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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第74話

     74

 午後九時に眠る生活が続く。健康的なリズムで、自ずと朝が早くなる。木曜も午前五時に起き出して、キッチンへと向かった。だるい。気付けのコーヒーを一杯淹れて飲み、食事を作った。味噌汁をこしらえ、ご飯や納豆と一緒に食べる。ヨーグルトを口にし、食後のコーヒーを飲んでから、洗面所へと行った。

 朝は念入りに歯を磨く。寝ている間、口の中が乾燥しているからだ。顔を洗って髭を剃る。そして飲み水を入れた小型のペットボトルを持ち、書斎へと入っていった。パソコンを立ち上げて、ドキュメントを開き、キーを叩き始める。原稿に加筆していく。まあ、慣れていることなのだが……。

 暇がない。ずっと書斎で書き物をした。普段からやっていることを当たり前にやる。作家である以上、言語の虫だ。小説を書く人間など、どこかしら変わっている。それは感じていた。普通の人間と何かが違うのだ。五感はもちろん、感性や感受性といった類のものが……。

 キーを叩く。その音とBGMだけが室内に鳴り響いた。後は何かと静かな午前だ。街が動き出す頃には仕事を始めている。思う。孤独だなと。それはそれで、そう気にしてないのだが……。

 ふと立ち上がり、キッチンでコーヒーを一杯淹れて口にする。台所には朝食の残り香が漂っていた。仄かに香っている。

 いつ頃から、他人との意識の違いを認識し始めたか、はっきりとは分からない。ただ、俺自身、昔から少し変わった感じだった。世の中との乖離のようなものもあって。まあ、今となっては別にそう気に留めてないのだけれど……。俺には俺で自分なりの世界がある。ぞう感じていた。何かと慌ただしいのだが……。

 昼になり、食事を作って取る。気が抜けた。まるで糸が切れたように……。(以下次号)


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