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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第73話

     73

 火曜も夜は午後九時前に眠る。心身ともに疲れていて、ベッドに入ると、すぐに寝入った。明け方、夢を見たのだが、午前五時には目が覚めて起き出す。濃い目のコーヒーを一杯淹れて飲み、食事を作った。切った具をお湯に入れ、味噌を溶いて味噌汁をこしらえる。そしてご飯や納豆と一緒に食べ、食後にヨーグルトを口にした。

 後片付けを終えて、洗面所で歯磨きや洗顔をしてから、髭を剃った。書斎でパソコンを立ち上げて、ドキュメントを開き、キーを叩き出す。朝は寒いのだが、いったん起きると、合間の仮眠時以外、夜の就寝時間まで休むことはない。

 いつも頑張っている。あくまで自分なりに。確かに原稿は出来ていく。本職の作家は書くのが仕事だ。常にそれは念頭に置いている。出版物の宣伝は、出版社がするのだ。作家がやることじゃない。SNSなどで著作を売り込むプロもいるにはいるのだが、それはあくまで個人的趣向だろう。俺だって、そういったことは一切しない。

 キーを叩き、原稿を作っていく。合間にエネルギーが切れても、ミルクを入れたコーヒーで我慢する。食事はきっちり三度だ。野菜や大豆たんぱくを中心に据えて、カロリーはセーブせずに。コーヒーは一日に何杯も飲むのだが、あくまでブラックで口にすることが多かった。

 物書きは個人でやることだから、自力で原稿を作っていく。ミステリーやハードボイルドだと、新ジャンルは開拓できないのだが、マンネリにマンネリを重ねる。大抵、世の中の推理作家など同じものを作り続けているのが現状だ。それに推理に飽きれば、時代物など他ジャンルに転向する人間もいる。俺自身、慣れた分野で勝負するのだが……。

 午前中、フル稼働で作品を書き、正午過ぎに昼食を取る。そして午後からはテレビ鑑賞や読書に時間を充てた。書評を書くため、作品を読むこともある。何かと体は重たい。四十代が、まさにそういった年代であることを思い知らされている気がした。気にすることはそうないのだけれど……。(以下次号)


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