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Myth World  作者: マック
第一章 『四重奏曲』
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第二十七話 イベント


初のボス討伐を果たした日から二日後、俺達はいつものように午前のPvPを終えて昼食をNPC経営の店で食事をしている。


あの後、町全体がお祭り騒ぎとなりその祭りの主役とも言える俺達攻略組メンバーは、一日中ずっとその中心に居たので、ボス戦の後と言うこともあって精神的に疲れ果ててしまい、次の日を休みにした。

そのため今日がボスを討伐してから初めて狩りだ。


「あの祭りはすごかったよなぁ」

「そうね〜、あんなに多くのプレイヤーが参加するとは思わなかった」

「最後の方なんて盛り上がり過ぎて御輿みたいに担がれて町中練り歩いたからね〜。しかもユウ兄だけ上から落ちて揉みくちゃにされてたしね」

「あれは悪夢だった・・・」


なにせ下に居たのはゴリゴリの肉体派のお兄さん達ばかりで・・・


あとはお察しください


食事をしながら楽しくお祭り騒ぎの思い出を語り合っていると


ポーン


とメールを受信した時の音が聞こえてきた。


「? 」

それと同時に会話が止んだので皆の方を見ると他の皆にもメールが届いたのか視線を虚空に彷徨わせている。


さて俺も確認しますかっと

にしても誰からだ?

俺達全員にきたってことは四人の共通の知り合いのはずだけど・・・


メニューからメールの欄を開く。

するとそこには

「!? 」


そのメールは運営から送られて来て居たものだった。


今更運営からなんの知らせがあるんだよ。

俺は訝しみつつメールの内容を確認するために本文を読む。


一通りメールの内容は分かった

まぁ要するに・・・


「「「「イベントだ! 」」」」


ちょうど同じタイミングで読み終えたのか四人の声が揃う。


「イベントかー、まさかデスゲームなのにやるとは思わなかった」

「しかも堂々と全プレイヤーにイベントの概要をメールで送るなんてね」

「景品まで書いてあるよ! 」

「なんというか運営も肝が太いよな〜」


デスゲームにイベントを盛り込む上にそれをメールで送りつけて来るという全く悪びれない運営に呆れながら、ルールとマリの言う景品を確認するためにメールをもう一度開く。



このイベントのルールは、オンラインゲームではよくあるポイントを集めて景品と交換する類のイベントだ。

そのポイントは魔物を倒すことで得られる。

ポイントを得られる魔物はアリシアの町から新しく解放された町までのフィールド内の魔物に限定それていて、東西南北の町を解放したことにより行けるようになった新しいフィールドは範囲外のようだ。

得られるポイントは魔物のレベルによって変わり、レベル1なら1ポイント、レベル2なら2ポイントとレベルと同じだけのポイントがもらえる。

なのでイベントに指定されている範囲の魔物の最高レベルは50なので一体からもらえるポイントの最高も50ポイントということだ。


そしてその貯めたポイントは景品と交換できるようになっている。


さて、どんな景品があるかなぁ


交換に必要なポイントが低いものは回復薬などの消耗品や武器や防具に使う素材などで、交換ポイントが上がるにつれてその質が上がっていくようだ。


武器や防具はないのか?


そう思いなが景品一覧を下にスクロールしていく。


景品欄の一番下、交換ポイントが高い景品トップ5までたどり着いた。



こ、これは!?


それは三番目に高い景品で『隠密』

の効果を上げる能力が付与されている防具だ。


その効果も魅力的だが、そこじゃない


この防具はなんと黒のマントだ!


っべぇ、マジべぇわ!

これは取るっきゃねぇ!


交換ポイントは8000ポイント。

期間は一週間間なので一日にレベル50の魔物を23体倒せば届く計算だ。


他の皆も

「俺は防御力アップの付いた盾が欲しいな」

「私はこの魔法攻撃力アップの付いたイヤリングかな」

「私はね!敏捷アップの靴が欲しい!」

ともちろんお高いものをご所望している。

パーティでポイントを四分割なのでこれは全員の目当てのものを手に入れるには頑張らないとな!


その後はもちろんイベントについての話で持ちきりになった。


イベントは三日後、楽しみだ!



************



イベント当日、俺達は東の草原の40レベル帯に居る。


なぜここに居るのかというと東の草原は見晴らしが良く、出てくる魔物も他のフィールドよりも癖が無く、倒しやすいのでここをポイント稼ぎに決めたのだ。

居る位置はイロンの町のすぐ近くでレベル40から50の魔物が出る場所で理由はもちろんポイントが高いからだけど。


他のプレイヤーもそう考えたのか周りにもチラホラと他のプレイヤーが居る。

と言ってもここは40レベル帯なので人数は少ない、アリシアの町の周りなんかは人でごった返してた。


イベントの開始は12時、今は11時50分ほどでもう間も無く始まる。


俺達がイベントの開始を待っているといつもお馴染みの村長とアヤがこっちに向かくる。


「やぁ、やっぱり四重奏の皆もここに居たのか」

「私達もここで狩るんだよー! 」

と気さくな村長とハイテンションアヤが話しかけて来た。


「どうも村長、村長達は何狙いですか?」

とケン兄が村長に聞き返す。

アヤはリオ姉、マリと女子同士で話している。


「わたしは特に狙っているものは無いよ、アヤはどうか分からないけどね」

「じゃあなんでイベントに参加するんですか?」

と俺が村長に聞く。


「そもそもこのイベントは私達のようなプレイヤーに対してのイベントではないんだよ」


え?マジですか?


「このイベントは、イベントという形で景品を用意することで、今までフィールドに出ることの少なかったプレイヤーや出る気のないプレイヤーを、フィールドに出して魔物と戦わせることによって、レベルを上げさせるのが目的だと思うよ」


「え? でも運営はプレイヤーにレベルを上げられて、ゲームをすぐにクリアされたら困るんじゃないんですか?」


「どういう意図が運営にあるかは私にもわかないけど、運営は今よりも私達プレイヤーに強くなってもらう必要があるんじゃないかな?自分達の目的を達成するために 」


「目的? 」


「いや、これは憶測でしかないんだがわざわざこんなデスゲームを作っておいてなんの目的もないということは無いだろうと思っただけだよ。

もしかしたら本当にただの愉快犯なだけかもしれないけどね」


「それでこのイベントで絶対に何人かは死者が出る。それを出来るだけ減らせたらなと思って参加したんだよ。もちろん景品も狙うけどね」


そう言うと村長はリオ姉達と話していたアヤを呼ぶ。


「それじゃあもうそろそろ時間だから私達は失礼するよ」

「お互い頑張ろうね〜」

二人はそう言うと俺達と別れて、それぞれプレイヤーの居ないところに走って行ってしまった。


「ねぇ、なんであの二人は親子なのにそれぞれソロで活動してるんだろうね」

「さぁ?」

リオ姉が質問したくなる気持ちは分かるが、まぁ何かしら事情があるんだろう。


話をしている間にいつの間にか開始一分前になっていた。


俺達は戦闘準備を整え、獲物を探す。

幸いイベントが始まる前に魔物を狩るのは効率的では無いと思い、誰もイベント前に積極的に狩りをしなかったおかげか魔物がたくさん居る。


よし、狙いは定めた。


他の皆にヘッドホンで獲物を伝えると、皆頷きその魔物に向かってぶきを取る。


そしてとうとうその時が来た。


イベントスタートだ!






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