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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第54話

     54

 毎日、ほとんどの時間を自宅マンションで過ごす。パソコンでの原稿執筆と、テレビ鑑賞、それに読書ぐらいで何かと疲れていたのだが、日々やるべきことをこなしていった。暇はない。午前五時に起き出し、コーヒーを一杯淹れて飲み、食事を取って一日の支度をする。午前六時半には書斎で原稿を打ち始めた。常にこのスタイルで行く。

 キーを叩き、原稿を作っていった。ネット小説を綴りながら、同時に月刊誌の連載原稿、それに書き下ろしの単行本用の原稿も書く。一日のうちで、五時間ぐらいは執筆に使っていた。掌や腕が腱鞘炎で痛いのだが、鎮痛剤は特に使ってない。極々軽いから、放っておいても自然に治る。

 最近テレビドラマが面白い。一日に二時間ぐらい見ていた。頭が疲れるのだが、録っていたものは見ないともったいない。録画機能は便利だ。好きな番組を見たい時に見れるのだし……。

 もちろん、俺にとって読書の方が疲れなくて済む。作家だから、文字を相手にすることは得意だった。本を読むことは目を動かすという、脳にとって単純な作業の繰り返しだが、習慣化していて欠かさない。一日に三、四時間ぐらいは……。

 東部出版の担当編集者である今城は、常にメールしてくる。こっちも原稿はきちんと入稿していた。ネット小説は順当に進んでいる。好きこそもののと言うが、まさにその通りだった。原稿を打つことが苦にならない。それ相応に根気もあるのだし……。

 プロの書き手はよく静かな別荘や、特別な個室で原稿を書くイメージがあるのだが、それは売れている人たちだけだ。俺なんか、キッチンと風呂場、トイレ、リビングの1LDKの部屋で執筆している。売れないなりに、それ相応で。東京時代はもっとひどかった。今の方がまだマシである。部屋の間取りや広さ、立地条件などを考えると……。学生時代は部屋が駅から遠くて、何かと不便だったのだし……。

 その日も昼になり、一日の仕事が終わって昼食を取った。そしてゆっくりし始める。DVDレコーダーを起動させ、録っていたテレビ番組を見ながら……。(以下次号)


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