51.とんでもない勘違いをされました。
今回も短めです(。•́•̀。)
「…」
「…」
「…なぁ、フィラル?ルフスと何かあったのか?」
今、私たちがいるのはギルドの隣にある食堂。
そこで私たちは昼食をしていたんだけど、ずっと黙っている私とルフスを不思議に思ったのか、何があったのかと尋ねてきた。
「…ううん、何もないよ。心配かけてごめんね?」
「じゃあ、何でさっきから二人とも黙ってんの?」
…ここは何て答えよう。
「…おいシアン。喋ってねぇで食ったらどうだよ。飯冷めちまうぜ」
「あ、そうだな」
おぉ!サンキュー、ルフス!
私が目線でそう伝えると、別に、とそっけない返事がきた。
そんな私たちをシアンは怪しげに見てきて、何を思ったのか席を立ち上がると大声でとんでもないこと言った。
「ああ!まさかルフスお前、フィラルに告って振られたな?」
…はぁ!?
「ちょっ!違うから!違うから椅子に座って黙ってて!」
「おまっ!何言ってんの!?俺がこんなやつに告るわけないだろ?勝手に妄想すんじゃねぇよ!この妄想野郎」
「んだとこの脳内お花畑!」
あ~あ、またやっちゃってるし。
周りにいた人たちはシアンの大声で何事かとこっちを見てきたけど、幸いにも二人が喧嘩を始めたからいつものことかと解釈し、また仲間と喋り始めた。
…にしても、いつまで喧嘩をするのこいつらは。こっちに被害が及ぶ前に逃げよ。
私はそう思い、急いで食べて宿に戻ろうとした。が、できなかった。
何故かって?それは、シアンが大声で言いやがったのだ。
「おい、フィラル!何で逃げる?あ、まさかさっきのルフスが告った件本当だったのか?」
「…シアン。どうやらお前は死にたいみたいね。いいよ。望みどおり殺ってあげる」
「あ、やべ…」
『フリーズ』
ふふ、これで凍ったかなぁ?一応言っておくけど、私は悪くないんだよ?シアンが悪いの。だから、殺してもーー。
「フィラル!いい加減にしろ。シアンを殺す気か」
あ…。やべ、怒りに任せて殺すところだった。
『パージ』
「げほっ、ごほっ…」
「次からは気をつけることね。じゃないと、ほんとうに殺しちゃうから」
「あ、ああ。次からは気をつける」
私はその言葉を聞いてほっとした。
にしても、ほんと、とんでもない誤解をされたよ。
てか何でシアンはルフスが私に告ったって思ったんだろ?
不思議に思い、聞いてみるとこんな返事が返ってきた。
「だって、様子が変だったからお前らを観察してたら、フィラルは朝からチラチラルフスを見ては目が会うとすぐ気まずそうに目を逸らすし。ルフスはフィラルに目を逸らされて傷ついた顔するから…」
…それは誤解だ!私がルフスをチラチラ見ていたのはルフスが私と同じ転生者で幼馴染だったからなのよ?!
だが、そのことをシアンに言えない私は、どうしようかと思ったが、ルフスも一緒にシアン誤解を解いてくれたのでどうにかなった。
ふぅ…。これからはこういうことがまた起きないように気を付けよ…。
私はそう心に決意した。
あと少しで学園編に入ります!…多分