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赫映物語  作者: 黒河竜也
2/2

入学式

今現在、入学式。

まぁお約束通り長い学園長の話なんだが……。


「え~我が学園に来たからには文武両道を成立していただきたく……」




もう一時間も喋っているんだが。




「なおこの学園はかの有名な竹取物語の舞台となっており……」


つか誰でも知っていることだろそれ……。

学園の名前である程度察し着くし……。

そういえば竜牙はどうしたんだ?


「……」


おっ珍しく……。




「……Zzz」


寝てるな、やっぱり。

つかなんで立ったまま寝れるんだよこいつは……。

少し羨ましいけど。


「あ~どこまで話したかな? 我が学園に来たからには……」


また同じこと喋ってるし。

いつまで続くんだこれは……。

ちょっとふらついているやつもいるし……大丈夫なのか?

……ん? ステージの上に何か光るものが……。







「「フィーシュッ!!」」








そう思っていたらいきなりマイクが飛んだ。

慌てる学園長を余所に、会場である体育館の入り口へと飛んでいく。

その先には二人の生徒らしき人物が。


「またお前らか! 水谷兄弟!!」


先生の一人が怒声をあげた。

しかしその双子らしき二人は臆することもなく……。


「またかというのはこちらのセリフだこの腐れ学園長!!」

「去年、一昨年の悪行を忘れたか!!」


その言葉にやや後ろに下がる学園長。

……何やったんだ?


「入学式早々その長話に倒れる者続出!!」

「去年は救急車を呼んだにもかかわらずまだやるか!!」


何やってるんだよこの学園長は……。

今年もやってるってことは反省なしか。


「誰かそいつらを捕まえろ!!」


学園長のその言葉で何人かの先生が双子に向かう。


「氷樹」

「了解だ凍樹」


氷樹と呼ばれた一方が懐から何かを取り出すと地面に向かって投げた。

その瞬間煙がモクモクと……。

煙玉か。

双子はそのまま逃走。

煙で混乱した入学式はそのままお流れ。

もちろんそのことを残念がる者もなし。

先生の大半もホッとしているのもいる。

どこまで信用がないんだか。










「同じクラスですね兄様」

「やっほ~仲良し四人揃い踏み♪」

「何が仲良し四人だよ」


クラス分けも終わり各教室へと新入生が移る。

俺たちは四人とも同じクラスとなった。


「そういえば竜牙は? ぜんぜん見ていないんだけど」

「そういえばそうですね……」


俺も入学式以降見てないな……。

正確にはあの煙玉の後から。


「……なんか嫌な予感がするんだが」

「あはは……私も」

「……」


全員一緒ってことか……。


「おっす……ってどうした?」


噂をすれば影、竜牙が教室にやってきた。


「お前……どこにいってたんだ?」

「ん……ちょっと野暮用」


こいつの野暮用ほど怪しいものはないんだがなぁ……。

聞いてもはぐらかされるだけだから無理に聞きはしないが。


「は~い。席に着くですよ~」


……子供?

そんなことを思いながらもその子供は教壇のほうへ向かっていく。

クラスメイトもその人物に驚きを隠せないようだ。


「このクラスの担任となります芹沢まどかです。みんな、よろしくね」


ペコッと一礼。









「「「え~っ!!?」」」












入学早々クラスの気持ちが一致した瞬間だった。


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