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転生少女の無双物語  作者: 胡蝶
〜記憶喪失編〜
33/62

33. 王都の鐘と、隠しきれない令嬢の気品。

今回は短めです……( •́ฅ•̀ )

カン、カン、カン――。  朝の静寂を切り裂く鐘の音が、新しい一日の始まりを告げました。  今日はいよいよ、五歳になったあたしが王都へ向かう日。


「今日でいよいよ、フィーちゃんも王都デビューね!」 「うん! ……でもママ、なんでわざわざ遠い王都まで行くの?」


 首を傾げるあたしに、ママが優しく教えてくれました。  この国では、魔力制御ができるようになった五歳児は、王都で『魔力検査』と『IQ診断』を受ける義務があるのだとか。結果次第ではエリート養成所『マジェイア学園』に入学しなきゃいけないらしいけれど……。


「あたし、学園なんて行かない。冒険者になりたいもん! 将来は世界中を旅して回るの。それが、ずっと前からの夢だった気がするから」


 あたしの宣言にママは一瞬驚いたけれど、すぐににっこりと笑ってくれました。 「そうね。フィーちゃんの人生だもの、自分の夢を叶えなさい」


 ✽・:..。o¢o。..:・✽・:..。o¢o。..:・✽


 馬車に揺られて到着した王都の検査会場は、無駄に……いえ、恐ろしく巨大な建物でした。 (……なにこれ。どっかの国会議事堂みたい。……って、こっかいぎじどうって何?)  時々頭に浮かぶ謎の知識を振り払い、あたしはママと手を繋いで中へ入りました。  質素な外装とは裏腹に、張り詰めた空気が漂う廊下。そこへ、一人の女性が近づいてきました。


「あなたが、フィラル様でしょうか」  彼女はあたしの視線に合わせて優雅に膝を折りました。 「うん、そうだよ! お姉さんはだぁれ?」 「私はミューザ。検査会場までご案内させていただきますわ、フィラル様」


 丁寧すぎるその態度に、あたしの「魂」が勝手に反応してしまいました。 「ええ。こちらこそ、よろしくお願いいたしますわ、ミューザ」


 完璧な淑女の微笑みと、隙のない言葉遣い。  隣でママが「えっ、フィーちゃん!?」と今日一番の驚き顔をしていますが、あたし自身も驚いています。なんで今、こんな言葉がスラスラ出てきたの!?


「ふふ、では会場へ。参りましょうか」


 ミューザの背中を追いながら、あたしは言い知れぬ予感に胸を騒がせていました。  この検査で、あたしの何かが暴かれてしまうような。そんな、少し怖いけれど、ワクワクするような予感を。

多分、もうすぐ学園編に入ると…‼︎


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