その感情は愛か執着かそれとも別の何かか
話を付けて特殊フィールドから戻ってきた俺を待っていたのは申し訳なさそうな顔をしたテシノだった。
「すまん…俺がドジ踏んだせいで迷惑かけた…」
「いや、なんとかなったし大丈夫だよ。まあでも今日は疲れたから落ちるわ。じゃあな」
「ホントスマン…」
★
「っはー。疲れたぁ…久しぶりのガチPvPの相手がノートとは…」
そりゃ疲れるよなぁ。長い間ゲームしてなくてかなり下手になってたのに。まあでも今回の件で大分あの頃の感覚は戻ってきた。この調子で慣らしていけばすぐに全盛期と同じくらいに出来るだろう。
と、そんなことを考えていたら通知音が鳴った。
メッセージが来たようだ。
件名: 今日はありがとうございました
差出人 記者モドキ
今日は久しぶりに貴方と戦えて楽しかったです。またやりましょう!
それと今度一緒に攻略進めませんか?よくよく考えてみたら貴方と戦った事はあっても貴方と一緒にゲームしたことはなかったんで、この機会にやりませんか?
攻略…というのは言うまでもなくアナペルの事だろう。特に断るような理由もないので、了解することにした。
★
場所は変わって―――
「フフ…フフフフ…」
1人の女が堪えきれない笑みを漏らしていた。
「はぁー…楽しかった…やっぱりあの人と戦うのは楽しい…」
彼女の名前は張碓 成留。たった今臨と戦い負けた彼女は、久方ぶりの娯楽にご満悦だった。
「やっぱり私に負けをくれるのはあの人だけです…」
あのような形で口外しないという約束が出来たのは好都合だった。
他の3人に教えてもよかったが、やはりこういった事は独占するのが1番楽しい。
「みんなには悪いけど、しばらくの間は何があっても教えてはやれないですね…約束。そう、約束ですから」
1人で仕方ないという体を装いつつも、その表情はとても仕方ないと思っている表情ではなかった。寧ろ真逆。優越感、愉悦と言った感情が浮かんでいた。
「あの人の正体がこれでわかるかもしれませんね…」
あの時の彼の発言から察するに、おそらく彼は今高校生。そしてゲーミングチームに所属出来なくなるような事を昔やらかした。つまり幼少期だ。そこから絞って検索していけば、彼が誰かわかるかもしれない。そう思うと、彼女の笑みはより一層深まるのだった。




