見覚えのある目
「んん…くぁぁ…よく寝た」
あの後疲れた俺はすぐに寝た。感覚を戻すためにゲームを続けてもよかったのだが、遅い来る睡魔に抗いきれず寝てしまった。後悔はしていない。
寝起きでお腹が空いていたので、リビングに行って飯を食うついでにテレビをつけて、チャンネルを回していると、興味深い物が目に入った。
実況者が大きな声で実況しているのは、ゲームの世界大会だった。
ジャンルはFPSで、かなりリアル寄りに作られているようでアバターは現実の姿そっくりに作られていた。そしてその中で戦っているのは数名の男女。ルールはソロのデスマッチのようだ。残っているのは4名。元々の人数がどれくらいだったのかはわからないが、マップの広さから見て相当な人数がリタイアしているのはわかった。
そしてその中に1人異質な参加者がいる。1人やけに小柄な参加者がいた。大人と言うにはあまりにも小さすぎる。まるで小さな子供のようだ。と、そんなことを考えていたら状況が動いていた。
小柄な1名が敵の背後を取り1キル。状況に気づいた他の参加者が突出したカモを狩らんと銃口を向けるが読み切っていたようですぐに身を隠すと閃光手榴弾を投擲。目視してしまうと数秒間のスタン又は視覚障害は免れない為咄嗟に顔を遮蔽物に隠す。爆音と共に閃光が画面を染め上げるが状況を映すためのディスプレイはしっかりと仕事をこなしていた為、何が起こったのかを正確に記録していた。小柄なプレイヤーが1人のプレイヤーがいる方向に炸裂手榴弾を放り投げるともう1人のプレイヤーのいる方向に走って行きナイフでキルすると同時に炸裂手榴弾がもう1人のプレイヤーの命を刈り取っていた。
静まり返る会場。1拍置いて大歓声が巻き起こる。
『見事!優勝はKoron選手に決定ー!』
ゲームの方でも処理が終わったのか次々とヘッドセットを外したプレイヤーが出てくる。その中に一際小柄な小学生位の女の子がいた。体形からしておそらくあの子がKoronというプレイヤーなのだろう。
その予想は当たっており、マイクを向けられ優勝した感想を聞かれている。
そして少女は一言。
『楽しかった。』
そう言うと、会場はまた歓声に包まれ、他のプレイヤーへのインタビューへという所で俺はテレビの電源を切った。
飯を食い終わった俺は、携帯端末を使って先程のKoronについての情報を集め始めた。
「…なるほどね。やっぱりそういう感じか」
Koron。本名 中川 ころな。
年齢 10歳。
そして、人物紹介の所に書いたあった一文を俺は考えていた。
「今まで数々のゲーム大会で優勝しており、今のところ負け知らずの天才…か」
ふむ。あの時Koronは楽しかったと言っていたが、本当にそうなのだろうか。「あの目」は、非常に覚えがある。
「ま、俺の単なる勘違いって線もあるけど、もし俺の考えてる通りなんだとしたら…久しぶりに…やるか!」




