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死んだら魔王になりました!?  作者: ギャリー2世
6/10

06『仲間を増やしましょうーその2』

今回は、鬼が登場します。

ウェートが子竜のヴィールを仲間にして、二週間が過ぎた。

ヴィールはやんちゃで元気がよく、世話をするのにさすがの執事ヴァエルも手を焼いた。


「ウェート様の部屋の花瓶や鏡を壊したり、カーテンを燃やしたりと苦労しました・・・。」


とぼやいていたが、嬉しいこともあった。


「パパー! パパー!」


「ん? どうした、ヴィール?」


「エヘヘ、ヨンデミタダケ!」


クソ可愛すぎる、ザ・息子ラブだわとウェートは心の中で言っていた。

そもそも、何故ヴィールがウェートのことをパパと呼ぶかというと。


ー回想中ー


ヴィールを城に来たばかりの時眠れないと言うから、ウェートが聞かしてあげた昔話で。


「ネェネェ、パパッテナニ?」


とヴィールが聞いてくるので。


「自分を育ててくれる人だ。」


と教えると。


「ナラ、ボクノパパハウェートサマダネ!」


「・・・、確かにそうだな!」


ー回想終わりー


ということである。


「ウェート様、ヴィール殿の面倒を見るのも良い事ですが、次の仲間を増やしては?」


「良い当てはあるのか?」


鬼族(オーガ)鬼獣(オーガビースト)が多く生息する【鬼の里】はいかがでしょうか?」


「鬼族か・・・、ん? 待て待て、【怒豪鬼】ウォーク・ガルドの様な鬼神族(デモンオーガ)は生息してないのか?」


疑問に思ったウェートはヴァエルに問う。


「ウォーク様は例外です。鬼神族とは、超希少の種族で1000万分の1の確率でしか誕生しません。

しかも、あの方は不死族(アンデッド)の魔王【奇術師】アルゼン・キリオン様に引けを取らない知能の持ち主です。

ですから、ウォーク様も貴方様同様、『規格外』なのです。」


とヴァエルは怖い笑みを浮かべる。


「お、おう・・・。」


「まぁ、多少育成(ちょうきょう)すれば、強力な戦力になるでしょう。」


ということで、ウェートは鬼の里に来たのだが・・・。


ー鬼の里ー


「「ヒソヒソ・・・。」」


「「ボソボソ・・・。」」


めちゃくちゃ警戒されている。

周囲の鬼から殺気がうっすらと出ているのが感じる。


「聞き込みが全くできない・・・。」


そう困っていると。


「貴方様が噂の【重力闘士】ウェート・クロノス殿でしょうか?」


そう言いながら、こちらへ歩いて来たのは杖を突いて歩く老体の鬼だった。


「いかにも、俺が【重力闘士】ウェート・クロノスだが、アンタがこの里の長とお見受けするが・・・、俺に何か用か?」


「はい、私は鬼の里の長ベルグ・ガルドです。ガルドと聞けばお判りかと思いますが・・・。」


「! アンタ、ウォークの親父さんか!」


「ご名答です。ですが、私は鬼神族ではなく、ただの鬼族です。」


と言ってはいるがウェートはこのご老人には隙がないと感じ取っていた。


「立ち話もなんですし、私の屋敷で話しましょうぞ。」


そう言って、ベルグの後を付いて行きベルグの屋敷の一室に入り、座布団に座る。


「お茶です・・・。」


そう言い、美人な背の高い鬼の人がお茶を出してくれる。


「わざわざありがとう。」


「わたしはこれで・・・。」


そう言い、鬼の娘はこの部屋から出ていく。


「綺麗な娘ですね。」


「この里の若娘のアリーナ・ミラエジェです。この里では、珍しい鬼族(オーガ)巨人族(ジャイアント)混合種(ハーフ)です。」


「へー、混合種か。」


ウェートは考えながら頷く。


「で、話を戻すが、ベルグ氏が俺に何用だ?」


「はい、用というのは貴方様にこの里の地下牢獄に閉じ込めている鬼を倒してほしいのです。」


「地下牢獄の鬼?」


ウェートは鬼に鬼退治を頼まれるなんて思いもしなかっただろう。


「けど、地下牢獄に閉じ込めているのなら安全なんじゃないか?」


「いいえ、その逆です。そいつは出せと言わんばかりに地下牢獄で暴れるので里の者は怯える毎日です。


ですから、お願いします。どんな報酬も用意しますので・・・。」


そう言うと、ベルグは深々と頭を下げてお願いしてきた。


「そんな頭を下げるなよベルグ氏。わかった、俺がその鬼をなんとかしてみるよ。」


「ありがとうございます。」


「まさか、鬼の引き抜きが鬼退治になるとはな。」


「では、案内します。」


ベルグはそう言い手招きをする。

ウェートはベルグに付いて行き、地下牢獄へと着いた。

その鉄格子は大きく高さは10mはあり、地下の広さは学校のグラウンドくらいはあるな、とウェートは思った。


「デケェ鉄格子だな・・・。」


そう言いながら、鉄格子を見ていると。


「ジジィ・・・、ここに来るとはいい度胸してるなぁ・・・。」


ととても低い声が牢獄の奥から聞こえるとともにズシン・・・ズシン・・・と鉄格子前に歩いてくると同時にソイツの姿は露わになる。

全長約3.5mはあろう背丈に多く猛者との戦いを物語っている身体中の傷がこの鬼の強さを表している。


「ベルグ氏・・・、コイツデカくないか?」


「あ? なんだコイツ? 亜人族(デミ・ヒューマン)か? あんな貧弱種族がここ鬼の里に何用だ?」


「これっ! ダスタ! 口を慎まぬか! この方は、魔王の一角であるぞ!」


ダスタという鬼の態度に怒るベルグ。


「亜人の魔王【重力闘士】ウェート・クロノスだ。」


自己紹介をするとダスタは唖然とする。


「ゲヒャヒャヒャ!! 冗談きついぜ! あの貧弱種族が魔王!? あー、腹痛いぜ・・・。」


と、ダスタは笑い転げる。


「笑うのをやめんか! ダスタ! 失礼だぞ!」


しかし、ダスタがこうなるのは当たり前だった。

基本、亜人族は魔物の中でも下級種族で奴隷的な存在。

だから、ウェートのことを魔王と信じる者は数少ないであろう。


「まぁ、コイツが信じないのも無理はない。こんな脳筋は始末するのに片手で十分だ。」


「!!」


「!?」


ウェートはそう言いダスタをワザと挑発する。


「ウェート様! あまり、ダスタを挑発しない方が! 貴方様でもダスタの攻撃を喰らったら、一溜まりもありませんぞ!!」


「言ってくれるじゃねぇか! 弱小種族がぁ! ぶっ殺すっ!!」


ダスタはウェートの挑発に易々と乗り、鉄格子をむちゃくちゃに殴る。

その目はとても血走った眼をしていた。


「すまないが、ベルグ氏。こいつをこの牢獄から出してくれ! その方が戦いやすい!」


「えぇ!? しかし、危険ですぞ!?」


「大丈夫だ! こんな人を馬鹿にするような奴なんかに負ける俺じゃない!」


ベルグは焦りつつも、ダスタとウェートを交互に見て落ち着き。


「わかりました。貴方様を信用しましょう。

さてダスタよ、今からお前をこの牢獄から解放するが、周囲の喪に危害を加えるなよ? もし加えたら、この里から永遠追放するぞ・・・。」


そう言いベルグは鉄格子の魔法陣を解除する。


「フンッ! 俺は今、目の前にいるこの弱小種族を抹殺するのが目的だ!! 貴様ら、カスに用はないわっ!! グォォォォォッ!!」


ダスタは牢獄から出てきて咆哮する。


「良い声だ。こいっ! ダスタ!」


「死ねぇ!! 弱小種族の愚か者めっ!! 我々、鬼族に盾突いたこと後悔させてくれるわっ!!」


そういうと、ダスタは体系とは裏腹に地下の壁を蹴り跳躍してウェート目がけて突進してくる。


「くらえっ! 鬼神の大突撃(デモンデストレイラー)っ!!」


そのスピードは軽々と新幹線の速度を超えた速さだった。

しかし、ウェートはその場から動かない。


「ウェート様、危ないっ!」


ベルグは叫ぶ。


「くらえ・・・超重力(ギガグラビトン)・・・!」


ウェートが呟くとダスタがウェートに当たる直前で地面に減り込む。


「ぐぉぉっ!?」


「今のは、俺の能力(スキル)の絶対的威圧力と地獄の重さ(ヘル・グラビトン)の融合技だ。簡単には破れないぜ。」


しかし。


「お、俺は・・・鬼の魔王を・・・目指す者! こんな所で! 躓いている場合じゃねぇんだよぉぉぉ!!」


そういうと、ダスタは無理矢理ウェートの技を破る。


「うぉっ!? マジか!」


「死ねぇ!! 鬼神角頭突(ホーンインパクト)!!」


ダスタは己の鋭い角を武器に先ほどより速さを増して突進してくる。


「おらぁ!!」


ウェートは、また回避せずに角を片手で掴み受け止める。


「な、何だと!? 俺の鬼神拡頭突を真正面から受け止めただと!? だが、油断したな!! 亜人の魔王!!」


「何っ!?」


しかし、ダスタはこの瞬間を待っていたのだった。


「ぬぉりやぁっ!!」


ダスタはウェートに角を掴ませたまま宙へと投げ飛ばす。


「いくら、魔王とて空中では何もできまい!! 止めだ!! 鬼神の大逆鱗(デモンバスタード)!!」


「しまっ・・・!」


しかし、ウェートはかわしきれずに胴体にダスタの片方の角が刺さるが。


「甘いぜ・・・、ダスタお前は自分自身の力量を過信しすぎて相手の力量を確認していない! だから、お前はあんな牢獄に閉じ込められたんだ! 一からやり直せ! 超重力波導ハイデスグラビティション!!」


ウェートの最大の技は、見事に決まり決着がついた。

すぐに、ウェートはアリーナに手当てしてもらう。


「・・・、負けた・・・この俺が亜人族の1人如きに・・・何たるザマだ・・・。

さぁ、亜人の魔王よ・・・一思いに俺を殺せ・・・。」


ダスタは覚悟を決めて、無抵抗になる。

しかし。


「いやいや、俺お前のことを殺す気なんて毛頭ないんだが・・・。」


「「え・・・?」」


ダスタとベルグは理解ができず唖然とする。


「な、何故殺さぬ!?」


「そうでございます! ウェート殿! まさか、この怪物をこのまま野放しにするおつもりでございますか!?」


「な!? 誰が怪物だ!! ご老体!!」


「貴様の様な、危険人物に怪物といって何が悪い!!」


2人がにらみ合っていると。


「お取込み中悪いが、ダスタ・・・お前、ウチの軍に入れよ。メンバー不足で困ってるんだ。」


「なっ・・・!?」


ダスタは驚愕する。


「悪い話じゃないはずだ。」


ウェートはダスタの元へ歩き、手を差し伸べる。

だが。


「確かに、悪くない話だが、俺もそこまでバカじゃない・・・。

今回の戦いで己がどれだけ未熟者かを思い知らされた・・・、俺が軍に入ったところで足手まといになるだけだ・・・断る。」


ダスタはあっさりと断った。


「自重するのは良いことだが、また牢獄に入れば辛い生活が待っているだけだ。だが、俺の軍に入れば、辛い生活はないし、自分自身も強くなれる。俺の仲間になれ! ダスタ!」


「!」


ダスタはウェートの言葉に胸を打たれる。


「わかった、このダスタ・ミラエジェ! 我が新たなる主、ウェート・クロノス様に全身全霊で貴方様の手となり、足となりましょう! 必ずや、貴方様の役に立って見せます! 早速で悪いのですが我が王よ、我の妹君のアリーナ・ミラエジェもこの軍に同行させてもよろしいでしょうか?」


「え!?」


アリーナは急なことで驚く。


「お! やっぱり、ダスタの妹君だったのか。俺は全然構わないぜ。」


「で、では、失礼ながら・・・私目もよろしく・・・お願いします・・・。」


アリーナは困惑しつつもお辞儀をする。


「おう、頼りにしてるぜ。アリーナ!」


こうして、新たな仲間ダスタ・ミラエジェとアリーナ・ミラエジェの2人がウェートの軍に入ったのだった。

この後、帰宅したらダスタが軍の少なさに泡を吹いて倒れることなど知るよしもなかった。

次回の仲間を増やしましょうーその3を投稿し終えたら、今までのメインキャラの情報をまとめた小説を閑話として、投稿します。

あと、追記で次週投稿し終えたら、その次週は休載します。

私も大学生なので、定期試験が迫っているのです。

居ないとは思いますが、楽しみにしている方々誠にすみません。

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