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転生少女の無双物語  作者: 胡蝶
〜記憶喪失編〜
44/62

44. 絶対零度の監獄と、愛しき再会。

「着いたよ。ここが闘意を燃やすに相応しい場所――闘技場だ」


 センリに案内された場所は、呆れるほど広大なフィールドでした。


(やばいやばいやばい! 心臓が口から出そう……。でも、勝たなきゃあたしの自由はないんだから!)


 三十分の猶予。私はノエルの膝を借りて少しだけ仮眠をとり、精神を研ぎ澄ませました。

 しかし、気合を入れすぎてグラウンドへ向かったはずが……。


(待って、ここどこ!? あたし、致命的な方向音痴だったじゃない!)


 全力疾走で迷子になりつつも、なんとか「お手洗いに行ってました」という見え透いた嘘で誤魔化し、私は開始線に立ちました。


「審判、始めてちょうだい」 「了解しました。……レディー、ゴー!!」


 合図と共に、私は魔力を解放しました。


「『フレイムタンフラワー』!」


 咲き乱れる炎の花がセンリを襲います。触れれば皮膚を焼き溶かす最上級の炎。しかし、センリはそれをも優雅に躱してみせました。


「冷たいのもお好きかしら? 『アブソリュートゼロ』!」


 一気に氷点下へと叩き落とす私に、センリも「サンフレイム」で対抗。泥濘ぬかるみと化した地面。


「あっちぃ……。あたしを殺す気?」

「ははは、君こそ僕を殺す気で来ないと死ぬよ?」

「……そう。なら、望み通りに。――『フィンブル』。そして、永劫に眠れ。『コキュートス』!!」


 刹那、フィールド全体が凍てつき、センリを氷の籠が包み込みました。


「……意外とあっけないわね」


 審判へ「あと十秒で彼が再起不能になれば、あたしの勝ちよね?」と告げた時。私は何もない空中に視線を向けました。


「……気配が消えたわね。無属性魔法(空間転移)で逃げたなら、とっとと出てきなさい。このボケなすが」

「あはは、バレちゃった? フィラルちゃん、キャラ変わってない?」


 空間からひょこっと頭を出したセンリは、苦笑しながら両手を上げました。


「降参だよ。君の最初の魔法で結構な痛手を負っちゃったしね。……久々に『死』を予感したよ。君の勝ちだ」

「勝った……! やったぁ!!」


 会場に地鳴りのような歓声が響きます。これでマジェイア学園を辞退し、夢の冒険者への道が開かれた!  歓喜に震える私の背後から、懐かしく、そして聞き間違えるはずのない声が降ってきました。


「よくやったな、フィラル! さすが俺の自慢の娘だ!」 「本当だ! さすが俺の可愛い妹、世界一だね!」


 全身の血が逆流するような衝撃。  ゆっくりと振り返ると、そこには……。

 天界にいるはずの、そしてずっと会いたかった、父様と兄様が立っていました。

戦闘シーンが短くなっちゃいました……。

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