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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第87話

     87

 午後のリラックスした時間が終わると、すぐに夜が来て、夕食の時間になる。食事を簡単に済ませて入浴し、午後九時にはベッドに入って休んだ。朝まで眠る。最近、寝る前にカフェオレを一杯作って飲んでいた。睡眠の質が上がり、朝の目覚めがいいのだ。いろいろ考えていた。起きてから、いい一日を送る方法を。

 翌朝午前五時に起き出し、キッチンへと入っていく。コーヒーを淹れて飲んだ。朝の一杯は気付けだ。目を覚まして朝食を作る。味噌汁をこしらえ、ご飯や納豆と一緒に取った。そしてヨーグルトを口にし、後片付けを済ませて洗面所へ行く。

 歯を磨き、洗顔して髭を剃る。いつも通りだった。冷えるのだが、それにも慣れている。多少寒い場所でも平気だ。昔から何かと苦労の多い人生を送ってきていて、エアコンなどがなくても、過ごしてきた。寒暖など、どうとでも乗り切れる。

 書斎でパソコンを立ち上げて、キーを叩き、原稿を作っていく。一つのリズムとして慣れていた。本来なら一日や二日ぐらい仕事を休んでもいいのだが、作品は毎日作り続ける。マシーンは執筆かニュース、動画サイトの閲覧ぐらいで、後は使わない。 

 著作の増刷は相変わらず掛からない。だが、新人賞経由でデビューしているので、仕事は来る。文壇というのは売れてない作家が大勢いて、人気の書き手などほんの一握りだ。それは昔から変わってない。

 それに売れてくると大変だろう。知名度のある作家のプライバシーなどないに等しいのだし、出版社も本を売るためなら、何でもする。特に文芸書などは大量に売り捌かれる。儲けても使い道がないような金など、持っていても仕方ないのだし、第一意味がない。

 俺自身、自分の時間の方を大事にしていた。ずっとその方向性でやってきている。煩わしいことに執着がないのだ。正午前には仕事を終えて、パソコンを閉じ、自分の時間を取る。世の中の情勢などより、学術の方に興味関心があった。人間は誰しも、自分が関心のあることに対し、他人は興味を覚えない。実に分かりやすい図式だ。俺もニュースなど、わざわざ時間を取ってまでは見ないのだし……。

 ドラマや本などに浸る。ずっとそんな感じで日々流れていった。出版社や雑誌社の人間以外、他人ともほとんど関わることなく……。(以下次号)


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