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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第66話

     66

 夜は眠る時間である。昼間活動し、連日疲れているから、夜間は眠っていた。午後九時にはベッドに潜り込み、翌朝は午前五時に起き出す。キッチンでコーヒーを一杯淹れて、飲んでから、食事を作った。だるいのだが、朝はしっかりと目を覚まし、一日を始める。

 朝食後、洗面所で歯を磨き、顔を洗って髭を剃る。そして書斎へ入っていき、パソコンを起動させた。ドキュメントを開き、キーを叩いて加筆していく。朝の新鮮な頭だと、原稿がはかどる。午前六時半から始めているので、正午前には終わるのだ。

 ネット小説の原稿を書きながら、いろいろ考える。確かにアクセス数は多いのだが、連載が終わって作品が仕上がった後、果たして本になるだろうかと。気掛かりはあった。俺自身、人気作家でも何でもないので、売れる見込みはまるでない。連載を読んだ人間、もしくは興味を持った人間が書店で買うだろうか?

 知名度により出る部数もだいぶ違ってくる。売れている本は増刷が掛かりやすい。当たり前と言えば、当たり前の話なのだが、出版など人気度や有名さが関係してくる。どんな悪書でも、人気者が書けばほほ確実に売れる――、ただそれだけの話だ。それにテレビドラマなどのノベライズは、結構まとまった部数出る。

 窓から外を見ながら思う。街も冬枯れつつあると。キーを叩き、原稿を作っていく。相変わらず掌や腕が痛い。いわゆる四十肩だろう。痛み止めを使うことがある。病院に掛かった時は、ドクターにも詳しい事情を話す。医者も物書きなどは珍しいようで、俺に合った薬を処方してくれる。

 体が頑丈じゃないので、気を付けていた。気苦労は絶えないのだし、いろいろと我慢することもある。いつも意識が内面を向いていた。注意が自分の方に行くのである。内向的な性格が幸いすることもあるよな――、そう思えていた。特に作中でいろんな描写などをする際、注意が内向きだと、一際造形しやすい。そこ一点に集中するからである。

 仕事が終わると、自己を解放する時間だ。ゆっくりしながら……。(以下次号)


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