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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第59話

     59

 その日も午後九時前には眠った。一晩ゆっくり休む。頭脳労働で頭ばかり使うので、結構寝ていた。朝は午前五時に起きる。だるいのだが、起きてコーヒーを一杯飲めば、目が覚めた。朝食を作って食べる。誰にも邪魔されない。家に来る人間など、ほとんどいないのだし……。

 洗面してから、書斎へと向かう。パソコンを立ち上げてネットに繋ぎ、メインのニュースを少しだけ読む。メールのチェックも済ませてから、執筆に入った。午前六時半が始業時刻だ。いつも早めに原稿に取り掛かる。朝から書いておかないと、午後の頭などじゃとても書けないのだし……。

 キーを叩き出す。何かと疲労があったが、ネット小説を書き足していった。外はまだ暗い。早起きには慣れている。何かと落ち着かないこともあるのだけれど、仕事中にソワソワするのは極自然だ。何も考えないということはない。意識は常に移り変わっていく。

 日々四百字詰め原稿用紙換算で十五枚から二十枚ぐらい書く。そして後は自分の時間に充てていた。一口に専業といっても、作品が売れてないので、原稿の執筆依頼はそう来ない。だが、別に気にすることもなかった。単に自分の生活費と、わずかな遊興費を稼ぐぐらいで十分だ。大枚は必要ないのである。

 原稿を書きながら、いろいろ思う。考えるだけ無駄なことも。でも、人生に無駄などない。生きていく上で役には立っているはずだ。そう感じながら、日々送る。

 鬱の症状はあった。抗うつ剤は服用している。酒は一滴たりとも飲まない。代わりに本を読む時間が好きだった。いろんな書籍を次から次に読みこなす。そういった読書の才能は大いにあった。今考えても、仮に小説家じゃなかったら、評論家などの仕事に就いていた気がする。後から思っても仕方ないことなのだが、それだけ学術に興味があるのだ。もちろん、評論などろくに食える仕事じゃないのが現状なのだけれど……。

 昼には仕事が終わり、パソコンを閉じた。キッチンで食事を作って取りながら、ゆっくりする。また自分の時間になると思っていて……。(以下次号)


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