38.お断りします♪
あたしとネフィーは、今非常に困っています。
ーーん?何でかって?実はね、さっき放送流れたじゃん?それでね、あたしの番号とネフィーの番号流れたじゃん?だからなのよ。
ーーもうちょっと分かりやすく説明しろだって?んもうめんどくさいなぁ。ま、いいや。…あのね、あたしとネフィー、マジェイア学園に行きたくないんだよ。だからさ、今から断りに行こうと思ったんだけどさ、こういう放送が流れたのよ。
~さかのぼること約一時間前~
はぁ、番号呼ばれたってことはマジェイア学園に行かなきゃいけない。でも、断ることができるから今から断りに行こうかなぁ。って、あれ?ネフィーじゃん。
「フィラルちゃん!どーしよ!番号呼ばれちゃったよ~」
「え?ネフィー、マジェイア学園行きたかったかと思ってた」
「いや、最初は私も思ったの!でも…あいつらがあんな奴らだったなんて見損なったのよ。マジェイア学園行く気失せたわ」
え?
「ごめん。ネフィー。後半良く聞こえんかったわ。もう一回言ってくれる?」
「いや、何でもないの!…とにかく!私マジェイア学園に行きたくないの。だからさ、どうしよ~」
「……ふふ、そうだったんだ!んじゃ、一緒に断りに行こう!」
ふふふ、一緒に行ってくれる子発見してよかったわぁ…。
「え、いいけど…。断っていいの?」
「うん!いいんだって!だからさ、行こ!」
「分かった!」
そう二人で決めて、行こうとしたら放送が流れた。
〔ピンポンパンポーン♪えー、言い忘れましたが、えー、今年は強制にマジェイア学園に番号を呼ばれた人は、えー、来てもらいます。〕
……は?
「「はぁぁぁぁ??」」
あ、今ネフィーとはもった!じゃなくて、拒否権なし?ふっざけんなよ!
フィラルの殺気が伝わったのか、ネフライトが宥めてきた。
「…ま、まぁまぁ、フィラルちゃんも落ち着いてよ。ね?」
「落ち着いてられるもんですか!何で拒否権なしなのよ!っざけんな!」
そうよそうよ!拒否権なしでは困るわ。せっかくあたしの夢が叶えられようとしたところなのにぃ‼
「あいつら許すまじ!」
「あはは~。…で、どうする?拒否権なしだよ?」
「…ふふ、ふふふふふ。だったら無理やり押し通すのみ!…それか目には目を歯には歯をのハンムラビ法典で行くか」
「…ふ~ん。ハンムラビ法典を使うの?それよりも私は倍返しでやったほうがいいと思うんだけど」
「え、倍返し?どうやってよ?」
そうよ、どうやって倍返しするのよ?拒否権とられたから拒否していいよって言うまで何かするの?
「えっと……。わかんない」
ほら!わかんないじゃんか。
「ふっ!それならハンムラビ法典で行くしかないんじゃない?」
「むぅぅ…。じゃあ、どうやって行くの?」
「それは…」
「ほらね!フィラルちゃんも分かんないじゃんか」
うっ…。
「……ねぇ、ところでさ、何でハンムラビ法典知ってるの?普通知らないわよね?倍返しも」
「えっと、それは…。……フィ、フィラルちゃん。それよりもどうやって拒否するかだよ!」
ちっ!話そらされたわ。まぁ、いいわ。今度聞き出すか。
「そうね、いい案が浮かばないんだったら無理やり押し通すか」
「そうだね。フィラルちゃん。もうそれしかないんだよね。…それでいこっか!」
「うん!でもどこに?」
そう、どこにいくの?
「あ…。えっと、一番お偉い人のところに?」
何故疑問形で返すの?っていうか…、
「場所分かるの?」
「…わかんない」
ってなわけで今悩んでるのです!って、あ!みんなに聞けばいいじゃん!
そうじゃん。何であたし思い浮かばなかったんだろ。
「アクアぁ!フランちゃぁん!」
「「はぁい」」
フィラルが呼ぶと出てきたアクアとフランシア。
「どうしたの?」
「あ、うんとね。二人に頼み事なんだけど…。ここの建物の中でお偉いさん方が集まってる部屋はどこか調べてきて?」
「「りょーかい!」」
そういうと、どこかに消えていった二人。
「フィ、フィラルちゃん。今の子たちは?」
「ん?あたしの友達」
「そう…」
そう言うと黙ってしまったネフライト。
「ネフィー?もうすぐ場所分かると思うからさ、待ってよっか」
「うん」
そう言うと、あたしたちはそこらへんに置いてあった椅子に座った。
「ただいまぁ~!場所分かったよ~」
はやっ!
そう思ったのはフィラルだけではなかったようだ。隣を見てみると、ネフライトも驚いて口がポカーンと開いていた。
「ぷっ!まぬけずらね…」
こっそり言ったつもりがどうやら聞こえたらしく、ネフライトに睨めつけられたフィラル。
「ちょっと!それはひどいよ…!」
「あ~。ごめんごめん。そんなに怒らないでってば…」
「あの…」
「もう知らない!」
「え、本当にごめんってば!」
「いや」
「あの、フィーちゃん?ネフライトちゃん?」
「許してよ~」
「…」
「てめぇらいい加減人の話を聞きやがれ!」
フィラルとネフライトが茶番をやっていると、我慢できなかったのか、アクアブルーが二人に怒鳴った。
ひっ‼ちょっ、アクア⁈
「いきなり怒鳴んないでよ!びっくりしたじゃんか」
「…。フィーちゃんたちが人の話を聞かないから悪い」
「ごめんごめん。…で、お偉いさんの場所分かった?」
「あ~、うん。二人とも転移する?」
「うん。歩くのめんどくさいから転移する。…ネフィーはどうする?」
「え、あ、どっちでもいいよ~」
「んじゃ、転移ね。アクアよろ~」
「ん。じゃ、レッツゴー!」