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前世から引き継がれた記憶  作者: ハルメシ
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終わり始まり

小説を書いてみました。よければ読んでいってください!

境第一高等学校と彫られた門の前に携帯を片手に小さめな紙パックのいちごオレを飲みながら寄りかかっていた。6月は終わり7月になりいよいよ夏本番。そして近づく高三の夏休み。今年は正直あんまり楽しみではない。なぜなら今年は受験生。そんなに遊びに行けなそうだ。家にこもって勉強三昧ってところだろう。こんなことを考えてると気がつけば額には汗が吹き出てきた。マジで今日は暑い。そしてガキの頃から汗っかきなところが俺の特徴だ。バックからタオルを取り出し顔を吹いた。昔から不器用な俺は当然ハンカチなんて持ち歩いたことがない。顔を吹いたタオルをバックにしまおうとバックを開けようとしたら携帯からLINEの効果音が鳴り響いた。

新着メッセージがあります。と画面に書いてあった。開いて見てみると今から行くから待ってて!と書いてあった。そして送り主は武田美香。明日で付き合って1ヶ月の彼女。容姿も悪くないし学年トップ10の学力。そして女子テニス部の部長。あと運動神経もよし。だが少し天然ってところが問題かな。まあ見てるとなにするかわかんなくて面白いから好きって言うのが本音だ。美香とは知り合って約2年ってところ。初めて会ったのは高校の入試のときだ。たまたま席が隣でなぜかあっちから話しかけてきた。最初はすごくフレンドリーな女子だなと思っていた。そしてお互い高校に合格した。1、2年生のときはクラスが別だったが廊下ですれ違うたびに話したりしていた。そして高3になり同じクラスになった。そこからさらに距離が縮まり少しずつ意識するようになっていった。今まで人を好きになったことなんてなかったから好きという感情がわからなかったが、なんとなくわかった気がした。そして1ヶ月ほど前に思い切って美香に告白した。なぜかわからんがそれほど緊張しなかった。きっと心のどこかにいけるという小さな確信があったのだろう。返事は即OKだった。嬉しかった。あれは今でも忘れない。

彼女という存在になってからはまだ1ヶ月。不器用で女に興味がなかった俺に彼女が出来るとは正直考えたことがなかった。女と気を使って遊んでるより男となにも考えずバカなことをしたか方が気を使わず楽だと言う考えから小中はほとんど男友達と遊んでいた。

だが1人の女のために尽くすことは思ってたよりも悪くない。

「おまたせ!ごめんねー。部室片付かなくてさー。」

後ろにテニスのラケットが入っている大きいバックを背負って走りながら俺のところに向かってきた。正門の前で美香の部活が終わるのを待ちながら一緒に帰るのが俺の放課後の日課だ。正直この時のために1日頑張っていると言っても過言ではない。

「ね!友一!今日も寄り道してかない?」

そう言って美香は俺を近くのハンバーガーショップに案内しようとした。俺が住んでるところは東京だがあまり都会ではない。だが田舎というわけでもない。まあ中間ってところかな。だから学校から15分くらい歩いたところに駅がある。駅の周りはわりかしいろんなお店があったりビルがあったりして見た目はまあまあ都会だ。大きなビルの隣にある小さなハンバーガーショップに2人で入る。人は多いがガチャガチャしてるわけでもなく落ち着いているこの雰囲気が好きだ。

頼むメニューはいつも決まっている。俺はハンバーガーセットのBセット。美香はポテトとコーラだけ。それがいつもだ。自分からハンバーガーショップに誘ったのにハンバーガーを食べないところも嫌いではない。むしろ面白くて好きだ。2人でいろんな話をしながら1時間くらいかけて食べる。基本飯は早い方だが美香と食べる飯はいつもこんな感じだ。いつも会話が途切れない。そして笑いが絶えない。これも好きだ。

気づけば時間は夜の7時だった。あれから1時間近くここにいる。なのにまだ全然時間が経った気がしない。楽しい時間はあっという間だということが本当によくわかる。

「そろそろ帰ろっか」

俺は無言でうなづいた。会計を済まし店を出た。俺は目の前の信号を渡り美香は少しまっすぐ進んでから二つ目の角を曲がる。帰り道は別々なのだ。だから一緒に帰るのはここで終わりになる。

「じゃ!また明日ね!」

「おうよ!朝練頑張れよ!」

俺はここでいつも同じことを考える。この関係が死ぬまで一生続くならいいのに。そんなことを考えながら信号が赤になるのを待っていた。

暇だったのでスマホをいじろうとした時目の前から大きな気配を感じた。

気付いた時には遅かった。目の前には大型トラックのライトがあった。俺は言葉もでなかった。それはそうだ。あんな一瞬に言葉を発する余裕があるならまだ逃げようとするだろう。猛スピードで走ってきたトラックは友一のことを引きながらハンバーガーショップに突っ込んでいった。

友一の体には割れたガラスの破片が刺さっていた。そして体のいたるところから大量の出血をしてた。友一は病院に緊急搬送された。意識は不明の重体。トラックの運転手は確認した時点で即死だったらしい。そして後からわかったことだが事故の原因はトラックの運転手の居眠り運転。

そして夜9時。美香にもこのことが伝わり美香は急いで病院に駆けつけた

「友一は!?どーしちゃったの!」

ベッドには顔に白い布が被せられた人が寝ていた。

美香は部屋を出て2回ほど病室の番号を確認してから友一の母親の前で声を出さずに泣き崩れた。顔はくしゃくしゃで幼い赤ん坊のように気持ちを表しながら思いっきり泣いていた。

午後8時56分。不慮の事故により三上友一の人生は幕を閉じたのであった。

読んでいただきありがとうございました!主人公死んじゃったけどまだ終わりじゃないですよ?笑

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