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転生少女の無双物語  作者: 胡蝶
〜幼少期編〜
16/62

16. 三歳児の冒険と、不機嫌な王子様。

今日は、少し長くなります(๑>◡<๑)

今日も今日とて、世界は平和。  ……約一名、廊下で豪快にズッコケている見習い執事を除いては。


「あはは……フィーにジト目で見られると、あんまり怖くないんだよなぁ」  ニコニコ笑うノエル君に、私は最大限の冷ややかな視線を送った。 (……むかつく。今は三歳児の可愛さで誤魔化されてるけど、いつか本気で震え上がらせてやるんだから!)


「……あ、そうだ。フィー、僕はこれからちょいと用事が……」  言いかけたノエル君は、音もなく姿を消した。


(――って、まさかの放置!?)  今日は母様たちも王宮の御用で留守。妖精さんたちもお出かけ。  広い屋敷に一人残された私は、暇つぶしにお散歩……もとい、ノエル君の捜索を開始した。


 しかし、歩き始めて数分。 (……はい、二度目の迷子。知ってた。この家、広すぎるのよ!)  イライラしながら壁をペタペタ触っていると、「ふにゅ」と妙に柔らかい感触。 (ひぃっ! 何今の!? ヤバいスイッチ!?)


 ――ギギギギギ……。  重厚な音を立てて開いたのは、高さ三メートルはあろうかという巨大な門。  恐る恐る中へ踏み出すと、そこには息を呑むような絶景が広がっていた。


「わぁ……! きれー!」  赤、青、白。色とりどりのバラが咲き誇る、まるでおとぎ話のような秘密の庭園。  花の香りに誘われて奥へ進むと、噴水のそばのテーブルに、一人の男の子が座っていた。


「……誰だ!」 「ひょわっ!?」  突然の怒声に驚いて、しりもちをついてしまった。 「なんだ……ただの子供か」


(……何よその言い草! レディを転ばせといて謝罪もなし!?)  私は「ぬんっ」と立ち上がり、ドレスの砂を払った。 「ちょっとあんた! レディをころばせといて、しゃじぇいはないの!?」 「は? 勝手に転んだお前に何で謝らなきゃいけないんだ。……お前こそ何者だ。どうやってここに来た」


 ふん、と鼻を鳴らして質問攻めにしてくる不遜なガキ……いえ、少年。  私はお姉様に教わった通り、警戒しつつも言い返した。 「うるしゃいな! 私はフィラル! ノエル君をしゃがしてたら、わっかりにくいスイッチを見ちゅけたの! それよりあんたこそ、名乗りなしゃいよ!」


「……ふん。僕はヴィンセント・ヴィ・フィオーラル。アベル王の息子だ」 (アベルって……あの誕生日にいた気さくなおじさん!? え、王様だったの!?)


「ふーん……おうじしゃまなのね。よろしくおねがいしましゅ。……ところで、なんでおうじしゃまが私のおやしきにいるの?」 「それは……」


「殿下、お茶の準備が――フィー!? なんでここに!」  そこへ現れたのは、銀のお盆を持ったノエル君。


「なんだ。お前たち、知り合いだったのか?」  王子の問いかけに答える間もなく、私はノエル君にひょいっと抱き上げられ、隅っこへ連行された。


「フィー! 僕、一留守番しててって言ったよね!?」 「きいてないよ! わたち、しゃがしてたんだもん!」 「……はぁ。もういいや。で、どうする? 部屋に帰るか、それとも殿下とお茶する?」


 私は即答した。 「おうじといっしょにいる!」


(王族とのコネは大事だもんね!)なんて下心を抱きつつ、私は不機嫌そうな王子様のテーブルへ、堂々と割り込んでいくことにした。

今日も読んでくださり有難うございます(*^ω^*)

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