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本を書く仕事  作者: 竹仲法順
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第50話

     50

 毎日を送っていくのに幾分疲れる。夜はいつも早いのだが、朝が何かと辛い。午前五時に起きて、キッチンでコーヒーを一杯淹れ、飲む。朝食を作り、食べてから、後片付けをして、洗面所で洗面した。歯を磨き、顔を洗って髭を剃る。髪も整えてから、書斎に入った。パソコンを立ち上げて、キーを叩き始める。その日もネット小説の原稿を加筆し出した。

 いつも朝から原稿を書く。日曜も欠かさず執筆していた。とにかく愚直にやる。小説の舞台は都内が多いのだし、新宿の街はよく出していた。歌舞伎町にはあまり行ったことがないのだが、どうしても犯罪になると、繁華街を出さざるを得ない。

 作風はマンネリ化していて、新鮮味はない。俺自身、そういった推理作家なのだ。別にいいのである。売れても売れなくても、プロである以上、原稿を綴り続ける。東部出版とはよく仕事をしていた。今城は俺の原稿をしっかり読んでくれる。いい編集者だった。あの男性編集者も金は相当持っていて、使い道がないのだろうが……。

 俺自身、普段から貧乏暮らしなのだが、地味でもよかった。作家などそういった人間が多い。確かに派手な人もいるのだけれど、大抵いつもパソコンを弄っていて、原稿を書くのに必死な人をイメージしてしまう。

 昔、都内に住んでいたから、大体街の雰囲気は掴める。ネットの地図で調べることもあったが、それは細かいところを描写するのに使う程度だ。

 原稿が出来たらしっかり推敲し、表現の矛盾やディテール、それに誤字・脱字のチェックもする。書き手として、当たり前のことだ。長期連載が多いので、尚更真剣になる。慣れていても、原稿を作るということの原点に立ち返ってやっていた。

 仕上げたら、メールで入稿する。他の連載も同じことだった。やはり原稿料が収入のメインなので、作業中は執筆に没頭する。いろいろあって、たくさんの仕事を同時に抱え込むことは事実上不可能だった。月三本の連載ぐらいで、十分食べていける。他に単行本用の長編原稿の執筆もしていた。じっくりと腰を据えて。

 いつも昼には仕事が終わる。パソコンを閉じて、ゆっくりし始めた。リビングでDVDレコーダーを起動し、録っていたテレビ番組を見ながら寛ぐ。午後からはフリータイムだ。大体毎日ほとんど……。(以下次号)


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