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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第8話

     8

 午後の読書に疲れて、夕食を取り、入浴を済ませてから、午後十時には休んだ。夜は寝る時間だ。朝型の生活なので、どうしても遅くまで起きていられない。早めに寝て、早く起きる。そんな日々が続いていた。

 翌朝も午前五時に起き出し、洗面してから、身支度を整え、朝食を取る。そして午前六時半には書斎に入った。パソコンを立ち上げて、キーを叩き始める。何かしらだるいのだが、原稿を打ち続けた。

 ネット小説の続きを書く。もうすでに最初書いて送った原稿は校了を経て、サイトにアップされていた。連載となると、ずっと書かざるを得ないので、いいリズムとなる。東部出版から仕事をもらえて、ありがたかった。単に新人賞を一つ獲り、デビューしたぐらいじゃ、職業作家としてやっていける人は極少ない。まあ、俺なんかまだいい方だ。本当に仕事がない人間は、外に出て働いているのだろうし……。

 原稿を打ちながら、いろいろ考える。四十代というのは、安定し始める時期だ。私生活も仕事も。結婚こそしてなくて、やもめなのだが、別に構わない。やりたいことをやっている。今更妻をもらい、扶養するのは難しいと感じているのだ。俺にも限界がある。やれないことはやらない。最初から。常にそう思っていた。

 昼前までに仕事を終える。締め切りが近い月刊雑誌の連載原稿も進んでいた。月三本だから、少ないのだが、一作一作丁寧に書いていく。そう時間は掛けられないと分かっていても、だ。

 昼食を挟み、午後からは本を読み始めた。読書はいい。脳に適度な刺激を与える。いつもやっていることだから、慣れていた。長い習慣なのだ。元々苦にならないことで、頼まれた書評なども惑わず手掛ける。今でも、新作のミステリーや捕物帳などはネット書店で買ったり、仕事の契約をしている出版社から献本されてきたりしていた。目を通しながら、今の流行りを知る。まあ、文芸の世界の流行の最先端までは掴めていなかったのだけれど……。(以下次号)


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