29.新しい家族(ミルフィー視点)
今回は短めです。
森の奥にあるとある場所でとある女性がいた。
「.....あら?雪が降り始めたわね。……洗濯物戻さなきゃ…!」
とある女性がそう言い、急いで家に戻ろうとすると、綺麗な歌声が聞こえてきた。
「ララ〜……ららぁ〜〜…」
「きれいな歌声〜……」
とある女性が不思議に思って歌声のする方へ行くととたくさんの妖精や精霊たちが集まっていた。
そして、その真ん中にはきれいな女性が赤ん坊を抱いて歌っていた。
「妖精…?しかも精霊たちまで…」
女性がそう呟くと、妖精たちが女性の方を見た。
「え、えっとぉ……」
女性がもごもごと口を動かしていると、きれいな女性が近ずいてきた。
「こんにちは。私は水の精霊王のアクアブルーよ。よろしくね?」
「精霊王⁉︎……えっと、ミルフィーです‼︎よろしくお願いします‼︎」
「ふふ、一つお願いがあるの」
「な、何でしょうか…?」
「この赤ん坊が自分の記憶を取り戻すまで育ててくれないかしら?」
突然アクアブルーがそんなことを言い出した。
「えっ……‼︎」
「突然で驚くでしょう……。でもね、これはフィーちゃんの為にもなるの。そして、私たち精霊王と精霊、妖精王と妖精たちのお願いでもあるの」
「えっ‼︎そ、そうなんですか⁉︎……ですが、平民ですよ?私は」
「大丈夫。フィーちゃんがそう望んでいるから。ね?フィーちゃん」
「あう?…あい!」
「この赤ん坊、フィーちゃんって言うのね」
ミルフィーがそう言うと、意を決したようで、アクアブルーに言った。
「……分かりました。平民な私ですがどうかよろしくお願いします」
「ふふ、あなたならそう言うと思ったわ。この赤ん坊の名前はフィラルよ。それじゃ、ばーい!」
アクアブルーはそう言うと、ミルフィーにフィラルを渡すと、消えた。そしてあたりを見回すと、いつの間にか自分の家の前にいて、周りにはもう妖精たちはいなかった。
「あれ?私、いつの間に……。まぁ、いいや」
ミルフィーはそう言うと、フィラルの方を見た。
「よろしくね?フィーちゃん」
そう言うと、あんまり広くなさそうな家に入っていった。