第22話 現れたのは……。
副題追加して分からなくなった方すいません_| ̄|○ 「仕事に生きる女王」で合ってます。
サブタイトルを追加していきますので、混乱してしまうかもしれません。第何話は付けたままにします。
(視点戻ります)
草の音のする方を振り向くとそこには、ブロンドの髪をひっつめた40代の女性と金髪の爽やかな30代の男性がいた。男性の方は碧瞳と優しげな顔立ちが何処となくヘンリー王子に似ていてドキッとした。しかし、瞳に感情がこもってない無気力な雰囲気が漂っていた。その無気力さはまるでロベルトみたいに思えた。
何より驚いたのはブロンドの髪の女性だ。神経質だとわかる雰囲気。やはり、母であった。
母は私の顔を見て次に足を見た。
「……女王とあろう者が靴を履かないとは情け無い。服も汚れている」
母は後ろに控える自らの侍女に目配せをする。侍女は「はい!」と城に向かった。
すっかり靴履いてないって忘れてたあああ!! よりによって母に見られたっ!! やばいやばいやばいやばい!!
顔面蒼白になる私を睨みつける母。怖い説教タイムが今にも始まりそうだ。
そんな時甘えん坊の弟が母に駆け寄る。
「母上〜! お会いしとうございました〜!」
うるうるした目をした弟は兎に見えた。母は目を和ませる。
「ありがとうジーノ。相変わらず可愛い子ね」
弟は母に撫でられて嬉しそうに頰を染めた。
……ちょっと待て。こいつはもう18歳の男だぞ? まだ子供扱いなのか?
色んな意味でショッキングな場面であった。
「母上聞いて下さいよ〜。僕はまだ結婚したくないのに、ルーナのお姫様と結婚させられそうなんです。母上のお力でどうにか出来ませんか?」
母はにっこりと笑った。
「本当にルーナ国の子は駄目なの? 本当に心から嫌なら力を貸すわ」
「う〜〜ん。そこまで嫌じゃないというか、僕の次に可愛い子だから好きかな。う〜〜ん。ごめんなさい。やっぱりこの話は聞かなかった事にして下さい」
母は普通のお母さんの様な態度。私にはああも優しくはしてくれない。
「ところで隣の方は誰ですか? 見た事ありません」
ジーノは金髪の男性を指差す。
……人に指差すなよ。母も叱れよ。私になら叱るだろっ!?
母はニコニコと金髪の男性を紹介した。
「あら? 会ったことあると思うのだけれど、分からなかったかしら? 宮廷画家のロベルト・ガッティよ」
「「「「「は?」」」」」
アウロラも泣くのをやめ、ナンパ男達も言い寄るのもやめ、母と当人以外信じられない気持ちで金髪の男性を見た。
「あのもじゃもじゃお爺さん画家が、そこのイケメン?」
「絵に欲情するあの変態が実はイケメン?」
ナンパ男達の心の声が口からダダ漏れだ。というか間諜よ。お前も変態だからな。
「嘘だ〜!」
ジーノは口を尖らせた。当の本人は目の前でボロクソに言われているのにまるで無関心。
……この反応。本当にロベルトだわ。
母はにっこりと笑った。しかも、私に対してだ。滅多に私に笑いかけない母がだっ!
い、嫌な予感がするっっ!!
「アンナ。ロベルトと結婚しなさい」
くっ!? 何で!? 今まで母が結婚の事など口に出さなかったのに!?
「……嫌です。私にはもう決まった方がいます。それにロベルトも嫌でしょう?」
絶対嫌に決まってる。絵が大好きだもの。
「……別に良いよ。絵が描ければ」
私の期待を裏切ってロベルトは拒絶しなかった。
何でだろう。拒絶しなかったのにその無関心さ全く嬉しくない!
「お母様! 何故ロベルト何ですか!? 彼は宮廷画家に過ぎません!」
「何故?……。それは……」
私に必死に呼びかける声が聞こえた。
「アンナ様っ!!」
「ヘンリー様!?」
短い黒髪はとことどころ跳ねており走ってきたのが分かった。碧い瞳が私の足元を映す。
「は、裸足! 駄目ですよ! 年頃の女性が素足を晒しては! これで隠して下さい!」
ヘンリーはフロックコートを脱ぎ、私に渡す。
「でも、コートが汚れてしまっきゃあっ!?」
膝裏に腕を差し込まれたかと思うと身体が宙に浮いた。細いながらびくともしない腕に意識が集中し、顔が火照る。
「あらあら、若いわね」
アウロラのからかう声。
「おろして下さい!?」
恥ずかしくて死んでしまう!!
すぐ近くにあるヘンリーの顔を見て益々恥ずかしくなった。
「駄目です! ほらコートでしっかり隠して!」
くっ!?
「おっほん。お取り込み中のところで悪いのだけど、うちの侍女が靴を持ってきたから履いて頂戴」
「「あっはい」」
母の言葉に私もヘンリーも素直に従った。




