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†アルヴス アトリエ オンライン†  作者: ネコまっしぐら
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「おぉー、国の中はゲームの時とあまり変わって無いんだなぁ…」


なんとか【和国】の国内に入った俺はゲームの時に見た印象と違いが無いか、あちこち確認しながら歩いていた。

…しかし、街行く人の視線が痛い。

やはり、この格好は悪目立ちするようで、好奇の目が集まりすぎる。

歩きながらポケットを漁っていたら、1万Gジェニーを発見したが、子供の小遣いかって話だ。

確か、この国の防具店で一番安いのが麻の服で1万G位だったと思うけど、あれはどう考えても、物乞い用の装備だし、どうしたもんかなぁ…


ブラブラと都市内の散策を続けていると、向こう側が何やら騒がしい。


「誰かー!泥棒だ!捕まえてくれー」聞こえてくるオヤジの声に紛れて「どけ、どけっ!邪魔だ!」と声が近づいて来る。

正直、これ以上目立つのもどうかと思うけど、これを見逃せる程に根性腐って無いから一応、捕まえる努力をしてみる。

「お、おいっ!貴様止まれ!」この体は筋力とかありそうだし、大丈夫だと思うけど、ゲームじゃなくて生身だと思うと結構怖くて、腰が引けて情けなかったと思う。

向こうも脅しだけで、切り掛かって来るつもりは無かったのだろう、ただナイフを前に突き出して威嚇しながら走って来る。左手にカバンを抱えて。

俺は軽くナイフを避けながら左手を突き出した、すると…


ー どーーーん!!…ガラガラっ!どさっ ー


あろう事か、盗人は簡単に吹き飛んで民家の壁に激突して泡を吹いていた。なんとか生きてる見たいだった。

…いや、本当に死んで無くて良かった。うっかり人殺しで捕まる所だった。



しばらくすると、瀕死の盗人に追い討ちのゲンコツをかましてからカバンを拾い、こちらに向かって来るスキンヘッドの中年の男性が声を掛けて来た。

「おおぅ、あんちゃん!助かったぜ!見せの売り上げ盗まれて、かぁーちゃんに殺される所だったぜ!」いやー助かったと、まくし立ててくるのは今回の窃盗事件の被害者らしい。

気にし無くていいですよと、爽やかにかわそうとしたのに、がっつり腕を掴まれる。


「あのー、何か?」

「いやいや、あんちゃん、命の恩人をそのまま行かせる訳にはいくめぇよ!ちょっくらウチに寄っていってんな!」いつの時代の人間だよと突っ込みたくなるのを抑えながら、オヤジさんに引きづられて行く俺。

…これって俺が窃盗犯に見えないか⁈


「おう!あんちゃん、ここがウチの店だ!」

なんと連れて来られたのは、覗きに行こうかと考えていた防具店だった。

「あのー、そろそろ離してもらっても良いでしょうか?逃げませんので…」

「がははは!あんちゃんが犯人みてーだなぁ!」

「と言うか、さっきの犯人は、あのままで良かったんですか?」

「ん?まぁ、警備の人間が取っ捕まえて行くだろうよ!それよか、中に入ってくれよ!」


そう言いながら、またも俺を店内に引きづり込んで行く店主のオヤジさんに着いて行くと、店番をしていた奥さんが歓迎してくれた。

「あらあら、うちのダンナがヘマしたのを助けてくれたのかい?」いかにもボス的な感じの奥さんは、以外に話の分かる良い人だった。

助けたお礼がしたいとの申し出があったので、悪い気はしたが、替えの服が必要な事を相談してみた。皮の服位で良いので頂けないかと添えて。

すると、恩人にそんな安い物をやったら女がすたると、店の奥に行ってゴソゴソしだした。

店主と何しにこの国に来たのか、宛はあるのか等と話をしていると奥さんが戻って来た。


「ウチで代々受け継いでる魔法の鎧で【風の纏い】って言うんだけど、これを貰ってくれないかい?」何故か、家宝的な物を持ち出して平気な顔で言う奥さんから、店主に顔を向けるとオヤジもウンウン頷いていた。

「いやいや、あの程度でそんな家宝っぽい物は頂けないですよ…」

「何言ってんだい!召喚士さんに変なもんはやれないし、ここに置いてても宝の持ち腐れだからね、あははは」どうやら、奥さんは俺が召喚士だと気付いてたみたいだけと、横のダンナは口をあんぐりしてこっち見てますよ。

「では、今は持ち合わせてが無いので、このご恩はその内返しに来させてもらいますね」俺は好意に甘えさせてもらう事と、出世払いの約束を奥さんにし、お礼を言いながら鎧を受け取る。


正直、かなり嬉しい。この鎧は見た目は薄い緑の絹とチェインシャツを重ねたような作りなのに、防御力が高く属性加護まで付くし、Lv50〜100位までで重宝する代物だからだ。


奥さんとその後も色々話をしてみると、召喚士なら国王に謁見してみれば?と教えてもらった。

【和国】には、お抱えの召喚士が居ないので話位は聞いてくれる筈だと言われた。


困った事があれば、必ず助けに来る約束をしてお礼を言い防具店を後にした。

助言通り、国王に謁見を願うためだ。

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