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ロリコンは世界を救う~ロリコンの異世界奮闘記~  作者: 玉木 楓
第一章 ロリコン吸血姫と黒歴史ヴァンパイアハンター
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第二話 強制ロールプレイ

「トーラお嬢様(じょうさま)じょうさま!トーラお嬢様(じょうさま)じょうさま!お目覚めになられたのですか!」


 ……誰?


 俺はノックされた扉を開いた。

 そこにはパリッとスーツを着こなした黒髪(くろかみ)執事(しつじ)が凛と立っていた。

 なにコイツ。メチャクチャ美少年なんだけど……日本だったら確実にアイドルになれる素質がありそうだ。

 くっそ!俺も前世はこんな顔に生まれたかったなー!!

 まあ今は美少女なので関係ないけど!


「トーラお嬢様(じょうさま)、どうかなされましたか?ボーっとして。まだお目覚めになられたばかりでお疲れなのでしょう。無理はなさらないでください。あなたは私達吸血鬼(きゅうけつき)の最後の希望なのですから。」

 

 俺はその美少年の顔をまじまじと見つめる。

 …コイツどっかで見たことあるなと思ったら<吸血姫とヴァンパイアハンター>のVSトーラ戦で隣についてくる超有能執事(しつじ)だ。こいつがアホみたいに強かった。|際限なく打たれる援護魔法(えんごまほう)に、ヘイト集中による鉄壁(てっぺき)の守り。それはトーラに指一本触れさせない完璧(かんぺき)の布陣だった。


 どうしよう。なんか罪悪感(ざいあくかん)が…。

 あなたのお嬢様(じょうさま)、中身ロリコンの大学生ですよ。なんて口が()けても言えない。

 とりあえず演技するか…

 と、思ったがこれからトーラちゃんを演じ続けるのは難しいだろう。俺にはあの最高に可愛い美少女を演じるなんて無理。ましては下手な演技でこの美少女の人格を(けが)したくはない。


 俺は(あきら)め正直に答えようとした。


(実は、俺はトーラちゃんではないんだよ。中身はただのロリコンの大学生だ)

「ごめん…私…違うの」


 自分から発せられた言葉に(おどろ)きを隠せなかった。思ったように言葉が出ない。


「まだ混乱されているのですね。お邪魔でしょうから、私はいなくなります。落ち着いたら大広間までお越しください。私はそちらで待機しております。」


 なんかすごい都合(つごう)よく解釈(かいしゃく)してくれた。

 バトラーは丁寧(ていねい)にお辞儀(じぎ)をして部屋を出て行った。


「おちつけ…わたし…」


 自分が発したとは思えない可愛い声が聞こえる。はぁぁぁぁぁ…!やっぱりトーラちゃんは可愛い!


 ってそうじゃなくて!


 状況を整理しよう。まず初めに、俺はさっき中身がロリコン大学生であると 真実を告白しようとした。だが上手く(しゃべれ)れずに執事(しつじ)に誤解されてしまった。


 そうだな…少し試してみるか。

 まずは自分の前世の自己紹介をしてみることにした。


「私の名前はトーラ・カーミラー。カーミラー家最後の生き残り。起きたのは二日前。」

 姿見に向かって自己紹介してみる。


「ってちがーーーーーーーう!!!!」


 俺は思わず(さけぶ)んだ。

 なんで現在の状況説明してんだよ!

 その他にも色々実験してみる。


 姿見で一人しりとりしたり前世の家族構成を語ってみたり、同志であるエンジェルさんの事を話したり、異世界転生の経緯を話したりしてみた。


「あー!!もうーー!」


 どうなってるんだ…一体。


 分かった事は二つ。

 ・前世の記憶を(しゃべる)ることが出来ないこと。

 ・異世界転生の経緯を話すことが出来ないこと。


 なんか強制的にトーラというキャラを演じているみたいだ。

 …もしかしてこれ、ロールプレイ的な?


 ま、いっか。このトーラちゃんが可愛いならそれで。


 俺は酷く楽観主義者だった。















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