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第五章:逆転の悪役
ジュリエナは、ヴェルトリアへ帰還した。
もう、誰も彼女を止められない。
衛兵は月の影に消え、魔法使いの攻撃は月光の盾で跳ね返される。
彼女は、皇帝の前に立った。
「ジュリエナ! お前は死んだはずだ!」
「いいえ、陛下。私は、死ななかった。あなたが殺したはずの母の復讐に来たの」
皇帝は、魔導兵器を発動させる。
だが、ジュリエナは微笑んだ。
「その力……月喰いの血に、届かないわ」
彼女の一振りで、宮殿の塔が崩れ落ちる。
皇帝は跪き、震えた。
「……慈悲を!」
「慈悲? 母に、あなたは与えなかったでしょう?」
だが、ジュリエナは剣を下ろす。
「殺さない。あなたを牢獄に閉じ込める。そして、帝国を正す」
彼女は、民衆の前に立った。
「私は、悪役令嬢と呼ばれた。だが、悪役とは、権力に逆らう者に与えられるレッテル。今、私は宣言する──ヴィルヘルム帝国の腐敗を断ち、平民と貴族の均衡を取り戻す!」
民衆は、静まり返った。
だが、やがて──拍手が湧き起こる。
ルチアも、その中にいた。
「……ジュリエナさん……あなたは、本当に悪役だったの?」
ジュリエナは、静かに微笑む。
「悪役でも、正義でもない。私は、ただ──自分の道を歩く者よ」




