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観察≠模倣

長い間更新できずすみませんでした…これから更新再開して行きます…ホントスンマセンでした…

ノートは、昔から観察して覚えることが大の得意だった。だからこそ、大抵のゲームはただ覚えるだけで簡単になってしまい、あまり楽しみを見出せずにいた。


だからこそ。なのだろう。

だからこそ彼女は対人式のゲームにハマった。ハマるということは必然的にやり込むという事で、彼女はみるみるうちに実力を上げていき、大会で優勝出来るほどになった。無論負ける事もあった。しかし負けた相手のクセなどを覚えて対策が出来たので2度目の敗北はなかった。その時彼女はそういったことに対する才能があるということに気づいた。そしてそれは事実で、彼女に勝ち続けることのできる人間などいなかった。


そう。あの日までは。

まあ1回で勝てるなどとは思っていなかった。

しかし2回目も負けた。なぜだろうか。その時は理由が分からなかった。

8回目。ようやく理由が理解出来た。相手の対応力と判断力がずば抜けて高いのだ。しかしそれに気づいたからといって勝てるわけではなかった。

57回目。また負けた。ここで戦い方を変える必要がある事に気づいた。そう。対策しても対応されるのなら、更に対応出来ればいい。そう思い、彼のプレイスタイルをできる限り見て覚えて盗んだ。しかし観察して模倣することは容易ではなかった。何より対応力を鍛えるのが大変だったが、そこも克服出来た。

だがその後も勝つことは出来なかった。


そして現在

「ぐっ…お前更に上手くなってねぇか?」

「当たり前ですよ。あなたに勝つまで私は努力すると決めたんですから!」

「そりゃ有難い事でっ!」

短剣(ナイフ)同士がぶつかり合い甲高い音を鳴らす。

戦況はノート優勢に傾いていた。

元々リンガにブランクがあるというのもあるのだが、お互い隙の少ない短剣を使い、武器によるアドバンテージもなくなり、更にノートは対リンガをシミュレーションして鍛えていたのだ。

どちらが優勢になるかなど考えるまでもなかった。


しかし、リンガも伊達に伝説になっていた訳ではない。普通のプレイヤーなら瞬殺されるであろう攻撃を捌けていた。


「なんでお前はそんなに俺に勝つ事に拘るんだ!?」

「わかりきった事聞かないで下さいよ!私が戦ってて本当に楽しいのはあなたとあの子達だけなんです!」


その言葉にリンガは心の中で同意していた。

そう。自分達のような「勝負にもならないプレイヤー」はゲームを心の底から楽しめないのだ。いくら高い難易度を用意されてもすぐに攻略完了してしまう。いくら強いと言われるプレイヤーと戦っても楽しめない。

だから自分は「あの場所」を用意したのだ。普通に出したらクソゲー待ったなしの超難度ゲームを。枠からはみ出した人の為に。そして自分はそこの裏ボス的存在。そう簡単に負ける訳にはいかない。もし負けてしまったらこの少女はまた無為な気持ちでゲームをしてしまうかもしれない。そんなのはダメだ。

あんなつまらない、孤独な思いをするのは自分だけで十分なのだ。だからこそ、負けられない。


そう思うと、何故だかもっと動ける気がする。これ以上の動きを。理想の動きを。絶対に倒したくなるような「楽しみ」を見せてあげたい!


これなら勝てるかもしれない。

そう思った。1年振りに出会えた彼を。

絶対に越えたいと願った彼を。

越えられるかもしれない。そう思うと、とても楽しくなってくる。

-彼の体勢が僅かに崩れた。

常人では理解できないようなほんの僅かな隙。

そこを狙いすまし、急所の首に向けて全力の一撃を放つ。

彼の反応は間に合わない。


「勝っ-」

「悪いが。俺は負けられないんだ」


その言葉と同時に、彼がありえない速度で動いた。

片足を軸に回転しその勢いのままノートの頭を掴み地面に叩きつけ首筋に短剣を当てられる。


「な…なんですか今の速さは…?まるで反応出来ませんでした…あんなの見たことありませんよ…」

「今回も俺の勝ちだな」

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