20. 逆ギレ家出と、バカ執事のハグ。
遅くなってしまい申し訳ごぜいませんm(_ _)m
どうしてこうなった……。 目の前では父様が「私の天使が汚された!」と発狂し、兄様はファイアに向けて目からレーザーが出そうなほどの殺気を放っている。それを、笑顔が逆に怖い母様と、完全に目が据わっている姉様が宥めているという、地獄絵図が展開されていた。
「んっ……」 この状況下で、私の膝の上でスヤスヤ寝ていたファイアがようやく目を覚ました。 「ファイア! さっさと起きてこの状況をどうにかして!」 「おはよう、フィー。昨日はよく眠れたか?」
――瞬間、部屋の温度が氷点下まで下がった。 私の心配をしてこちらを向いたファイアが、家族の視線に気づいて石像のように固まる。 「ちょっと! 私を見て固まらないでよ!」 (ああもう、これじゃラチがあかないわ!) 「ね、ねぇ母様……。わたち、お腹すいちゃった」 私が上目遣いで「空腹アピール」を繰り出すと、家族は一瞬で「食事優先モード」に切り替わった。……切り替え、早っ!
*
無事に朝食は済んだものの、その後がしつこかった。 「フィー、やっぱりレッスンはやめましょう? あんなに魔力を使い果たすなんて危なすぎるわ」 「そうよフィーちゃん! あなたにはまだ早かったのよ」 アクア様やお姉様まで、口を揃えて「中止」を訴えてくる。
――ブチッ。 私の中で、何かが音を立てて切れた。
「……みんな、うざい!! 過保護すぎ!」 「フィー……?」 「将来のためになるからって勧めたのは、みんなじゃない! なのに、一度倒れたくらいでこれ!? 最初からこうなるって分かってたなら、期待させないでよ!」
叫んで、私は部屋を飛び出した。 ……正直、言い過ぎたとは思う。みんなの顔がサーッと青ざめたのを見て、いたたまれなくなって逃げ出したのだ。 「みんなのバカぁぁぁ!!」
勢いで家出を敢行したものの、そこは五歳児。 (……はい、迷子。この家、広すぎ問題再燃ね。テヘペロ♪) 家出の途中で捕まるなんてカッコ悪すぎる! 焦ってフランちゃんを呼び出したけれど、「五歳なら翼で飛べるよ。やり方はわかんないけど」と無責任なアドバイスを残して消えやがった。あの裏切り妖精ー!
「はぁ……。こういう時、ノエル君がいてくれたら……」 「お呼びでしょうか?」
背後から伸びてきた腕に、ひょいっと抱き上げられた。 「わっ、いきなり抱っこしないでよ! びっくりするじゃん!」 「すみません。でも、もう離しませんよ」 じたばたと暴れる私を、ノエル君は以前よりも力強い腕で、壊れ物を扱うように、けれど確実な束縛で抱きしめた。
「フィーちゃん。……奥様と旦那様の元へお連れしますね」 その瞳には、私の我儘を許さない「執事」としての光が宿っていた。 「この、バカ執事ーーー!!」
私の絶叫が屋敷に響き渡り、私の「家出大作戦」は開始わずか数分で、有能な執事の手によって幕を閉じたのでした。
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