18. 五歳の門出と、とんでもない火の玉。
今日はいよいよ魔法が出てきます!(๑>◡<๑)
陛下たちが遊びに来てから、早くも二年。 私は五歳、ノエル君は十歳になり、姉様の婚約や兄様の王都行きなど、レボルヴァ家には変化の風が吹き荒れていました。 ……そして私にも、ついに「その時」がやってきたのです。
「魔力制御のレッスン……。ついに始まっちゃうのね」 五歳。それは、天界の子供が自らの莫大な魔力を手懐け始める年齢。 正直、めんどくさい。これが終われば礼儀作法に護身術、お嬢様教育のフルコースが待っているんですもの。
「フィー、嫌ならすぐに言ってね? パパの権力でレッスン自体を消滅させるから」 「私に言えば、先生をその場でクビにしてあげるわ」 (……ダメよ。この家族、私が一言でも弱音を吐いたら、天界の法律すらねじ曲げかねないわ!)
私が黒い笑顔を浮かべる家族に戦慄していると、キリッとした表情のノエル君が先生を連れてきました。 十歳になったノエル君は、見習いとは思えないほど所作が洗練されていて、もはや立派な執事の風格です。
「本日から教師を務める、レインです。よろしくお願いします、フィラル様」 現れたのは、優しそうだけれど芯の強そうな女性、レイン先生。 なぜか家族や使い魔が見学できないという「管理人様のルール(?)」により、私は庭園で先生と二人きりになりました。
「それでは始めましょう。まずは目を閉じ、体内の中心にある魔力の塊をイメージしてください」
指示通りに意識を向けると、私の中には恐ろしいほど濃密な光の塊が鎮座していました。 「それを、全身に行き渡らせるように制御してください。コツは、塊を『散り散り』にする感じです」
(散り散り……? うーん、私にはピンとこないわね。よし、イメージを『水』に変えよう。蛇口から溢れた水が、指先までサラサラ流れていく感じ……) そう思った瞬間、熱い奔流が全身の血管を駆け巡りました。
「先生、できました!」 「えっ、もう!? ……コホン、素晴らしいわ。では次は、その魔力を指先に集めて……外へ解放します。詠唱は『火の玉よ、我が手に来い!』。さあ!」
(……ちょっと恥ずかしいけど、やるしかないわね!) 私は、全身に広げた水を一気にバケツへ巻き戻すような感覚で、指先に魔力を凝縮させました。 「私の名はフィラル。命じるわ、火の玉よ、私の手に来い!!」
刹那。 ボォォォォォッ!!!という轟音と共に、私の目の前に**「太陽」**のような巨大な火炎球が出現しました。 「フィラル様!? 威力が強すぎます! 制御して、早く!!」
(ちょ、ちょっと待って! 『出し方』は教わったけど、『畳み方』は聞いてないわよー!?) 庭園の芝生がチリチリと焦げ始める熱気の中、私は自分が出した規格外の魔法を前に、冷や汗を流すのでした。
今日も読んでくれてありがとうございます(^^)




