17.私は公爵家の娘⁈
今日も少し長くなりましたが、どうぞよろしくお願いしますฅ•ω•ฅ
殿下の元へ戻って行った私たち。戻っていく途中でノエル君がお説教して来たので少し遅くなったけど、まぁ王子なら心が広いから大丈夫でしょ!
「あっ。お前ら、話し合いは終わったのか?」
「うん!おわったおー!」
「ん⁇」
私がノエル君に目で、応えるなっという合図を送らさせて黙らせたにはいいものの、どうやら王子様に怪しがられたみたいだ。………いけないいけない。王子に怪しまれちゃった。まぁ、いっか!
「なぁ…」
「ん?」
「ここがお前の屋敷だって言ってたな。ってことは、お前はレボルヴァ公爵の娘、フィラル・ヴィン・レボルヴァか?」
……ん?この人、何言ってるの?何で父様の名前が?っていうか何で公爵家が出てくるの?…確かに、ここは私のお屋敷だけど、お嬢様じゃないよ…?そもそも私、王子に私の名前言ってないのに何で知ってるの⁉︎
「……ん?何いっちぇるの?わたち、おじょうしゃまじゃないよ?かあしゃまやとーしゃまにわたちがこうしゃくけのむちゅめだってきいてないもん!だいいち、侍女しゃんやしちゅじしゃんはいたとしても、あわしぇてくれないし……。礼儀作法とか教え込まれてないし……。だから、わたちは、おじょうしゃまじゃないの!そして、何でわたちのなまえを知ってるの!」
「……そ、そうなのか?ノエル?」
「……確かに、ここはレボルヴァ公爵様のお屋敷であり、フィラルお嬢様のお屋敷でもあります。ですが、殿下はお忘れになられてしまいましたか?
天界は人間界と同じように身分差や貴族、王族などがいても規則が違うと…。
人間界の貴族、王族などの規則は、それぞれ王族、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵、平民、奴隷の順があって、それぞれ爵位を持って生まれてきた子供全員はレボルヴァなどの家名を持って生きなければいけません。でも、結婚したら変わりますよ?……それで、天界は人間界の貴族、王族などと同じように、王族から公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵、平民はありますけど、家名を持てるのは、長男と次男、長女だけです。なので、フィラルお嬢様は旦那様の子供であっても、家名を持たないただのフィラルお嬢様です」
ーーーぱちぱちぱち。
「…⁉︎」
ワオ!突然拍手がしたから、ちょいとびっくりしたよ…。
「いやいや、お見事だよ。ノエル」
「父様⁉︎」
「旦那様⁉︎」
「いやぁ、フィニックすごいよ。君の執事は。たった8歳の子供がそんなことを知っているとは…。ヴィン、お前も周りに威張ってないで勉強しろよ?ただでさえ、王太子なんだから」
「ち、父上…。なぜここに?」
「ん?ここにいちゃダメなのか?」
「い、いえ…。そういうわけでは…」
「なら、いいな。あっ、そうだ。そこにいるお嬢さん」
…?そこにいるお嬢さんって、誰のことなんだろうね?
「あなたですよ。フィー」
「えっ、あっ、えぇ、はい!」
「今日は、愚息をありがとう」
「えっと…?どういたしまして?」
「はは、可愛いお嬢さんだ。愚息の婚約者候補には勿体無いくらいだよ」
……は?今、陛下、愚息の婚約者候補には勿体無いくらいだよって言った⁈っざけんじゃないわよ!私は、将来人間界に降りて、冒険者ギルドっていうものがあるらしいから、冒険者になって、いろいろと仲間を見つけて冒険するっていう予定なのに、何が婚約者候補よ!そんなもんいらんわ!
「……おことばでしゅが陛下。わたくちは、そういうかたくるしいことがきらいなので、殿下のこんやくしゃこうほを辞退しましゅ。それをどうかわしゅれないでくだしゃいましぇ」
……あっ、やっば。言っちゃった〜!どうしよう、父様に怒られる⁉︎
「……はっはっは、そう返事が来るとは。ますます欲しくなったな」
「…⁉︎ぜっったいに辞退しましゅ!先ほども言いましたように、殿下のこんやくしゃこうほには1ミリもきょうみなどがございましぇんので!」
「だそうだよ?アベル。フィーもそういっていることだ。そろそろ諦めてくれないか?」
そうだそうだ!はやく諦めなさい!そうすれば私の夢が叶うから!
心の中で、父様に賛成してると、陛下が溜め息をついた。
「はぁ、わかったわかった。二人して、息子を虐めないでくれ。王宮に帰ったらきっとこの子泣くから」
「あぁ、すまん。でも、お前が諦め悪いからだろう?毎日俺に会っては、婚約者候補にしろって言うからな」
おいおい父様。まじですか?陛下はどんだけ私を殿下の婚約者候補にしたいんだよ…。このままじゃ、殿下の婚約者候補になるかもしれないから、成人したらはやく人間界に降りようかな…。
ーーどういうことだって、何が?……ふむふむ、今からじゃ人間界に降りられないのか?って、降りられないんだよ。実は。だって、魔力制御ができなければ、弱いものを奴隷や操ったりしてしまって逮捕になったり、魔力に喰われて死んじゃったりと嫌なことがあるから、14歳、成人するまでは人間界に降りられない決まりなんだよ。それに、まだ準備が整っていないからね。これからゆっくりと準備するよ。
「…ぃー、フィー!おい!」
「ひぃ!と、父様…」
「おいおい、何幽霊にあってしまった顔してんだよ。アベルたちは帰って行ったよ。……なぁ、フィー?お前は何を企んでいる?普通の女子なら喜んで受けるものだ。それをお前は断った。何故だ?まぁ、お前が受けても、俺はアベルにあげないがな。とにかく、下界に降りようとか馬鹿げたことを……。まさか、お前、人間界に降りるんじゃないよな?」
……げ、バレてるし。ここはどうやって切り抜こう。いろいろとめんどくさいんだよなぁ、この父親は。
「……何を言ってるの?わたちがこんやくしゃこうほを辞退したのは、とうしゃまのお嫁しゃんになるためでしゅ!だから、大丈夫でしゅ!」
我ながら、いい作戦だ。というか、敢えて人間界に降りることは触れないでおいたから、多分大丈夫だろう。きっと。
「フィー!あぁ、なんて可愛い娘なんだ。俺と結婚か。それも悪くないな」
……ど、どうしよう!父様が!そうだ!ノエルよ!ノエル助けて!
ノエルに助けをもてめていると、どっかに行った。おいおいおいおいぃ!何でどっかに行くのよ!この馬鹿!アホ!おたんこなす!すっとこどっこい!
「お、お父様…?あの、いちどはなれてくだしゃいましぇんか?苦しいでしゅ」
「あなた?どういうつもりかしら?娘と結婚するとか、私というものがいるというのに、何を馬鹿げたことを考えていらっしゃるの?」
「キャ、キャサリン…。す、すまない」
「知らないわよ!…おいで?フィー?」
「か、母しゃまぁ!怖かったよ〜!父しゃまが変になった!」
「よしよし、大丈夫ですよ?フィリエル?フィーを今に連れて行きなさいな」
「分かりました。それじゃあ、行こっか?」
「うん!」
……後ろから、ぎゃーとか、母様の怒鳴り声とか聞こえてきたけど、私は何も聞いてない。絶対に聞いていない。
私が母様にびびって、ブルブルしていると、姉様は、私がまだ父様のことが怖いと思ったのか、優しく背中をポンポンしてくれた。
「大丈夫よ?私もね、フィーくらいの時に、お父様と結婚する!とか言って、こうなったことがあるの。その時は、お母様がお父様にいろいろと説教とかしたから、大丈夫よ?」
…えっ、父様何やってんの?姉様の時もそうだったの?…なんか、私の中のかっこいい父様像が崩れていくんだけど…。まぁ、いっか。父様にかっこいいと思っても、かっこよくないし。
こうして、私の中にある父様像が崩れていったのである。
今日もありがとうございましたm(。>__<。)m