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旧:転生少女の無双物語  作者: アイアイ
〜記憶喪失編〜
55/56

52.従者と侍女が出来ました

久びさの長めデス(๑•̀ㅁ•́ฅ✧

 シアンにとんでもない勘違いをされたあの日から3年がたった。

 私は8歳になり、

 いよいよ明日はティフォディオークテ育成学園の入試だ。

 入試の内容はどれだけ自分の戦闘能力があるのか、

 どれくらい知識は持っているのか、

 礼儀作法はしっかりしているのかの3つだ。

 ん?何で知ってるのかって?実は試験を受けたのは明日を含めて2回目なのだ。

 3年前、私は試験を受けに行ったが、まだ幼いからと強制的に戻された。これでも何百年も生きているのに…。

 2年前、また私は試験を受けに行ったが、また強制的に戻された。

 1年前、毎年試験を受けに来る私に根負けしたのか、ようやく受けさせてくれた。だが、私は落ちてしまった…。

 そして今年。私はライルとルフスと共に試験を受けに行く。

 ライルとルフスは私が追い返されるのを知っていたのか3年前までは試験を受けに行っていなかった。

 だが、どういう訳か今年は一緒に行くと言い出したのだ。


 まぁ考えてもムダだし、明日は入試なのだ。早く寝よう。


 そう思い、寝ようとしたら後ろからノエルに話しかけられた。


「お嬢さま、さっきから何故百面相をしておるのですか?」


  いきなりノエルに後ろから話しかけられた。

 しかも何故か敬語で。


「うひゃあ!…いきなり話しかけないでよね!びっくりしたじゃん!てか何故に敬語?」


「申し訳ございません。」


「いや、別に良いんだけどさ。何故に敬語で話す?それとお嬢さま呼びはやめて。」


 私はお嬢さまにはなりたくない。

 まぁ、公爵家の人間ではあるけど…。


「お嬢さまはもう8歳です。私ももうそろそろ執事としての義務を果たそうかと思いまして。それとお嬢さま呼びはやめるつもりはありません。」


 え?えぇ…。

 何を言っているのこいつは。


「熱、あるんじゃないの?」


  心配になった私はノエルのひたいに手をあてた。


  ふむ、熱はないみたいだけど…。


「ほんとにどうしたの?今朝までタメ口で私に話してたじゃん。

 …まさか、誰かに何か言われた?別に気にしなくていいんだよ?しゃべり方以外はノエル、ちゃんと仕事をしていたし。」


  そう、ノエルは本当に仕事をしていた。

 なのに、どういう風の吹き回しか、いきなり敬語で話してきた。


「いえ、私が今までしていたのはお嬢さまの護衛。その他のことは婆やがやっておりました。執事の仕事はお嬢さまのスケジュール、体調管理などなどをします。護衛なども時たまにしますが、護衛の仕事は本来は従者の役目です。」


  え、そうだったんだ…。


 今まで一緒にノエルといたのにノエルの仕事について私は何も知らなかった。


  あ~あ、ノエルの主人失格かなぁ…。


 そう考えると、涙が出てきそうになった。


「ちなみに、私の主人はフィラルお嬢さまただ一人です。」


  ノエルの言葉にパッと顔をあげた。


「ですから、主人失格などと思わないで下さいませ。」


  ノエル…。

 ありがとう。


「それでは今からお嬢さまの専属従者と専属侍女を紹介いたします。入りなさい。」


  ノエルが合図をすると、少女が一人、少年が一人入ってきた。


「二人とも、自己紹介を。」


「…はい。こんばんわ、フィラル様。今日からあなた様の専属侍女となりますキャサリン・パトリシアです。至らないところもありますが、これから宜しくお願いします。」


「分かっ…りました。こんばんわ、フィラル様。今日から姉のキャサリンと一緒にフィラル、様の専属従者となる…ますアルバート・パトリシア、です。宜しくお願いします。」


  ふむふむ…。

 金髪のかわいい子がキャサリンで、敬語がまだちゃんと使えてない子がアルバートか。


  …ん?

 その覚え方はひどいって?仕方ないじゃん。こういう覚え方のほうが覚えやすいんだもん。


「…二人ともよろしくね。…えと、二人には私のことは主ではなく友人として接してほしいの。ダメ、かな?」


  私が首をかしげて言うと二人は困った表情をしてきた。


「すみません、フィラル様。仕事上故にいくらフィラル様のお願いだとしてもその願いは承知できません。その他なら叶えられますが…。」


  キャサリンがそう答えた。


  やっぱダメか…。

 友達になれると思ったんだけどなぁ…。

まぁ、主従関係だし、ムリか…。となると私、友達いないなぁ…。


そう考えてたら、目から汗が出てきた。

まぁ、仕方ないか…。ハァー…。


「フィーちゃんっ。大丈夫よ、私たち精霊と妖精のみんながいるわ。だから落ち込まないで?」


 どこからか現れたアクアブルーがそう言った。


 そうよね、まだアクアたちがいるわっ。私はぼっちじゃない。でも、人間の友達がいない…。


「…に、人間の友達は学園に入学したらできるわよ。だから、元気出してっ。」


 そう言うと、また消えていったアクアブルー。


「どうやら、人間の友達は学園に入るまでできない感じか…。」


「…。」

「…フィラル様…。」


「じゃあさ、主兼友人として接してもらうのはダメ?」


「かしこまりました。」

「了解です。」


 え、いいの?


「友人としては接してくれないんじゃ…。」


「主兼友人なので。」

「公衆の場では主として接しますが、プライベートでは友人として接します。」

「それでよろしいでしょうか。」


 二人とも…!


「うんっ。ありがとー!」





 こうしてフィラルは始めての人間の友達ができましたとさ。

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