表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【爆アド】生まれた直後から最強悪霊と脳内バトルしてたら魔力量が測定可能域を超えてました〜悪憑の子の謙虚な覇道〜  作者: 広路なゆる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/85

68.ぽん

「それじゃあ、次、リーゼちゃん、お願いしてもいいかな?」


「……! は、はい……」


 じいじに指名され、リーゼは油断していたのか、少し慌てた様子で返事をする。


「はい、リーゼ、これ」


 そう言って、ヨハンはリーゼに石を渡す。

 先ほどヨハンがヴォルフィを封印した瑪瑙(めのう)だ。


「あ、ありがと……」


 リーゼは、ヨハンがしたように、左手で石を持ち、ふうっと息をつき目をつむる。


「それじゃあ、いきます……!」


 リーゼが勢いよく目を開く。


「Ziehe den Keil des Willens – gewähre dir Selbstbestimmung.(意志の楔を抜き、汝が自律を許す)」


(おぉ……)


 ヨハンの時と同様だ。

 (くう)に描かれた〝ᛗ〟の文字と共に、石に刻まれたᛗの文字が砕けるように消滅する。


「Zerschneide die Kette der 〝Bier〟!(ビールの鎖を断ち切れ)」


(ん……? ビール?)


〝ᚠ〟の文字が少々、戸惑うように、震えながらも一応、消滅する。


「Löse den Kreis der Ernte – lasse die Zeit erneut fließen!(報いの輪を解き、時を巡らせよ!)」


 リーゼは勢いに任せて空に〝◇〟を描く。

 が、石に刻まれた最後の文字は砕けることはない。

 そして、しばらくすると、ᚠとᛗも復活する。


「…………」


「リーゼ…………Bier(ビール)じゃなくてGier()な……。あと最後の文字は(スクウェア)じゃなくて(ジェラ)な……」


 リーゼは俯きながら、両手の拳を握りしめ、ぷるぷると震えている。


「ま、まぁ、リーゼちゃんはまだ六歳だから……」


 その様子を見て、じいじが慌てたように、フォローする。


「そうそう……リーゼ、これからゆっくり学んでいけばな……」


 ヨハンも続く。


 しかし、


「ヨハンは……六歳の時、これ、できなかったの……?」


「えっ……」


 ヨハンはギクリとする。


「え、えーと……その……できたけど……」


 ヨハンはぼそりと答える。


「…………」


 それを聞いたリーゼの目が潤み始める。


「あぁあ! リーゼ、ごめんな! 兄ちゃんが6歳どころか5歳の時にできちゃっててごめん……! ごめんな!」


 ヨハンが一生懸命慰める。


(ヨハンさん、それは逆に、少し煽ってないかな?)


 などと、界は苦笑いする。


「と、まぁ、リーゼは現在、修行中ということです。ドイツ式の封魔術は型が決まっているのだけど、一方で、厳格にそれを守る必要があってね。リーゼはそれが少し苦手みたいなんだ」


(……ドイツ式は型が決まっている……か。ってか、六歳でできないからって苦手扱いにされるのか……。結構、厳しいな……。それだけドイツ式は誰にでも扱えるように、体系化されているってことなのかな……)


 などと界は思う。


 当のリーゼは少しシュンとしてしまった。


「気を取り直して……。よし、じゃあ、次は界くんかな?」


 ヨハンが界に視線を向ける。


「あ、はい……」


(やらなきゃか……。うー、なんだか緊張するなぁ)


 などと思いつつも、界は自身の封魔術を披露する心づもりをする。


 が、


「あ、すまん。界がやると色々問題があるから、日本式の見本については、じいじがやる」


(ふぇ……?)


 じいじがそれを止め、前に出る。


「お、そうなのですね」


 ヨハンは少し肩すかしをくらった様子だ。

 界に問題があると聞き、リーゼは多少、気を取り直したようだ。


 その後、じいじが日本式封魔術の解印と結印を披露した。


「おぉー、すごいですねぇ」


 ヨハンはパチパチと拍手する。


「白神のおじい様、その札、お借りしても?」


 ヨハンはじいじが見本に使用した霊魔が封印された札を指差す。


「ん? まぁ、構わんが……」


 じいじはヨハンに札を渡す。


 と、


「沈めし印よ、今、ほどけよ」


(え……?)


 ヨハンが印を結び、詠唱を始める。


「縛りし手を引き、静かに門を開かん。

 我が意思は干渉にあらず!」


(えぇええ!? まさか……)


「…………」


 が、何も起きず。


「……うーん、残念。そんなにうまくはいかないか」


 ヨハンは肩をすくめる。


「…………いや、かなり惜しかったぞ。印の調和が僅かに乱れたようだが……」


 じいじがヨハンに言う。


「おぉー、そうでしたか」


 ヨハンはにこりとする。


(すご……ヨハンさん、一度、見ただけで、じいじに惜しいと言わせるところまで……)


「うむ。それじゃあ、お互いに少し教え合ってみるかの」


(お……? ということは、俺もドイツ式をやってみるってこと?)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【書籍紹介ページ】

下記リンクで表紙が見れます!
https://www.kodansha.co.jp/comic/products/0000423408

WEB読者様用の書籍購入「特典SS」はこちら
https://reafan.net/b11/

マガポケのインストールはこちら
マガポケ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ