18.魔力制御のレッスンです!
今日はいよいよ魔法が出てきます!(๑>◡<๑)
陛下たちが来てから2年が経った今。私は5歳になり、ノエル君は10歳になり、姉様はもうすぐシュトランス伯爵家のカルミン・フォン・シュトランス様と結婚することになり、兄様が領主のお勉強をするために父様と王都へ行くことになりました。ーーいろいろあったなぁ〜。この2年間は。でもまぁ、今は懐かしんでいる場合じゃない!ん?どうしたのかって?それはね、後で分かるよ!
「フィー?大丈夫なの?」
「ん?何が?」
「だから、魔力制御のレッスン。フィーもようやく5歳になったんだし、魔力制御できるじゃん?」
「うん…」
そう、そうなのです。5歳になった私は、魔力制御ができるようになるのです。だから、魔力制御レッスンが来るのだからめんどくさいんだよなぁ。しかも、魔力を制御できたら、次は礼儀作法。それも完璧に覚えれれば、次は護身術などなど、いろいろとやってくるの!それがまたちょーめんどくさい。だから、嫌なんだよねぇ……でも、嫌がるそぶりを見せたら絶対に姉様や兄様方は特に父様は、そのレッスンというものを取りやめにさせるに決まってる。
「もし嫌だったら私に言ってね?すぐに取りやめさせるから」
「いや、こいつじゃ役に立たない。もし嫌だったら俺に言え。そうすればそのレッスンをやらせた先生をやめさせるから」
「いや、俺の権力でその魔力制御レッスン自体を取りやめにさせるから、もし嫌だったら言ってくれ」
「ふふふ、あなた?権力だけでは魔力制御レッスンを取りやめさせれないわよ?……まぁとにかくレッスンが嫌だったら私たちの誰かに言ってね?」
「に、兄様!それと母様と父様も!何故ここに…?」
「ふふふ、それはね?」
「お前が心配で見に来たんだ」
「可愛い娘を心配しない親はいないよ?」
「さ、左様ですか」
……やっぱ嫌がるそぶりを見せないようにしよっと。じゃなきゃ、全ての界が犯罪まみれになって、たくさんの人たちが処刑されて人口が減っちゃう⁉︎
「あらあら、大丈夫よ?先生は優しい人だから」
私が震えているのを、緊張してると思ったのか、姉様が落ち着かせてくれた。
………いや、私がブルブルしてるのは姉様以外のみんなの笑顔が黒くて怖いからだよ…。
まぁ、とにかく頑張らなくちゃな!そう意気込んでると、扉がノックされた。
「失礼します」
「ノエル。どうした?」
入ってきたのはノエル。どうしたんだろう?
「旦那様方。フィラルお嬢様の魔力制御レッスンの先生がお見えになられました」
ノエル君がそう言った途端、周りに緊張が走る。
「そうか。それじゃあフィー、そろそろ行こうか。ノエル。先生を庭へ」
「かしこまりました」
いやぁ、ノエル君。ここに来た時はまだ6歳の見習い執事だったのに今はもう本当の執事みたい!たった4年間、よくここまでできるな…。私の家の執事が有能なのかな?
いろいろと考えていると、いつのまにか庭に着いていた。
「こんにちは、フィラル様、レボルヴァ公爵様、公爵夫人、そして、ギルダーツ様とフィリエル様も。私は、本日から魔力制御レッスンの教師になるレインです。宜しくお願いします」
「あぁ、宜しく」
「フィーをお願いいたします」
「分かりました。フィラル様、宜しくお願いいたします」
「うん、よろしくお願いします」
私と先生が自己紹介し始めると次々と去っていくみんな。おいおい、魔力制御レッスンをする私が心配できたんじゃないのか?
「あっ!フィーちゃん?」
アクア様!何故ここに…?
「うんとね、気晴らしに来たのよ。そういうフィーちゃんは魔力制御レッスン?」
うん、そうなんだけど。見に来た母様たちが去って行っちゃったんだよねぇ。
「嗚呼〜。それはね、魔力制御レッスンの最中は、家族や使い魔はみちゃいけないの」
えっ‼︎何で?
「わかんない。多分、管理人様の気まぐれだと思うの。だから、私はそろそろ行くね」
えっ、ちょっ!待ってよ〜、管理人様ってだれ⁉︎っていうか、家族や使い魔が見れないって、どういう法則なのよ!
「それでは、フィラル様。魔力制御レッスンを始めたいと思います」
「わっ!えっ、あ、はい」
「それではまず、魔力制御レッスンについて説明をしたいと思います。魔力制御レッスンは、将来のために体内にある魔力を制御して、最終的には、魔法を作れることを目標としてやります。
それでは、レッスン開始です。……お嬢様、まず目を閉じて自分の心を落ち着かせてください。
…それができたら次は、目を閉じたまま自分の体内の中心にある魔力を思い浮かべてください」
先生に教えられた通りにやって見ると、自分の中にある魔力が中心に固まっていた。
「…思い浮かべたら、その固まっている魔力を体内全域に行き渡らせるように制御してみてください。まずこれが1つ目の課題です。……アドバイスをしますが、これは私流なので、お嬢様に合うかどうかわかりませんのでそこはお見知り置きを。魔力を行き渡らせるときは、中心に固まっている魔力をこう、散りじりにさせるようにやってみてください」
……やってみた、のはいいけど先生の言っている魔力を散りじりに行き渡らせるがさっぱりわからん。…難しいなぁ。…………そうだ!この中心に固まっている魔力を散りじりじゃなくて、水を流したときみたいに広げさせることができないかなぁ?こう、水って流すときめっちゃいろんなところに行くじゃん。私はそれを使ってやりたいんだよねー……えっ‼︎できた!
「先生!できました!」
「あら!早いね?普通だったらまだ時間がかかるのに……。まぁ、いいわ。おめでとう」
「はい!」
「ふふ、それでは次に進んでいくわよ?その体内に行き渡らせた魔力を、指先に集めさせてください。これが、2つ目の課題です。……アドバイスですが、魔力を引き寄せる的な感じでやってみてください。ですが、これはあくまでも私流なので、お嬢様に合うかどうかはわかりません」
ほうほう、次の課題は指先に集めるか。……引き寄せる感じでいいんだよね?
……これもむっず!っていうかさっきよりもむずい!引き寄せる感じ?掃除機で魔力を引き寄せる感じでいいのかなぁ?…無理だ。できない。掃除機で引き寄せる感じよりも、なんか、何ていうの?散らばった水を、そのバケツに巻き戻す感じじゃあできないかなぁ?こう、何ていうの?体内に行き渡らせた魔力を巻き戻しして、その魔力の塊を指先にこう、吸い寄せるようにやってみれば、でき…た!ワオ!どんどん順調に進んでいくよ!
「先生!またもやできました!」
「そう?それでは、その指先に集まった魔力を外に出すように、『我の名は○○。我は命令する。火の玉よ、我が手のひらに出てこい!』って言ってください。言い方は、意味が変わらなければなんでもいいです。」
.....なんか、厨二みたいなんだけど.....。
「フィラル様。ぼーっとしてないで、はやくやってください」
「はい!えっと『私の名は、フィラル。私は命令する。火の玉よ!私の手のひらに出てこい!」
私が先生の言った通りにやってみると、巨大な火の玉が出てきた。
「フィラル様!制御してください!」
........ワオ!どでかい火の玉が出てきたけど、これどうやって制御するの⁈
今日も読んでくれてありがとうございます(^^)