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俺の左右がハイスペック天使達に占拠されたんだが  作者: 影木とふ「ベスつよ」②巻発売中!
1 俺の左右がハイスペック天使達に占拠されたんだが

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30 フェリー旅の詳細とかき氷を作ろう




「これにしようかな、うん、行ってみたいし北海道」



 月曜日、朝の高校の教室。


 携帯端末を使って調べもの。


 そう、夏休みに俺たち三人で行こうとしているフェリーの旅。


 夢で憧れてはいたが、どうやら俺は船に乗ってどこに行きたい、ではなく、船に乗りたい、しか頭になかったことに気付き、目的地を選別中。


 さて行ってみたい場所……うーん、なるべく遠くにしてみて、と。うん、これがいいんじゃないかな、関東から北海道に行くルート。


 十八時間ぐらいの乗船で、夕方に出発して翌日お昼過ぎに到着する。時間も無理がないし、北海道って行ってみたい場所の一つでもある。


 ジンギスカンに牛乳、魚介類にお米。まず食べ物が浮かんでしまったが、広大な大地に涼しい気候も魅力的。うむ、もう想像だけでヨダレが出るレベルだ。


 よし、決めた、夏休みは北海道に行く。



「あら、目的地が決まったのでしょうか、ふふ」


 いきなり真横から良い香りがしたと思ったら、女性が身を乗り出し俺の携帯端末を覗き込んできた。


 おっとミナトか。


 あまりに熱心に調べていて、周りが見えていなかった。


 ミナトの綺麗な黒髪がサラっと俺の手を撫でる。ちょっとくすぐったいが、つやつやで甘い香りがする。


「北海道ですか。いいですね、各地にうちの会社のホテルがありますので、お安く泊まることが出来ますよ? ふふ」


 ミナトがニッコリ微笑む。



 こないだ海の近くの高級リゾートホテルに泊まらせてもらったが、北海道にも川瀬グループ関連のホテルがあるのか。


 ううむ、実はこの夏休み期間って、フェリー料金が高い期間でもあるんだよな。


 夢だったフェリー旅だし、それは仕方ない。でも高校生である俺たちの資金には限りがある。


 どこかで節約はしないとならん。


 向こうに着くのがお昼。そのまま何も見ずに飛行機で帰るのはもったいないので、一泊はしようと思っている。


 頼るか……どうしようか。


 いや、頼ろう。


 アルバイト代しかない俺が意地を張って、女性二人を狭い宿に泊めるのはダメだ。



「ミナト。頼む、やっぱり俺には君の力が必要なんだ。ホテルの紹介を……」


「ちょ、ちょっと待て! まさか昨日の今日で答えを出したのか? り、理由を聞かせろリュー、私のどこが不満なんだ!」


 俺がミナトに頭を下げ、北海道でのホテルの手配をお願いしていたら、ダッシュで教室に入って来た金髪ヤンキー娘カレンが俺の首を緊急ホールド。


 カ、カレン……く、苦し……いけど、あちこちから柔らかい感触が……ううん素晴らしい。


「ふふふふふ、見ましたかカレン? やっぱりリュー君には私が必要みたいですよ? つまりこれは愛の告白でして……」


「ちが……カレン、これは夏休みの計画の話で、ホテルの紹介をミナトに頼んでいたんだ……」


 ミナトが勝ち誇った演技で何か言い始めたが、すぐに俺が否定。


「ああああ……もうリュー君! ネタばらしが早すぎますー! もうちょっとカレンの慌てる顔が見たかったのにぃ」


 それを聞いたミナトが膨れっ面。


 いやいや、良くないってそういうの……マジでカレンが真っ青な顔で俺の首絞めてきたし……。俺に実害。


「え、あ、チッ……! ったく焦らせんなよ! 俺には君の力が必要とか、昨日の今日で紛らわしいセリフを言うなリュー! マジで血の気が引いたぞ!」


 カレンがプンプン怒っているが、確かに俺の言葉の選択も間違っていた気がする。



 昨日、ミナトとカレンに複雑な想いを伝えられ、告白をされた。


 買い物はあのあと、適当にあちこち見て帰っただけ。まぁまだ時間があるし、ネットも見てみよう、となった。


 ミナトとカレンは告白の後、いつも通りに接してくれている。


 俺も二人への態度は変えていないが、一部敏感に反応してしまうのは、まぁ仕方がないか。俺の配慮が足りなかったのもあるし。




「北海道か、いいぜ。私も行ってみたい場所の一つだ。たまに北海道物産展とかやってっけどよ、そこで買うもの全部美味かった。ぜひ本場で色々食ってみてぇ」


 カレンにも目的地の説明をする。

 

 北海道と聞いた途端、カレンが笑顔になり饒舌に喋り始める。これは好感触。


 ミナトもいいですね、と言っていたし、夏休みのフェリー旅の目的地は北海道に決定だ。


 旅費、もうちょっと資金が必要っぽいので、アルバイトは継続だな。




「ああそうだ二人とも。今週の土日から喫茶店で期間限定のかき氷を出すんだけど、そこに二人が考案したメニューも出したいんだ」


 この時期ぐらいから実家の喫茶店ではかき氷を出すのだが、今年は例年と違い、俺の幼馴染みのハイスペック美女二人が働いている。


 この二人、マジで大人気で、彼女たちがアルバイトに来てくれるようになってから、うちの売り上げが急上昇。


 利用するようで悪いが、ミナトとカレンが考案したかき氷を提供してみようかと。


「あら、それは素敵ですね。ふふ、リュー君ってば可愛い顔して嫁すら利用するとか、心は商売人なんですね。ですが面白そうですし、こちらから参加をお願いしたいイベントです」


「かき氷! いいじゃないかリュー! メニューの考案、それすっげぇ楽しそう!」


 お、これはお願いしても大丈夫そうか。


 嫁……? いや、幼馴染みのハイスペック美女二人のお力を借りたいな、と。



 二人が楽しそうに、携帯端末で人気のかき氷の検索を始める。


 さて、二人はどんなかき氷を作り出すのだろうか。















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