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始まり

俺の名前は初瀬 臨。

ゲーム好きな一般的な高校生だ。

もうすぐ学校が夏休みに入るという時に、友人の斎藤 優から、とある誘いを受けていた。


「なあ、臨」

「何ー?もう暑くて力が出ないんだけど…」

「なんだがどこぞのアンパンの逆バージョンみたいだなお前」

「で、なんでしゅかー?」

「お前さ、アナペルって知ってる?」

「知ってる知ってる。あれでしょ?アナザーペルソナオンラインっていうもうすぐ発売するVRMMOでしょ?一応言っとくけど今金欠気味だからあんまし金使いたくないんだよ」


Another persona online。

約10年もの時間をかけて作られた超大作VRMMOとして話題になっている。

キャッチコピーは確かもう一つの人格を今解き放てみたいな結構中二くさい感じだった気がする。しかしかけられた時間に比例してそのクオリティはものすごく高いと話題になっている。なんでも自立して考え、動くNPCに現実顔負けのグラフィック、それ以外にも沢山の要素があり値段はなんと衝撃の12080円。明らかに一本のゲームにかける金額ではないと思うが、ネットではすぐに予約が一杯になったと言われていた。


そしてこいつがこの話題を振ってきたということはまさか…


「まさかお前…手に入れたのか?」

「そう!予約できたんだよ!」

「へー。んで?まだなんかあるんだろ?」

「一緒に、ゲームしようぜ!」


はあ。そんな予約がすぐに一杯になったようなゲームを今から買うとしたら短くとも半年下手したら一年以上かかる。ふざけてるのかこいつは?


「無理」

「いやな、実は…ちょっと耳かせ」

「何?」

「予約したのはいいんだけど、抽選で応募したやつにも当たっちゃったんだよ」


初瀬 臨は動作を停止しました。


動作が停止した原因を探しています…


発見しました。再起動します。


およそ数十秒間にも及ぶフリーズの後、立ち直った俺は、必死で平静を保ちつつ、優に聞き返す。


「…マジ?」

「…マジ」

「そっかー。え、じゃあ何?てことはまさか…?」

「抽選で当たった分3分の1の値段で提供してやるから、一緒に始めようぜ!」

「よし、わかった。必要な動作環境を教えてくれ。今日中に準備する」

「この変わり身の速さがお前の取り柄だと俺は思うなぁ」



そして遂にサービス開始日がやってきた。

ただでさえ少ないお小遣いを消費してかった最新型のVRヘッドセット。

そのお値段なんと198000円!

ネット通販とかで溜まってたポイントとか使って買ったがめちゃくちゃお金を使ってしまった。俺は勉強もまあこなせるほうなので親からは普通に

「ん?オッケーオッケー」

と言われた。

自分で買っといてなんだがウチ大丈夫なのかな?

ま、そんな思考は置いといてさっさとログインするぞー!ちなみに夏休みの宿題はもう終わらせてある。優のも手伝ってやって少し値引きしてもらった。親からは夏休みだからと夜遅くまでやる許可も得ている!


VRヘッドセットを頭につけて電源を入れ、俺の意識は暗転していった。


俺の意識がはっきりした時、周りは暗かったのだが、すぐに明るくなった。

すると目の前に飛び込んできたのはアバター登録画面。どうやら、この空間でアバター登録をするようだ。まずは前もって作っておいたアカウント番号とパスワードを入れて…と。それにしてもアバターのパーツの数が多いな。これ全部設定するのか…うへぇ。


結果、完成したアバターはいつも俺が使っていたアバターとそっくりになっていた。黒髪黒目で体型は一般的な高校生と特に変わらない。


そう。俺は特にアバターに拘りはない。大事なことなのでもう一度言おう。俺は特にアバターに拘りはない。


そして最後に名前だ。さて、どうしたものか…そうだな。それじゃあ、名前は

「セリンにしよう」

『お名前は、セリンでよろしいでしょうか』

「はい」

『それでは、Another persona onlineの世界を、お楽しみください!』


その言葉を合図に、周りの景色がどんどん後ろへ流れて行き、そして俺はついにVRMMOの世界に、降り立った。


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