16.ノエル君が消えた⁈
今日は、少し長くなります(๑>◡<๑)
今日も平和ですなぁ。
「フィー!……って、うわぁ!」
ただ一名を除いてはね〜。執事なのになんでこんなにドジなのかな?私が走ってこけたノエル君をジト目で見ると、何故かノエル君はニコニコと笑う。
「あはは、フィーにジト目で見られてもあんまり怖くないよ〜」
「あ、そう」
「ちょっ、フィーなんか冷たいんだけど?ね、ねぇ、フィー?ごめんってバァ」
「ちらないんだからね!」
……むかつくなぁ…。別にいいし。怖くなくても、これから怖くすればいいし…。
「……あっ、そうだった。ねぇ、フィー。これから僕ちょいと……………」
ノエル君の馬鹿。アホ。おたんこなす。すっとこどっこい。もう知らないんだから‼︎……ってノエル君⁈どこ行ったの?……っていうかまさかのいないパティーンですか?えぇ……ちょい待ってよ〜。今日、一人ってこと⁈………なんでって訊かれても、今日母様たちはどこかのお偉い様に御用があって留守だし。フランちゃんたちは、またもや用事があるからいないし。婆やはいつの間にか居なくなって、私とノエル君だけになったと思ったら、ノエル君がいなくなるし、どういう意味よ‼︎まったく………。ふぅ…、ノエル君探すか。
ーーは?どういう意味って言われても、そのまんまの意味だけど?……何々?そういう意味じゃなくて、どうやったらそういう考えに至るかってこと……って、え?うんとねー。一人じゃん。ノエル君という遊び相手がいないからひまじゃん。だから、暇つぶしに探すってわけ。ふーんって、聞いておいてその態度はないんじゃない⁉︎ちょっと、お姉ちゃん悲しいよ……じゃなくて。もう、探しに行くよ!
ってなわけで、探しに行ってるフィーちゃんだけど……ここどこ⁉︎まさかの2度目の迷子ですか。というかそこ!鼻で笑うな!仕方ないでしょ!この屋敷、めっちゃでかいし。私、身体ちっちゃいシィ。だから、仕方がないのだ!ワッはっはっはー。嗚呼、つまんないの〜。……もう、ここどこ!ノエル君どこ!いい加減出口はどこ!って、あったー!
私が文句を言いながら歩いて、横を向いたら、どデカイ門があった。……ねぇ、これが家の門なの?どデカくない?そう、私が見つけた門は軽く2〜3メートルありそうな門だったのだ。……まぁ、ここで固まっていても仕方がない。取り敢えず歩こう。ってあ、そうだ。関係のない話だけど、実は私、3歳になったのだよ!ーーそれだけ?って、それだけだよ?何、なんか期待したの?……うん、正直に言われるとちょい罪悪感がある。うん、っていうか、なんかごめん。
まぁつまらない話は後にして、この門、どうやって開けるの……?はっ!まさかの、なんかスイッチみたいなものがあったりしてー。
あっちこっち、ペタペタと触ってると、ふにゅ。……ふにゅ⁉︎何!何が起きた!え?なんか、あっちこっちペタペタと触ってたらふにゅっていう感触が……。ヒィ!まさかの、ヤバイパティーンですか⁉︎えーどしよー。
私がわたわたしてると、門がギギギって音を立てて開いた……開いたぁ⁉︎嘘でしょ!さっきのふにゅって、スイッチだったの!えぇ…。感触気持ちわっる。まぁ、そこはいいとして、ちょいと入ろっか。
「… わぁ!キレー!」
どうやら、ここは、屋敷の出入り口ではなくて、庭園への出入り口だった。まぁ、結果的に外には出れなかったものの、いい場所見つけたからまぁいいや。
「あかいろのバラと、あおいろのバラとか、いろんなお花さんがたくさんあって、キレー!……だれもいないよね?ふっふっふ。ちょいとおさんぽしたおー!」
ありゃりゃ、最後らへん呂律がちゃんとできなかったのは仕方があるまい。気にしないでおくれ。
おりょ?だれか、いるのかな?
門から、まっすぐ歩いて行くと、色とりどりのバラとかの花の中央らへんにテーブルと椅子があって、その椅子に知らない男の子が座っていた。
「…だれだ!」
「ひょわ!」
ヒィ!びっくりしたぁ。突然座っていた男の子が大声出すから、びっくりして転けちゃったじゃん。
「なんだ、子供か」
ちょっと!何だとは何だ。何だとは。少しくらい、レディを転ばせたことを謝りなさいよ!まったくもう。
「ここで何をしている。何でここに来れた?お前は何者だ」
いちいち、質問の多い男ね。そんなんだと女子に嫌われるわよ?まぁ、私はそんなの興味ないけどね。
「うんしょっと。ちょっとあんた!レディを転ばせといて、しゃじゃいはないの⁉︎」
「は?自分で転けて何で俺が謝らなくちゃいけないんだよ。っていうか、さっさとオレの質問に答えろ」
「うるしゃいな!こたえればいいんでしょ!こたえれば。コホン、私の名前はフィラルでしゅ。えと、私の友達のノエル君をしゃがして、歩いてたらここをみちゅけたのよ!っていうか、門のわっかりにくいところにスイッチらしきものあって、しょれを、しゃわったら開いちゃたの。っていうか、あんたもしゃっしゃと名乗りなしゃいよ!」
相手が何者か名乗らない限り、本名は教えない、って姉様に言われたから私は絶対に名乗らないからね!
「……あ、あぁ、すまない。オレの名はヴィンセント・ヴィ・フィオーラル。アベル王の息子だ。以後よろしく」
えっアベルって、以前、私の誕生日の時にいた人⁉︎....あれが王様だったんだ.....。というか、父様はフレンドリーだな。
「ふ〜ん。おうしゃまのむしゅこってことはおうじしゃまなのね。こちらこしょ、よろしくおねがいしましゅ。.....ところで、何でおうじしゃまが私のおやしきにいるの?」
「あぁ、それは......」
「殿下、お茶を.......フィー⁉︎」
「えっ、ノエル君⁈何でここにいるの⁈」
「なんだ。お前たち、知り合いだったのか?」
おいおいおい、なんだ、お前たち、知り合いだったのか?じゃねぇよ!なんで!ここに!ノエル君が!いるの!
「えぇと....。殿下。少々、お嬢様をお借りしても..?」
「あ、あぁ。いいぞ?」
「ありがとうございます」
「うわぁ〜!」
そう言って連れてこられた私。ちょっと!痛いじゃないの!
「いちゃい!」
「あっごめん.....。それよりも、なんでフィーはここにいるの?僕、朝の時に殿下が来るから、しばらく1人でお留守番しててねって言ったはずなんだけど?」
「えっ!ちょんなこと言ったっけ?わたち、きいてないよ?」
「..........だから、ここに来たのか……。それで、フィーは殿下と一緒にいる?それとも先に帰る?」
「おうじといっしょにいる!」
「そう、なら殿下に迷惑をかけないでね」
「あーい!」
話終えて、殿下の元へ戻って行った私たちであった。
今日も読んでくださり有難うございます(*^ω^*)