閑話.私の友人で主(アクア視点)
まだ続くと思ってた閑話は今回で終了です(*^^*)
ーー早いな!Σ(゜ロ゜;)
やっほっほほーい‼︎
やっはろー、私は水の精霊王、アクア。
私には大切な子がいるの。
その子は私の友人でもあり、主でもあるの。それでね、その子の名前はフィラルって言って私の、私たちの友人なの‼︎
でもね、その大事なフィーちゃんが私に変装した男に刺されてたの。
私、それを目撃した途端、許せなかったわ。
殺しかけたんだけどね…。あは!
「きっさまぁ‼︎私たちの主人から手を離せ‼︎……ここは私たち妖精が食い止めるわ!だからあなたたち精霊はふぃちゃんを連れて外へ!」
「嗚呼!頼むぞ!」
フランちゃんの声で何とか理性を保つことができたわ。
まぁ、ここで佇んでいるよりも早く外に行かなきゃいけないんだけど、行ってる最中に後ろのファイアとフィーちゃんが二人の世界に入ってる件について…。
なんかうざいな…。主にファイアが。
だってね、
「ふぁい、あ……。はな、して。自分で歩け、るから…」
「無茶言うな!血まみれだろーが!しばらく俺に頼ってろ」
「ファイア……」
とか、もうそれはそれはとてもうざかった。
まぁ、嫉妬してる場合じゃないんだけど……
このままじゃ、フィーちゃんが出血多量で死んじゃう。私たち精霊王だってそんな万能じゃない。たとえ怪我は治せても、こんな出血多量じゃ、無理だ。
《アクアよ。もしお前に大切なものができて、そやつが死にそうになっていたら、禁術を使え。さすれば、お前の大切なものが救われる……。が、それは沢山の魔力を引き換えにしてしまうじゃろう……》
昔、ばば様が私に言ってたことを思い出した。
そうよね!禁術を使えば…!でも、魔力を沢山吸い取られる…。
でも、フィーちゃんを助けるにはこれしかないし…。
…よし!禁術を使おう!
「ねぇ、みんなにお願いがあるの…。このままじゃあフィーちゃんが助からないわ。でも、でもね、一つだけ助かる方法知ってるの。聞いてもらえる?」
「いいぜ」
「ご主人様の為なら何でも言って!」
みんな……。
「みんな、ありがとう…。ねぇ、ドラグニール?禁術使っても良い?」
「…ダメと言いたいが今は仕方がない。…何の禁術を使うんだ?
「フィーちゃんの記憶をしばらくの間消して、フィーちゃんを赤ちゃん巻き戻すの。あ、種族はそのまんまよ」
私がそう言うと、渋々ながらも許可してくれた。
あ、言い忘れてた。
「実はこの術は魔力がたくさん必要なの。私たち精霊王でも魔力が半分なくなるわ。もし半分以上も魔力がなくなれば私たちはしばらくの間眠ったままかもしれないの…」
「えっ!じゃあこの全ての界の魔力はどうなるの?」
「それなら大丈夫だ」
「は?何言ってるのドラグニール。大丈夫じゃないでしょ!」
「お前たち、俺が何者だったか忘れてるだろ?俺はこれでも元最高神だ。お前たちよりも少なからず魔力はある。だから俺の魔力を半分くらい取ればお前たちの負担も減るだろ?」
確かに…。そうかもね。んじゃ、それでいこっか。
「話しはまとまったみたいね?……じゃあ、今から禁術をやるわよ」
私がそう言うと周りに緊張が走った。
「んじゃ、せーのの掛け声でみんなフィーちゃんに魔力マナを流し込んで。それで流し込みながらフィーちゃんの体内に自分たちの魔力を流し込むイメージをして」
そう言うと、みんなが頷いた。
「じゃあ、せーの‼︎」
みんなが私に言われた通りにやっているのを見て、私は呪文を詠んだ。
『世界を創りし創造神よ。我が名はアクアブルー。我は汝に願う。我らの魔力と引き換えに精霊と妖精の姫であるフィラルを救いたまえ!』
アクアブルーが言い終わるのと同時にフィラルの身体が眩い光に包まれたーーーー‼︎
光に包まれながら、フィラルがアクアブルーたちに言葉を残した。
「みんな……。また会おうね?」
と。
光が収まった時には、そこにはにっこり笑っているフィーちゃんはいなくて、赤ん坊がぽつんと置いてあった。
「この赤ん坊がフィーちゃん…?」
誰かがそう呟いた。
「アクア!フィーちゃんは⁈」
男たちを始末した後なのか、フランシアたちは血塗れになりながら飛んでやってきた。
「この、赤ん坊がフィーちゃんよ…」
アクアブルーがそう説明すると、フランシアは泣き出した。
「よかったぁ…。よかったよぉ…」
「そう、だね。良かったね…。でも、赤ん坊になったフィーちゃんを誰かに見られてたらやばいわ。だから、
フィーちゃんを下界に置いて行こう?」
みんなも同じ考えなのか反論をする者は居なかった。
そうして、アクアブルーたちは赤ん坊になったフィラルを下界に置いていって立ち去った…。
思ったより、閑話は長続きしなかったな……。
次回は、待ちに待った新章です‼︎