後処理
「ふぅ~。危なかったぁ…」
なんとか勝てた。正直言ってもう一度あの動きをしてと言われても無理な気がする。それくらい切羽詰まっていた。
「なーにが危なかったですか。全然余裕あったじゃないですかぁ。本当、貴方は底が見えませんよ…」
ハハハ、そう思わせられてるならよかったよかった。俺はまだノートの裏ボスでいれる。
「それで、約束についてだけど」
「わかってますよ。貴方の事を他人に言わない。ですよね?」
「そうだな。それでいいよ」
ここで俺は1つ失念していた。ノートに会うとは、どういうことか。
突然姿を消した俺が、ノートに会うという事は。
「それで、1つ聞きたいんですけど」
「ん?何だ?」
「どうして貴方は突然いなくなったんですか?」
「あー…えっとな」
「言っておきますが、嘘は通じませんからね?」
何この子怖い。頭の中で考えてた事の9割がパーになったんだけど。
「事情を、しっかり納得できるように、説明、して、ください」
一言一句はっきりと区切って言ってくるあたり本気度が伺える。
「理由…理由か…」
「そうです。貴方があそこからいなくなってから、私たちは大変でしたよ?みんな生き甲斐無くした顔してましたからね?」
ノート以外の、他のトッププレイヤーの事を思い浮かべる。うん。想像つくなぁ。
「まあ、悪かったなとは思ってる。だけどな、俺にもリアルの事とかあるんだ。そこの所も納得してくれとは言わないが理解はして欲しい」
「で、結局理由はなんなんですか?」
「受験」
「…」
「…」
ノートが真顔でウインドウを弄り始めて…
おっと?満面の笑みでこちらを見て?
「みんなに連絡しますね」
「わあああ待ってやめて!許して!」
「貴方が一体何を受験するっていうんですか!?貴方くらいの実力ならそれこそプロのゲーミングチームにでも推薦通るでしょうに!」
「いや俺昔色々やりすぎて大会出れなくなったから普通に進学するしかないの!」
そこまで聞いてノートの動きがピタリと止まる。
分かってくれたか…?
「確かにまあ貴方の実力なら出禁食らっててもおかしくはないですね…」
「だろ?」
「まあ、そういうことにしても一言連絡くらいは寄越して下さいよ!そうすればよかったのにネットでは貴方死亡説まで出てるんですよ!?」
「え、そうなの!?」
「そうですよ全く…まあ、こうして見つけられたのでよかったです。これからは私たちに心配かけないようにしてくださいね?」
「以後気をつけます…」




