転移そして……
ある夏の日のこと、夏の空とは思えない黒く染まった空、僕は廃墟のような場所にいる。
何故ここにいるかも思い出せず、周りを歩き回ってみると沢山の瓦礫の山があった。
その中でも一際大きい瓦礫の山、その上に一人ぼっちの少女がいた。
彼女の瞳はあの空より黒く濁っていた、僕は彼女を妙な親近感を抱いた。
すると彼女はこちらを見て無垢に笑いかけ、そしてこう告げた。
「さよなら、冷月次は思い出してね、私はいつまでも待っているから」
僕の意識はそこで途切れた。
突然だが自己紹介をするとしよう。
僕の名前は、如月冷月どこにでもいるような普通の高校二年生だ。
まぁいくら普通と言っても個性はある、軽いミリオタだったりアニオタだったりする。
学校に着くまで自己紹介を続けるとするか、そんな僕だが最近悩みがある。
最近変な夢を見るんだ、あまり覚えていないが一つだけ確かに記憶しているものがある。
「いつまでも待っているから……ね」
溜息をつくと、後ろからうるさい声が。
「何だ悩み事か」
いつも通りめんどくさい奴が来た。
「朝から暗い顔しやがって、何かあったのか」
このやたらとテンションが高くてうるさい奴が、一応友達の神楽月辜月だ
一応僕の友達の中で、一番仲が良いのだが、そんな素振りは見せない。
「まぁ色々とあってな、察してくれ」
僕がそう答えると、神楽月は察してくれたのかわからないが、それ以上聞いてこなかった。
もう学校に着くので、ここらで自己紹介を終わらせることにしよう。
この時の僕らは無知であった。これから起こる出来事について。
僕はいつも通りに席についた、僕の教室は二階で僕は一番後ろの窓側の席だ。
いつも通りの日常が始まると思った、その時だった。
尋常ではない地響きとほぼ同時に、揺れた。
音を立てて割れる窓ガラス。鳴り響くサイレンの音。女生徒の悲鳴。床に散らばる数々の物。落下してくる照明。倒れる棚。
僕は幼い頃に地震を一度経験しているが、その時とは何かが違う。直感的にそう思った。
揺れの中、僕は謎の感覚に陥った。
それはまるで、人間のものとは思えない、強い悪意の塊のようなものだった。
そして揺れは数十秒で治まった。そして避難訓練のように、先生の指示通りグラウンドまで避難した。
道中ガラスの破片や、色々な物が散らばっていたが、火災などは不幸中の幸いというか起こっていなかった。
それからグラウンドでは家族と連絡を取り合う生徒や、恐怖で震えているもの、これからについて話し合っているもの、様々だった。
すると後ろから、
「何だ生きてたのか、てっきりさっきの地震で死んだかと思ったぜ」
神楽月だった、
「残念だったな、この通りピンピンしてるぜ」
そんな冗談を言い合っていると、神楽月が、
「少し来てくれ、話したいことがある」
いつもとは違う真面目な表情で、そう言った。
僕は神楽月が真面目な顔になるときには、何かあるということを知っている。
連れてこられたのは人気人気の無い場所だった。
「何の用だ、こんな場所まで連れて来て」
「冷月聞いてくれ、今起こっていることの真実と、お前に頼みたいことを」
神楽月は、今起こっていることは全て自然災害なんかじゃないと、ある人物の引き起こしたことだと言う。
そして僕への頼み事というのが、
「冷月俺と一緒に、異世界へ来てくれ。」
という頼みだった。
「は? 何言ってるの?????」
僕はこう返した。
というか普通の人ならこんな風に返すと思う。
すると神楽月は
「本当にふざけてない頼みだから! 」
神楽月がここまで言うなら、本当だとは思うけど、急に異世界とか言われてもなぁ……
それから神楽月からの、詳しい説明があった。
その神楽月の説明を纏めると、その異世界にいる人物が今のような事象を起こしているそうだ。
だからそいつを倒す為に、一緒に異世界に来てくれとの事だった。
「まず一つ質問するが、何で僕なんだ? 」
神楽月は僕が、何かの潜在能力が非常に高かっただからだそうだ。
それと他にも理由がある様子だったが、教えてくれなかった。
「時間があまり無いんだ、早く決めてくれ」
僕はよくアニメとかで見る、異世界転生系の物語の世界に行くのかと、内心ワクワクしていたが。
最後に一つ質問した。
「今から行く世界は、どんな世界なんだ? 」
神楽月は苦笑いしてこう言った。
「楽しい世界さ」
二話へ続く……
初投稿です、失踪しないように頑張ります!
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