間にか終えたマサトが、キッチンから戻ってきた。
「さて腹も膨れたことだし、話を始めるか。」
その言葉を聞いてユキは先程までの幸福な時間から一気に現実に引き戻された。別にユキは何もやっていないし、セシルにただ説明するだけなのだが、向こうにも何か問題があるみたいだし、ユキは迷惑になっている恩返しとしてその問題をどうにかして解決出来たらと考えていた。
「それじゃあユキから話を聞いしてくれ。その後に俺とセシルも言っておかないといけない事があるんだ。」
「はい、私にもユキさんに何があったのか教えてください。そしてパパの話も聞いてください。」
マサトとセシルは少し悲しそうな顔をしながら話した。ユキはどんな内容が来てもマサトとセシルが自分を受け入れてくれたように、自分も受け入れようと覚悟を決めた。だがその前に自分の説明からだ。
「分かった。.....僕はさっきも少し話に出たけれど元貴族だ。最も何故か今朝王城から家は取り潰しと書かれた手紙が届いたからもう貴族じゃあないけどね。父さんが王城に行こうとした時メイドの叫び声が聞こえたんだ。向かってみるとそこには母さんの死体があった。」
セシルの体が少し震えた。ユキはそれを横目に話を続けた。
「僕は状況が理解出来てなかった。そしていつの間にか謎の男が立っていたんだ。今ならわかる、父さんは僕を逃がすために、その場に残ったんだ。それでも僕は奴に逃げきれず男に殺されかけた時に、マサトが助けてくれたんだ。事情を聞いたマサトは家に来いと言ってくれた。最初は疑ったけど最終的にはこうしてここにいるのが僕の話だよ。」
ユキは本当に運が良かったと思う。マサトが助けてくれなければ自分は死んでいただろう。仮に生きていたとしてもなんの力もない、自分は生きていけない事が分かりきっている。まあそもそも王城からの手紙だの謎の男だので運は最低だと思っているのだが、それでも自分は生き残っている。この生き残った命目の前の2人に使うともう決めていた。
「ふむだいたい聞いていた通りだな。セシル大丈夫か?」
「はいパパ大丈夫ですよ。ユキさんもいろいろ大変なんですね。」
マサトは2つの意味で聞いたのだがセシルには分かっていないようだ。
「それよりパパ、ユキさんが話したんです、私のことも話さないと。」
「そうだな。ユキ心して聞いて欲しい。これは俺の話そして俺達の話だ。」
ユキは黙って頷いた。
その様子を見てからマサトは話を始めた。
「俺は隣国キース帝国から旅をしていた傭兵だった。そんな旅をしていた俺だったがここエルランド王国で、セシルの母親ルーシーと出会った。
ルーシーはドンママの宿屋で働いていてな、俺はたまたま宿屋に泊まっていた。その時俺の本能が来たんだ。俺の運命の人はこの人しかいないてな。それからは毎日アプローチの日々だ。たけど全部振られてな、ある日俺の何がダメなのかルーシーに聞いてみたんだ。するとルーシーは「私の一族には呪いがかかっているの。私は長生きすることが出来ない。そしてこの呪いは一族に遺伝するから貴方とは結ばれる事は無いわ。ごめんなさいもう少し早く言うべきだったわね。私の事は忘れて違う人を探してちょうだい。」そんなこと言い出すんだ。それでも俺はルーシーにアタックし続けた。ルーシーは呪いの事を毎度理由してきたが、それでもルーシーの事を諦めることが出来なかった。そんなことを1年続けていたら、ようやくルーシーが折れてくれた。そして俺とルーシーは幸せに暮らしセシルが産まれた。だがルーシーはセシルを産んで直ぐに死んでしまった。そしてルーシーの言う通りセシルにも呪いにかかっている事が分かった。俺はセシルの呪いを解く手段を探している。......まあそんなところだ。すまねーなユキこんな話しちまって。」
「いやそれは…それからその呪いって一体なんなんだ?なにか分かっている事はないのか。それを頼りに僕も解呪の手段を探してみる。これは家族の問題だしな。」
「ユキ.....すまない。そしてありがとう。」
「ユキさんありがとうございますでも無理しないでください。私はもう受け入れてますから。」
セシルはもう諦めているようだ。ユキはそんなセシルを見て必ず呪いを解いてみせると心に誓った。
「セシルそんなこと言わないでくれ。僕が絶対にどうにかしてみせるから。そしてマサト呪いの情報は?」
「ああとりあえず今分かっている事は
1あまり長く生きることが出来ない
2体の成長が12歳程で止まってしまう
なんだよ別にそうゆう趣味じゃねーよったく続けるぞ。
3他の人よりも何倍もの魔力量を秘めている
4呪いを受けている人物の子供にも呪いがかかる
とだいたいこのあたりしかルーシーにも分からなかったらしい。俺も手がかりを探しているが全くだ。こんなことを今日あったばかりの奴に頼むのは、おかしいかもしれないが今は藁にもすがりたいんだ。」
「分かった。呪いについて調べてみるよ。それにずっと言っているけど僕らは家族なんだ、家族のピンチに助けるのは当たり前だろ。」
「ユキ本当にありがとうありがとうありがとうありがとうありがとう。」
マサトが泣きながら何度も感謝を伝えてくる。一日中ずっとマサトといたがここまで素直に感情を伝えてくるマサトは初めてだった。一方セシルはやはり少し諦めている顔をしていた。




