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第24話 イケメングランプリの実態。

 


 ジーノ様の私室である応接間で俺とアンナ様、ジーノ様が今後のことについて話し合った。ジーノ様が率先してイケメングランプリについて説明してくれた。


「良いかい? イケメングランプリはピアチェーヴォレ全国から王都に国民が最も集まるイベントだ。ピアチェーヴォレのナンパ男は必ずと言って良い程、選手としてエントリーする。……その数は1万人に及ぶ」


「い、1万ですか……」


 これは、優勝は到底無理だ。


 途方のない数に俺の心は折れた。


 ジーノ様は真面目な顔で足を組み肘をテーブルにつき両手を口の前で組んだ。


 アンナ様が一瞬胡散臭そうにジーノ様を見た気がした。だが、直ぐに表情を和かにした。


 うん。気のせいかな。


「だが、安心するが良い。貴族の選手が権力と金の力を駆使し、中流階級以下の選手を一気に叩き落とす。これにより数は数十人に絞られるのだ」


「す、凄い」


 貴族はなんて賢いんだ! (下衆すぎるの間違いでは?)


 ジーノ様は得意げな顔をしたが、直ぐに真面目な表情をする。


「だから、僕らは極力貴族の行動を邪魔しない。先ずこれが優勝への近道だ。例え、不正で賄賂を贈る場面に出くわしても無視するんだ。良いね姉上?」


「も、もちろんよ」


 アンナ様が和かなのに小刻みに震えてるのは気のせいかな?


 でも、不正か。心苦しいな。でも、悪い事が必ずしも悪い事とは限らない。例えばそう貧しい人にお金をばら撒く義賊のように……。(それとは全然違う) 俺はアンナ様の弟であるジーノ様を信じるよ。


「奴らはこのイベントに関しては上手だ。いつもは年中発情期な獣だが、この時期に関しては侮れない。ない知恵をフル動員して優勝を狙ってくる。恐ろしい奴らだ」


 アンナ様が「お前もだろ」と呆れた顔で見てますよジーノ様。


「前回は姉上の妨害で数百人はラストまで残ってしまった。だから今回は邪魔しないでね姉上」


「だから、今回は邪魔しないわよ!」


「ええ。今回はヘンリー王子が参戦するから姉上は邪魔をしないと信じてるよ」


 ふふっと怪しい笑みを浮かべるジーノ様。……ジーノ様って普段からこんな王子様のように振る舞ってましたっけ? あんまり話した事ないからわかんないなぁ。


「じゃあ、話を進めるよ。今回の優勝候補についてだけど……」


「え!? もう優勝候補が決まってるんですか!?」


 まだ開催日も決まってませんし、他の選手も全然知りませんよ!?


「まあ。大体は決まってるよ。先ずは王族である僕とヘンリー王子。それと明らかに母上が推してるロベルトだ」


「えっ。顔は? 権力順ですか?」


「投票するのは女性だよ? 顔ももちろん大事。僕を含めたこの3人は顔の基準をクリアしている。ロベルトがまさか美形だったとは思わなかったけどね」


 最後の方の声のトーンが低くなってますよジーノ様。


「ではヘンリー王子に質問。女性が顔の次に目が行くのは何でしょう?」


「えっ。誠実さでしょうか?」


「……確かに。じゃなくてっ! そんなのぱっと見でわかんないじゃん!」


 アンナ様が何やらむきになるジーノ様を「いや、女性は勘で気付く事もあるぞ」と呆れて見てます。


「答えは権力だよ。女性は権力に弱い。後はお金だね」


 アンナ様が「コイツの周りの女性は一体……」と可哀想な人を見る目をジーノ様に向けてます。


 俺は間違った人を味方にしたのだろうか? でも、アンナ様が明らかに拒否してないって事は大丈夫だね。うんうん。


「問題は母上が女性に与える影響力が絶大な事」


「……お母様が敵となると手強い」


 ここに来て初めてアンナ様がジーノ様の意見に賛同しました。


「でも、離婚もなさった今、元王妃様の権力は削がれたのでは?」


 ルーナ国にも前ピアチェーヴォレ国王の離婚騒動は重大ニュースとして取り上げられたから当然俺も知っていた。


「……浮気症だと発覚している王様に嫁ぐ女性が、何よりも気をつけない事は何だか知っているかしら?」


「それはもちろん。王様の浮気ですよね」


「それが違うのよ。答えは女性からの尊敬。浮気は最早諦めた方が良いわ」


 アンナ様。大変申し訳無いのですが、俺には全く理解が出来ません。浮気って普通はダメでしょう。


 アンナ様が理解出来なくて首を傾げる俺を見て感激して泣きそうになってます。一体何があったのでしょうか? きっと大変な想いをしてきたのですね。俺はアンナ様をそっと抱きしめようとしました。が。ジーノ様に「まだ、話が終わってないよ」と止められました。


「母上は完璧超人だったんだ。公爵家の令嬢で文句の付け所なし。でも、愛想は皆無だったんだ」


 見てれば無愛想なのは分かります。


「これって結構致命的でね。父上は結婚して早々に無愛想の母上が怖くて浮気に走った。でも、相手が見繕えなかったんだ」


 ジーノ様が恐ろしそうに話します。結婚して早々に浮気とは本当に恐ろしいですね。


「何故なら……。母上に逆らえる女性が誰一人としていなかったんだ。恐ろしいでしょ?」


 ほお。凄いとは思いますが恐ろしいとは思いませんよ。ジーノ様は言葉を間違えましたね。うっかりさんです。



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