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エピローグ
元の犬の姿に戻り、ボロボロになった体になっている。人間になり、殺すことで、魔力を大分使ったのだった。魔力は命と引き換えのため、もう圭太の命は残されていなかった。
やっとのことで、目的地に着いた。目的地とは……千恵のお墓の前だった。
「千恵ちゃん……。待たせたね。ごめんね」
最後の力を振り絞り、千恵のお墓に抱きついた。
「これで、やっと逝けるよ……」
圭太はそこで、意識を無くした。
「あっ、ケイタ!」
次の日、千恵の家族は犬でペットであるケイタを探していた。遠くまで来たとき、ケイタは千恵のお墓に寄り添っていた。
「ケイタ……」
千恵の母は涙を流した。千恵の父は、泣きながらも、ケイタをじっと見つめた。
「でも、幸せそうだ」
そう、ケイタは微笑みを浮かべていた。
『千恵ちゃん、やっと君の傍に行けたよ』