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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第52話

     52

 毎日流れていく。気怠かったが、夜は早めに眠り、朝は普通に午前五時に起き出す。コーヒーを一杯淹れて飲みながら、朝食を作って食べる。食事が済むと、洗面してから、書斎に向かった。パソコンを起動させ、立ち上げてから、ドキュメントを開き、キーを叩き出す。多少疲れていても執筆する。

 日常はほとんど変わらなかった。まだいい方だと思う。売れている作家は皆、ずっと原稿に追われるだろう。私生活や、ゆっくりする時間がないのだ。もちろん、売れないより売れる方がいい。だが、作家というのは人気があって、ニーズがあればあるだけ、激しい仕事が続く。耐えられない苦しみだろう。そう思えていた。その点、俺の方は淡々と書く。自分なりに構想する事件モノを。

 毎日書いている。ちょこちょこと。合間に休憩などを上手く挟みながら……。確かに原稿を作ることには生みの苦しみがある。昔からその繰り返しだった。でも、いつも思う。人間、稼いでいる金銭の多寡など関係ないと。むしろ、努力の美しさを尊ぶべきだ。そう感じながら、執筆していった。

 これからもこんな感じで人生が続くだろう。気にも留めてない。周囲が何を言おうと、俺には俺のやり方がある。自分なりにこなしていく。連載も、新作の書き下ろしも、書評も。

 ネット小説を進めた。書き足しながら思う。我ながらいい物が出来てると。いずれ単行本化されたら、ある程度部数出るな、と暗黙裡に感じていて……。

 トイレに立った後、水分補給に必ず水かコーヒーを飲む。そしてまたキーを叩き始めた。ずっと循環していく。リズムが作れて。調子がいいかどうかはよく分からないのだが、日常が回っていた。原稿を打ちながら、だ。

 午前六時半に始業し、昼前には仕事が終わって、ゆっくりし始める。別にいいと思っていた。確かに労働時間は少ない。正味五時間程度だ。だが、他の時間はテレビ鑑賞や読書などに充てる。作業外はあえてパソコンを閉じて。いいと思えた。時を有効に使えているのだから……。(以下次号)


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