9. 異世界説明会、はじまるよ! 〜前編〜
今日もよろしくお願いします(ू•.• ू)
「はいは〜い! 皆さま静粛に! 今からフィーちゃんのために『異世界・ミルヴェイナ説明会』を開きま〜す!」
元気に仕切っているのは、水の精霊王アクアブルー様。 (え? なんで急に『様』付けかって? そりゃあ、精霊王だもん。敬意を払っておかないと、後で何をされるか分からないでしょ!……え、前の態度はどうしたって? スルーしてよ、そこは!)
なぜこんなことになったのか。時計の針を二十四時間ほど戻すと、原因はやっぱり「あの男」だった。
『ねぇねぇ、フィーちゃんって異世界から来たんでしょ?』 『ランスヴァン様から聞いたよ。君は特別なんだって!』
(……あの超絶美青年神、余計なことを!) 隠しきれないと悟った私は、白旗を揚げて正直に白状した。そう、私は異世界からの転生者だと。すると精霊たちは「ならこの世界のことを教えなきゃ!」と、やる気満々になってしまったのだ。
「おーい、フィーちゃん! 主役なんだから、自分の世界に入ってないで真面目に聞きなさい!」 「あ、あい!(はい!)」 「よろしい。では司会のアクアブルー、進行させていただきます! まずは地理について。グレーさん、お願いします」
ベビーベッドの柵を演壇にして、本格的な説明会が始まった。私は寝転んだまま、必死に耳を傾ける。
「ん、じゃあ僕から大陸と国の説明をするね。まず人間界には三つの大陸がある。『ワルンシアルン』『ネジタリアン』『ジャンシエルン』だ。 その中に、主要な五つの国が点在している。 中心にあるのが『ワルンドリー王国』。 その斜め右上、海を挟んだ先にこの家がある**『ヴェルタン公国』。 斜め左上には『ジャントルマイランド』。 斜め左下には湖を挟んで『フィリンスタン皇国』、右下には険しい山々の向こうに『ネブリタン国』がある。 ちなみに、僕たちが今いるここは天界の『フィオーラル』**。基本的には天使しか住めない場所だよ」
(なるほど……。今の私は天界の公爵家にいて、下界には五つの国があるってわけね。覚えなきゃ!)
「続きまして、種族について! ファイア、よろしく!」 「リョーカイだぜ。……フィラル、人間・天使・吸血鬼・神族についてはランス様から聞いたんだろ? なら俺からは残りの四種族だ」
ファイアが指を一本立てる。 「まずは**『エルフ族』。翡翠の髪に青い瞳、尖った耳が特徴だ。平和主義者で、人間が入れない聖域に住んでいる。 次に『魔族』。灰色の髪に紫の瞳で、魔界に住む連中だ。 三つ目は『妖精族』。そこにいる三人みたいに、金髪に蝶の羽が特徴だな。神域に住んでいるが、界を越えて自由に飛び回れる神出鬼没な奴らだ。 最後は『精霊族』**。自然そのものに宿る種族で、本来はその場所から動けない。……が、俺たち精霊王や、契約して『使い魔』になった精霊は別だ。どこへでも行けるぜ!」
(精霊王、やっぱり反則級に自由なんだ……。そして、そんな大物たちと友達になっちゃった私って……)
「へいへい、サンキュー! お次は、みんな大好き『魔法』について! ラルフィンちゃん、よろしく〜!」
(ついに魔法! これぞファンタジーの醍醐味じゃない!) 私は身を乗り出して、次なる解説を待った。
いつもより長くなってしまうので2話に分けました。
すみません(。>ㅿ<。)
次回はラルフィンちゃんが魔法の説明をします。……そういえば、説明のときにずっと黙っていたフィーちゃんはどうしたんだろう。(。・_・?)ハテ?




