30.お兄ちゃん
すみません(◞‸◟ㆀ)
今回も短めです…( ´•௰•`)
「ま〜!」
あたしはそう言って大好きなママの胸に飛び込んだ。
………やっはろー‼︎あたしはフィラル!3歳!
ーー3歳がこんなに元気よく話せないって?……まぁ、それはそうだけどさ…。
ーーお前、3歳じゃないだろって、失敬な!正真正銘の3歳だ!…何でかよく分からんけど…なんか話せたのよ‼︎っていうかね、自分が本当に3歳なのかも分からないの。ママがなんか3歳だよ〜って言ってくれるけど、本当は違う気がするのよね〜……。なんか、自分は何十年くらいか生きてた気がするの……。
それをママに言ったら笑われたけどね!
「どうしたの?フィーちゃん」
「あ〜ちょ〜ぼ‼︎」
「あらあら…。ごめんね?今はお仕事で忙しいのよ」
「え〜……。やぁ〜‼︎あちょびたい!あちょびたいったらあちょびたいの‼︎」
「……フィラル?ママを困らせてはダメよ?」
突然ママが怖い顔して言ってきた。
「もしママを困らせることしたら、ファントムにさらわれちゃうよ〜」
「え、や〜‼︎」
ファントムって悪い人じゃん‼︎……人をさらっては殺したりするやつに攫われたくない‼︎
「じゃあ、ママを困らせてはダメよ?」
うっ、遊びたかったのに……。
「はーい…」
「ふふ、なら外で遊んでらっしゃいな」
「…うん」
あたしはそう言うと、外に出て行った。
……どうせ遊ぶ子いないもん‼︎
あたしが住んでいる家は村よりちょっと離れた場所にある。だから遊ぶ人がいないのだ。
でも、ここは森の近くだから山菜や薬草などが採れるし、川もしばらく歩けば着くから魚も獲れる。
「はぁ……。ちょっと森をおちゃんぽしゅるか……」
あたしはそう言って森に入っていった。
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「あ、はーぶみっけ‼︎あと、よもぎもほとけのざもみっけ‼︎……やっぱここら辺はよくみちゅかるなぁ〜‼︎」
「……何が?」
「やくしょうが。あとね〜、しゃんしゃいも‼︎」
「しゃんしゃいって、山菜のこと?」
「うん!そうだよ〜」
「へぇ……。いろんなこと知ってるんだね」
「うん!だって、ここら辺はあたちのおにわだもん‼︎……ところで、おにいちゃんだーれ?」
あたしはそう言うと、さっきから背後にいるお兄さんを見た。
「意外とびっくりしないんだね…。まぁいいや。僕はただの通りすがりだよ」
「なまえ、ただのとおりしゅがりっていうのね」
「いや、違う違う違う‼︎なまえはセンリだよ」
「ふーん……。なんか、どっかで見たことのある顔と聞いちゃことのあるお名前ね…。まぁ、そこはいいとして、しぇんりって言うんだぁ‼︎ねぇねぇ、しぇんりしゃまか、しぇんりくんか、しぇんりか、しぇんりおにいちゃん。どれがいい?」
「センリでいいかな。ところで、君の名前は?」
「フィラル。ママはあたちのことフィーちゃんって呼んでるの。今三歳。それで、しぇんりはいくつ?」
「初対面にそんなこと聞いてはダメだよ?失礼だから」
「あわわ!ごめんなさい‼︎」
「ふふ、今度から気をつけるんだったら許してあげる。それと歳は六歳」
「それじゃ、しぇんりおにいちゃだね‼︎」
あたしがそう言って笑うとセンリお兄ちゃんも笑った。
「あ、そろそろ行かなきゃ。……ねぇ、しぇんりおにいちゃん。また、あえる?」
「……うん。きっと会えるよ。君が元に戻ったら姿を現わすよ」
センリお兄ちゃんはそう言うと、あたしが瞬きをしたら消えていった。
....君が元に戻ったらって、あたしはあたしだよ...?
変なセンリお兄ちゃん。
「ありゃりゃ。きえちゃっちゃの……。まぁ、いっか‼︎まちゃ会えると思うし。……って、暗くなってきちゃってるの‼︎いしょいでかえらなきゃ!!」
あたしはそう言うと、暗くなる前に急いで帰っていった。